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哲学者になれなかった皇帝

今日は、ここ数週間のどん底のタネに対峙した。結果的には交渉が最悪の方向には進まなさそうで、終わった後は久方ぶりに全身の緊張がほぐれた。とはいえ、まだ気は許せない状況は続く。一歩一歩進んでいくしかない。

先日の投稿に続いてだが、ここ最近NHK「100分de名著」の番組を振り返るのがマイブームになってる。

この番組を通じて、はじめてその著作とともに、人生を知ることができた偉大なる人生の先輩方は多い。かのローマ皇帝マルクス・アウレリウス・アンノトニヌスもそのひとりだ。

高校の頃世界史にハマっていたこともあって、ローマ帝国最盛期、パックス・ロマーナを築いた偉大なる皇帝ということで、その名前は当然存じていた。が、その皇帝としての人生に、何を思い、何を考えてきたのかはこの『自省録』で初めて知った。

「人生いかに生きるべきか」「困難に直面したときどう向き合えばいいのか」といった人生論もさることながら、個人的に一番驚き印象に残ったのは、彼の人生そのものだった。マルクス・アウレリウスの小さなころの夢は哲学者だった。しかし、18歳で次の皇帝に指名されたことで その道は断たれた。それでも、皇帝のしての政務やローマ帝国を囲む厳しい現実を前に、自ら哲学を続けた。そして、後世にこのような名著を残したのだ。

かの皇帝と比べるに値しないが、研究者になれなかったというのは自分もそうだ。大学卒業後、大学院に進学して研究職に進みたかったが、いろいろと事情が重なりその道は途絶えた。そのとき道半ばにあきらめてしまったことは、その後何年もコンプレックスとして自分の前に立ちはだかることになる。

それでも、かのマルクス・アウレリウスでさえ人生において挫折があり、それでも信念を曲げずに自らの役割を全うされた。じゃあ自分はどうだろうか。

ちなみに、この自省録の会はテレビで見ていたが、解説の岸見先生がお話されるご自身の人生の苦難のエピソードが作品観賞をより深いものにした次第で。本も出ているのでぜひ手に取っていただきたい。



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