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ロードレーサー、VOGUEの譜系2


前回のロードレーサー、VOGUEの譜系1からの続きです。

チームミチホがVOGUEを使用している様子を間接的に示す広告を発見。

サイクルスポーツ誌、1984年8月号

I LOVE CYCLE AKIさんの広告から

3台がスイス遠征中!とあります。
やはりチームミチホは遠征時にVOGUEを使用していたんですね。

しかし、ここで一つ疑問が。
スポンサーのAMANDAさんと言えば
早くからカーボンフレームに目を付ける気鋭のビルダーのはず。
素直に考えれば、スポンサードしている日本の強豪選手に
最新の自社製フレームを使って貰えれば
相当な広告効果だったはず。
下手をすれば、’86ツール・ド・フランスの
LOOKのKG85より前に、カーボンフレームで実戦に出られた訳ですもんね。

1982年には40トンカーボンのフレームを開発、翌年には市川雅敏選手がCF・ボロンファイバーのロードフレームを使用。

https://www.amanda-sports.com/side/profile.html
アマンダスポーツ、アマンダの軌跡より

時系列で考えても
1982年の時点で市川選手が既に
CF・ボロンファイバーのロードフレームを使用とあるので
素人考えでは、市川選手が居る中でもありますので
CFフレームが開発途上で、実戦投入のタイミングが不可としても
既存のAMANDAフレームでなく
何故VOGUEで参戦させたのかが解りません。
AMANDAさんの意向なのか、それとも何らかの大人の事情なのか…
これも今後の宿題ですね。

続いてチームミチホ関連として、こんな記事も見つけました。

サイクルスポーツ誌、1984年7月号

そして、国内スポーツニュースの記事中の
チームミチホの詳報。

まさに武者修行だったのですね。

そして、こんな物も見つけました。
発行:風書房、発売:芸術新聞社
自転車ラ・ストラーダ、ロードレーサー’88

表紙がビアンキのC4、これを最初に見た当時おったまげましたね。

先日ワンコインでオークションで入手しましたが
これが中々良い資料でした。

I LOVE CYCLE AKI仕様のVOGUE。シュパーブプロも似合いますね。
やはりここでも使用目的の重要さを謳っていますね。
そして出ました、本家VOGUE。カンパコーラスのAssyも中々ですね。
やはりここでも、使用目的を決めることとあります。

そしてさらに、サイクルスポーツ別冊
オーダーサイクル図鑑

おお、表紙下にはマリオ・ロッシン氏が!

そして最初の紹介が、VOGUEです。

この水色系のフレームに、白か黄色のサドル+バーテープが
私のVOGUEのイメージです。
最初PINK VOGUEをこのカラーにしようかと、本気で悩みました。
この車体は、トップチューブにもグラフィックがあるのが珍しいと思います。
そしてこの個体は、ヘッドが梶原デザインラグ+シート集合ステーですね。

そして、私が所有するVOGUEについて
使用するパイプについて、特定したいと思います。
購入時、いずれも使用するパイプの種類を示す
銘柄のステッカーはありませんでした。
しかしどうも、この辺りにヒントが隠されていると思うのですが…

今度はサイクルスポーツ誌、1987年9月号

前に紹介のBLUE VOGUEですが
この広告に記載の、ロード・Std¥72,000なのかも知れません。

どうも、BLUEについてはこのロード・Std¥72,000の様な気がします。
これだと丹下のNo2なんですよね。

広告の記載を一部抜粋すると、仕様が
・ロストラグ
・ハンガー
・クラウン
・シマノEF
・タンゲNo.2
・ホーク(フォーク)クラウン、シートエンド刻印入
・八田スワンNo.1ヘッド
の様ですが…

ちょっと改めて見てみましょう。
ロストワックス製ラグ
元エベレストの梶原氏がデザインしたロングポイントの通称「梶原ラグ」と
以前紹介させて頂きました。
(この個体は小さいフレームなので、ラグに一部加工されていると思います。)
あと、ロストワックス製(フォーク)クラウンですね。
ロストワックス製ハンガー
シマノEFエンド
ホーク(フォーク)クラウン、シートエンド彫刻入
BLUE VOGUEから外した八田スワンのヘッドです。

そして、シートポストの径はΦ26.8でした。

すると、内径が丹下で合致するのは…

丹下No2ですと
シートチューブの外径が28.6
そして肉厚0.9-0.6-0.9のダブルバテット管ですので
28.6-(0.9×2)=26.8となりますから
やはりBLUE VOGUEは先のロード・Stdなのだと思います。

それと、PINKについてはシートポスト径Φ26.6ですが

高比良氏は丹下No2を好むところや
シートポストのラグが変形していた過去を考えると
誤差範疇内を加味する事を考えればやはり
丹下No2を使用しているのが濃厚だと思いますね。
そして7400デュラエースの内、UGスプロケットでSLRブレーキレバー
このAssyを考えると、’89~’90頃の完成車でのオーダー車
だったのかも知れませんね。


引用元

・サイクルスポーツ誌
1984年7月号、国内スポーツニュース
1984年8月号、I LOVE CYCLE AKIさんの広告
1987年9月号、VOGUE SHOP CYCLES ORIENTの広告
別冊オーダーサイクル図鑑
・発行:風書房、発売:芸術新聞社
自転車ラ・ストラーダ、ロードレーサー’88

その3に続く。

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