見出し画像

【エッセイ】長瀬有花のライブを見た 金曜日はすごく透明だった #長瀬有花エウレカ

あえて今回はライブレポは書かない。
それは行く前から少し心に決めていた。
だから、これはあくまで今日の感想とエッセイ。
あったことと、思いの丈だけを並べたものだ。

2023年8月25日、私は長瀬有花ライブ「Eureka」を見た。
仕事を終わらせ、さながら「仕事終わりです」と言わんとする姿で、逃げるように職場から去った。
ジャケットは抜いだものの、Yシャツにズボンはスーツのまま。
恵比寿・LIQUIDROOMにはあまり似つかわしいとは思えない。
しかし、待ちきれない気持ちは、ただ歩みを進めた。

会場につけば、たくさんのファンと目を光らせたオーディエンスたち。
携帯の通知を覗けば、サカナクションファンのフォロワーも駆けつけているとDMを寄せており、初めて会うことになった。

互いに「まさかLIQUIDROOMで会うとは」と話していた。
サカナクションファンにとって、LIQUIDROOMはNFというイベントの開催地であり、聖地。
個人的には「もしかすると、そういう理由もあってLIQUIDROOMだったのか?」と思うこともあった。

長瀬有花も「アイデンティティを歌っていましたよね~」とサカナクションと長瀬有花の話を織り交ぜて、開演を待った。
彼は最近LPも買ったようで、私の知らない間に大分ファンになっていたようだった。少しうれしかった。

開園後は、とにかく見るのに精一杯で、自分がどう声かけてたとか、自分がどうしていたかは、あまり覚えてない。
ただただ、ロックバンドを応援するときのように、手を振っていたような気がする。

「あなたの好きな応援の仕方をしてくださいね」

そんな言葉がすべてをやさしさで包み込み、「長瀬有花ワールド」を確立させたように感じた。
ペンライトを持たず、ただ手を振ったり、拍子を打つのは私にとってはいつも通りだが、それが「演出のため」とペンライトを持つことが許されていないのがVTuberではある種新鮮だった。
そういうこともあって、ライブに集中できたのだと思う。

ロケットか、宇宙船か。
彼女がデジタルの姿から、フィジカルの姿に身体を表した時には、
「エウレカ!」か「我、見たり!」か「そこに居る!」。
いずれかに近い驚きを覚えた。

多分、この見た瞬間の記憶は数年と忘れることはないだろう。

5分間の撮影タイム 23時までに撤収大変ですよね……

終演後、件のサカナクションファンと感想を話しながら、LIQUIDROOM内のポスターやサカナクションメンバーのステッカーを撮る。
DMに別の知人に「集まる?」と聞いて、ここでサカナクションファンの彼とは別れた。

その後は別のファンとも集まって、プレミアムチケットの仲間がCDと交換するまで待つことに。
その間、私はLIQUIDROOM隣にある飲食店でかき氷を頼んだ。

ブルーベリーに練乳 ちょっとサービスしてもらった やさしい

「ああ、いいからいいから」と、知人の知人である韓国から来たファンの彼にかき氷をおごる。
私はこういうライブ後などは、誰かに何かをおごりたくなる。

最初は2つを頼もうと思ったが、待っている彼1人だけないのは申し訳ないと思って3つを注文(でも合流した他のファンに溶けそうなのでたべてもらった……すまーん。)。
ブルーベリーのほのかな甘み。練乳のやさしいあまさ。とてもおいしかった。

実は、店内では長瀬有花の音楽がずっとながれていた。
きっと、他のファンは素通りをしている。
自分もほかのライブの時には、このお店によることなく、ずっと素通りをしてしまっていた。

でも、こうやって足を止めてみると、実はおいしいものと素敵な配慮があった。
これを知っているのは案外、あの数のオーディエンスがいたとしても、知っている人は少ないかもしれない。

「とりあえず腹減ったからどこか入ろう」
「ここ空いてるっぽい」
「いけるいける!」

「kpしますか」
「乾杯!」

「いいものを見た」
「楽しかった」
「よかった」

そんな会話をし、皆ほぼ終電で移動する。
また次にいつ会うかもわからない。
もう会わないかもしれない。一期一会。

でも、「今日とバイバイしたくないの」。
そんなことを思って、自社の所属VTuberの配信を見守る。
笑う姿を見せる、Vの彼。

やっぱり、VTuberは楽しいのが一番だ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?