白紙。

「お前が書いた駄文はこのノートの可能性を奪っただけ」
と昔言われた台詞を夢に見て目が覚めました。90年代後半かな?
 割と大人の“インテリ風罵声”としては定型文でした。
 その時代の大人が歳を重ね“老害”と呼ばれてるなら納得する事もあります。

…まぁその話は置いて

 私の覚えてる限りでは
彼は文章を書く人ではなかった。
 その時々の怒りや嫉み妬みを書き留めることなく残したノートには…

誰かの名言と
可能性と言う白紙の頁。

そこに彼はいなかった…。

言われた事なんて忘れていた。
嫌いな大人だった。
軽蔑すらしていただろう。

だけど彼には
“誰にも見せないノートにも吐露できない”
そんな心情があった事を白紙が示していた。

それを観た私こそ“ノートの可能性”と彼に言われるのだろうか?

だとすれば彼は、
現実の小さくなった背中ではなく…
昔の大きく嫌な背中を私に残した訳だ。

迷惑な話であります。



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