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僕がシカ起業家になると決意するまでの物語

僕は北海道生まれの19歳の大学生です。
おととしに高校を卒業して、大学のために横浜に来ました。
とても刺激的な半年間を過ごして、アメフト部とバスケサークルのムキムキな友人2人が北海道に行きたがったので、帰省も兼ねて、秋の味覚が満載の北海道へ帰りました。
彼らと札幌ラーメン!スープカレー!寿司!とグルメを満喫しました。
そして、彼らが帰るとき、JRのベンチで電車が来るのを待っていました。
すると、駅員さんのアナウンスが入りました。
電車が鹿と衝突して、運休しているということでした。
ムキムキ君たちも、さすがにこれには驚いていました。
正直、北海道出身の僕も驚きました。
でも、なんとかその後復旧し、彼らは横浜に帰ることができました。

その数週間後くらい、僕は、衝撃的なニュースを見ました。
そのニュースを要約すると、シカが道路に飛び出したことで、自動車と衝突した。
ここまでは、よくあるかと思います。
衝撃的なのは、そこからで、衝突した車は勢い余って、対向車線に飛び出したのです。
いくら広い北海道とはいえ、対向車は来ます。
そうして、衝突した車は対向車も避けることができず、衝突事故が起こりました。
そして、なんと、亡くなったのは対向車の乗用車でした。
衝突したドライバーの方を考えると、僕は言葉を見つけられませんでした。
運転中にシカと衝突してしまうのは、もちろん怖いです。
しかし、衝突した勢いで、対向車に飛び出し、対向車の乗用車を死なせてしまったのです。
もし、「これが自分だったら」、そう思うと、辛くて仕方ありませんでした。
胸がぎゅーっと重く締め付けられる感覚です。

なぜ、こんなにも鹿の事故が発生するのだろうと思い調べてみました。
すると、シカによる被害が凄まじいことがわかったのです。
農家さんの野菜を食べちゃったり、林業家さんが育てた木の皮を食べて枯らしたり、交通事故を起こしたり、森の植物が減りすぎたり、、いろんな種類の被害があることを知りました。

しかも、これは北海道だけでは無かったのです。日本全国の問題でした。
農林水産省も、経済産業省も、環境省も、国土交通省も問題を認識し、対策を行っている問題でした。
そして、林野庁によると、一年間でこの被害を防ぐために2,500億円を投じているのです。
しかし、目標は達成されていません。達成率は、狩猟数と個体数のどちらも50%くらいです。
また、森林の専門家は、放置したら、日本の森に手を着けられなくなると言っています。
3つ挙げると、シカの数は4年で2倍になる、増えたら個体数管理は不可能、植物の多様性は元に戻らないということです。

だから、「たくさん駆らないと」僕はそう思いました。
きっとあなたもそう思っていると思います。
しかし、調べていくうちに疑問がわきました。
駆除されたシカはどうなっているんだ?
そう思いませんか?
被害!対策!駆除!
ずっとそう言ってきました。
そこで、調べてみました。

すると、利用率はまさかの9%でした。
驚愕です。
顎が外れるかと思いました。
言い換えると、狩猟されたシカの91%が廃棄されているのです。

「これはさすがに、おかしい」
そう思いました。
僕はこの感情は、全ての人に共感してもらえると思っています。
だって、命を奪って、捨てるだけですよ?

もちろん、ヴィーガンの方や動物愛護団体の方は、命を奪うことに反対するかもしれません。
僕は、そこまで過激派ではありません。
むしろ自然の摂理として、弱肉強食の原理が働くことは自然なことだと思っています。
でも、さすがに、命を奪って捨てるだけは、おかしいと思いました。

そうして、現在の取り組みを調べてみました。

意外にも、活用しているところはありました。
「ジビエ料理」や「鹿革バッグ」もありました。
最近ブームになってるみたいですが、それでも91%が廃棄。。。
そこの一番の問題点は、それぞれが小規模でやっているということです。

やはり、リスクをとって解決しようと思う人はいないのか。
そんな残念な気持ちになりました。
でも、誰かがやらないとこの問題は解決されない。
そして、今やらないと、高齢化がさらに進んで、手を着けられなくなる。
いつか、いままで大好きだった自然の景色や文化を失うことになるかもしれない。
そんな恐怖と不安が僕を襲っていました。

ですが、僕が起業をしようと思ったのはこの頃です。
この恐怖と不安が、僕に使命を感じさせました。
「俺がやらなくて誰がやるんだ?」
「こんな問題、誰が知ってるんだ?」
そんな思いから、
「大好きな北海道や日本、そして大自然に貢献したい」
そういった大きなポジティブな想いに変わっていきました
こうして、僕は「命を大事にする」シカ起業家になると決意しました。

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