障子は空を映している
体調を崩し、ぼーっとしていた。
病床は和室だった。
1週間、寝込んでいた。
障子がとても身近な部屋だった。
朝5時から6時にかけて空が明るみ始め、
夕方の4時ごろから日が傾き、
6時にはだいぶ暗くなった。
視界に入る障子はうっすらと光を写していた。
障子の上の端が表情が豊かで、
平行方向に色味が変わっている。
それはまるで歌川広重の描く
浮世絵のグラデーションのような
色合いだ。
日本人はグラデーションが
好きなんだろうな。
そんなふうに思った。
病床を離れ、ふと、
夕暮れの景色を窓から眺める。
そこには赤やピンク、紫で彩られた
夕焼けのグラデーションが広がっていた。
そうか、障子も浮世絵も
空を写していたんだな。
夕焼けの美しさには
妙な説得力があった。
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