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愛媛の銘菓「ゆずっ子」|琴松堂本舗

四国と聞くと温暖な気候や海を思い浮かべるが、「四国山地」と名前がつくほど、山間部が多くを占める。山あいの地域では林業もさることながら、カキ、クリ、ブドウなど果樹も栽培されており、柑橘類のユズも四国の山あいで栽培されるフルーツの一つだ。

愛媛県鬼北町のゆずポン酢や、高知県馬路村のゆずドリンクなど、ゆずを加工した商品がたくさんあるが、愛媛県内子町で作られている和菓子「ゆずっ子」も銘菓とよばれ、長年愛されてきた。

美味しい味

100円玉くらいの白あんの団子の上にゆずをちょこんと乗せ、寒天でまわりをつつんだお菓子は上品なあんこと柚子の香りが楽しめる逸品。あんこの味は甘すぎず、材料にもこだわり、混じり気のない素朴な味わいが楽しめる。大きすぎず、お茶菓子でお腹がふくれることもない。

1980年-90年代は「愛媛の銘菓は一六タルトかゆずっ子か」と言われたほど。全国のデパート「三越」に商品を卸す人気ぶり。京都の清水寺近くの料亭や各地のお茶請けと親しまれた時代もある。上皇さまが愛媛に来られた際は、県庁でもてなしの品の一つとして喜ばれた。今もなお、愛される愛媛の銘菓の一つだ。

幻の味になる可能性

創業は江戸末期。現在の当主の御年は80歳が近く、味や店の引き継ぎは決まってない。近い将来、この味がなくなってしまう可能性もある。

ゆずっ子以外にも、たくさんの良い店が消え、良い商品が消えている。もう日本の経済では、ほっておくと無くなってしまう「無くなってはならないもの」がたくさんある。食べ物、道具、美術品、体験など日本の文化、日本人たる所以は、たくさんの素晴らしい「もの」で形作ってきた。

素晴らしい味を残すために私たちにできることは、食べること。おいしさを知人・友人に伝えること。もし時間に余裕があれば、お店まで行ってお店の人に美味しいです、続けてくださいと励ますこと。

本格的に残そうと思うと、取り扱い先になり販路を増やすこと、協力者を募ること、継業について相談すること。

地元・愛媛にいても久しく食べていない人も、ぜひこの機会に気品ある里山の優しいあんこの味を食べてほしい。この度、新たに内子駅のみやげもの屋「旅里庵(たびりあん)」と「マイントピア別子」で取り扱いが追加された。店主はまだまだ諦めていない。

先日の愛媛新聞の広告より

取り扱い店舗はこちら

・いよてつ髙島屋(松山市)
・松山空港いよてつショップ(松山市)
・伊予灘SA上り線(伊予市)
・坪谷松栄堂(久万高原町)
・大和みやげものセンター(今治市)
・旅里庵(JR内子駅改札出てすぐ)
・マイントピア別子(新居浜市)

カバー写真:安藤里実さん

*商品について

賞味期限は製造から約1ヶ月。しかし、未開封であればそこから数週間もつ。また冷凍も可能。買い切りと委託販売で値段が異なる。


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