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ジャイアンは心地いいのか?

ドラえもんという漫画は登場人物の個性が豊か。臆病なのび太、才色兼備なしずかちゃん、損得で動くスネ夫に、わがままなガキ大将のジャイアン。優秀を体現した出来杉くんや優しいジャイ子など、サブキャラクターまで入れると性格全てを網羅するようなバリエーションだ。

ジャイアンに憧れる時もある

私は「一度きりの人生なんだし、なにやってもいいじゃん!」的な考え方が好きだ。せっかくなんだから色々やりたい。美味しいご飯を食べたいし、それをみんなに自慢したい。お金をたくさん手に入れて、高級ホテルもブランドバッグもエステサロンもなんでも手に入れたい。

しかしこの世の中、「したくてもしないこと」も多い。やりたいことより優先するのが周りや他人の存在。いくらおしっこがしたくても、その場ですると他人に迷惑がかかるのでトイレに行く。いくら欲しくても売っている服は盗まずにお金を払って買う。

ジャイアンじゃない人はかっこいい

社会のルールやモラル、道徳、マナーという言葉であらゆる体裁を取り繕っいながら行動している。取り繕いかたの巧さが社会的な地位を高めることもある。

人間は人との関わりの中で生きている。関係が崩れないように、より良くなるように生きる。自分が「やりたいこと」よりも「関わりを大切にする」ことが勝ることも多い。コミュニティを大切にすればするほど関わりの重要度が濃くなる。田舎は他人の目が気になるし、会社の中では行儀良くする。

人間社会はしんどい

他人の目を気にするのは時にはしんどい。姨捨山(おばすてやま)と呼ばれる言葉があったように昔の老人は老い先が短くなると家や集落から離れ、山に入ったという。山菜や沢の水をあてにして暮らし、やがては死に絶える。人間社会とは無縁になりながら死んでいったという。

それだけ人間社会はしんどいのだ。ただ、守ってこそのかっこよさというのもある。例えばスポーツ選手。ルールを守ってルールの中で鎬を削り己を磨くからこその格好良さがある。ルールを無視して好き放題してもかっこよくないのだ。

「俺のものは俺のもの、お前のものも俺のもの」

ジャイアンのように好き勝手に生きるのは逆にいうとかっこ悪く見えることも多い。ただ現代社会は時間軸で見るとジャイアン化してることもある。地球温暖化や化石燃料の浪費、日本社会だけ見れば少子高齢化も年金問題も教育問題、そもそもの予算の使い道なども現在を生きる一部の大人の都合がいいようにできている。

ジャイアンの好き勝手な現状をスネ夫のようにくっついて回るのか、ボコボコに殴られてものび太のように無鉄砲に挑むのか。はたまた出来杉くんのように高みの見物で我が道を行くこともできる。

ドラえもんは現れない

「社会問題」という強大なジャイアンとの付き合い方をどうするかで、これからの世の中は変わってくる。現状がどのキャラクターに似ているかはどうでもいい。「みんなみんなみんな叶えてくれる」ドラえもんを待っていても現れる可能性は低い。自分の足で立ち上がる必要があると思う。

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