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【保存版】Instagramマーケティングに関する設計思考ガイドブック2020

こんにちは、株式会社ライスカレーの川上(@okyaaaann)です。

弊社ではInstagramを中心に、さまざまなSNSマーケティング支援やコミュニティ構築・活用支援などのサービスを提供しています。また、自社では複数のInstagramメディアも運営しており(フォロワー数10万人以上が4つ、その他数万規模のアカウントがいくつか)、私は「シンプルホーム」というフォロワー数約36万人の住まい・暮らし系のメディアを見ています。相変わらずカレーは作ってません。

今回、企業のSNSマーケティング担当者さんがInstagramを自社の際のマーケティングコミュニケーションに活用する際に、頭の片隅に少しでも置いておくと役に立つ(かもしれない)ような内容を、個人的な解釈にはなりますが基礎的な部分から応用的な部分まで少しまとめてみました。

少々長文となってしまいましたが、みなさんにとって少しでも参考になりましたら幸いです。また、少しでも参考になったと思っていただければ、友人・知人・ご家族など、直接やSNSなどを通じてシェアいただけるととても嬉しいです。

Instagramとは

現在の月間利用者数は全世界で約10億人、日本国内の月間利用者数も3,300万人以上と、画像・動画SNSとしては世界・国内ともにNo,1のSNSです。また、月間アクティブ率84.7%と非常に高い数値を誇っており、非常に多くの方々が日々Instagramを使っていると言えるでしょう。

男女比率は「女性:男性=57:43」と女性がやや多くはなっていますが、ほぼ半々に近い数字となっています。また「年代別の利用率」で考えると10代~20代の若年層が他の年代と比べても高い割合を誇りますが、「年代別の利用者数」で考えると実は30代以上を合算した数のほうが多かったり、ジャンル・カテゴリーにごとにそれぞれユーザーの年代も変わってきます。

多くの調査リリースやメディアの報道で「Instagram=若い子たちだけが使っているSNS」という認識がみなさんの中であるかもしれませんが、実は「Instagram=30代以上にもよく利用されるSNSである」という風に認識されたほうが良いかもしれません。(事実、我々が運営しているシンプルホームというメディアでは、一番多い年齢層は30代となっています。)

「実はさらに圧倒的な成長を遂げているInstagram?」

ここで注目したいのはまず3,300万人という国内月間利用者数です。実はこの数字は2019年6月に発表されたものなのですが、ここからどれだけ増加したというのはまだ公表されていません。ですが、(そしてこれはあくまで推論ではあるのですが、)Instagramマーケティング界隈の一部では「これまでの成長速速度を考えると、実はもうInstagramの月間利用者数は4,500万人(Twitterが公表している日本国内の月間利用者数)を超えているのでは?」と噂されています。

昨今のコロナ禍の影響でSNSの利用時間は大幅に増加したとも調査結果が出ていたりもするので、いろんな要因も相まり、Instagramの月間利用者数がいまどれくらいになっているのかというは個人的にも気になる点です。毎年秋頃になると「Instagram Day」という公式情報を発信する主に企業向けのイベントもあったりしますので、今後のInstagramの数値に関するアップデートを楽しみに待ちたいと思います。

「積極的なアップデート」

また Instagram は非常にアップデートが多いため、 少しInstagramを見ていない間にたくさんの機能が実装されているのが現実です。もしかすると Instagramは写真を撮って画像を正方形に加工して投稿するツールと持ってらっしゃる方もいらっしゃるかもしれませんが、 すでにさまざまなコンテンツを投稿・閲覧することができます。横長の画像、縦長の画像、全画面使用した画像や動画、音楽やエフェクトを加工できる15秒の短尺動画や、最大1時間までの長尺動画など、Instagram上にコンテンツを投稿するにあたってもさまざまなの機能が実装されています。

さらに、投稿コンテンツから直接ECに誘導できるショッピング機能。これも最近Instagram ショップという形でさらに進化する予定です(海外の一部ではすでにアップデート済み、日本ではまだ未実装)。さらに決済サービスとしてのInstagram Payという決済機能も導入が進んで行くかもしれません。

そのうえで、 Instagramをどういう風に(そして上手く)使えばいいんだと聞かれると、将来実現したい理想像や目的に応じつつ、それぞれの機能に合わせた適切なコンテンツの提供、適切な施策の実施、適切なコミュニケーションを取ることが求められてきます。残念ながらInstagramにおいて一発逆転満塁ホームランはほぼ存在しないといっても過言ではありません。ですが1つずつでだいじょうぶなので、これらを少しずつ分解し理解していくようにしましょう。

参照:
https://about.fb.com/ja/news/2019/06/japan_maaupdate-2/
https://gaiax-socialmedialab.jp/post-30833/
https://twitter.com/hashtag/IGDAYTOKYO2019?src=hashtag_click

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Instagramのアルゴリズムについて

SNSに限らず、情報流通に置いて特定のプラットフォームを活用する際の観点の一つとして、アルゴリズムをどうを読み取っていくのかという考えがあります。そこで、この章ではInstagramのアルゴリズムについてお話していきたいと思います。

「アカウントレベルでのトピック識別」

まずInstagramのアルゴリズムに関する重要な前提条件として、Instagramは個々のコンテンツレベルでトピックを識別しているのではなく、アカウントレベルでトピックのを識別しているという点です。

Instagramではig2veckと呼ばれるエンベッディングフレームワークが使用されており、そのアカウントと普段からコメントやいいね、DMなど、交流や対話をしているアカウントや、さらにその交流を持ったアカウントから親和性の高いアカウントを類推し選別しています。

つまり、発見タブで出てくるコンテンツの数々は、おそらくあなたがふだん見ているものに近しいものが出ているかと思いますが、それはあなたがふだんからやりとりをしているアカウントを通じて厳選された上でオススメされている、ということです。

それではそのフローについてご説明していきましょう。

「蒸留モデル」

大まかな流れとしては、10億人の全世界のアカウントからあなたに近しい人を500アカウントまで絞り、そこからさらに高品質なアカウント25個まで絞って厳選していくという流れになります。この候補を生成し絞っていく工程は大きくわかれており、それぞれ「Sourcing Stage(ソーシングステージ)」「Ranking Stage(ランキングステージ)」と呼ばれています。Instagramはこれを蒸留モデルと言っています。

「Sourcing Stage(ソーシングステージ)」

最初にシードアカウントなるものを特定します。例えばこれは、あなたが誰かの投稿にいいねをしたとしますそうすると、その誰かの投稿はあなたにとって興味が高い投稿なんだな興味関心が高い人なんだなと判定されます。さらにそこから近しいアカウントが類似アカウントとして識別されていき、あなたにとって親和性の高いアカウントはこういう人たちかもしれないよという風に500のアカウントが候補として抽出されていきます。

「Ranking Stage(ランキングステージ)」

ファーストパス…この選定された500のアカウントさらに150に厳選

セカンドパス…絞られた150のアカウントはさらに50に厳選。このフェーズではライトウェイトニューラルネットワークが使用されています。

ファイナルパス…50のアカウントを25に厳選。このフェーズではスパース化されたディープニューラルネットワークが使用されています。

こういった流れをへて、あなたがふだんやり取りをしていたり、興味関心を示しているものに近しいコンテンツが発見タブで表示されています。ふだん見ているあの発見タブの精度の高さにも納得される方も多いのではないでしょうか。

「シグナルを貯める」
また、このアルゴリズムの説明において「あなたと対話や交流をもった親和性の高いアカウント」というのが非常に重要なキーとなっていることがわかります。なぜなら、あなたが誰かにとってのこの対象となるアカウントになれば、より多くの人の発見タブのファーストビューに出る確率が高まり、より多くの方にリーチできる可能性が高まるためです。このアルゴリズムにおける親和性を高める指標として、Instagramは「シグナルを貯める」という風に表現されています。

※2019年 Instagram Day Tokyoより(著者撮影)

この「シグナル」がなにかと言うと、例えばいいね、コメント、保存、ライブ配信のいいね、複数枚画像のスワイプ、キャプションのスワイプなど、対コンテンツであったりユーザー間で発生する、関心度合いの高さを表すさまざまな反応のことをシグナルといいます。

そして、特定のアカウントとやりとりが多いということは、つながりの度合いが高いともいえます。Instagramのアルゴリズムで特に重要視されているのは、この「コンテンツへの関心度の高さ」「特定アカウントとのつながり度合いの高さ」の2つです。Instagramとしては、この2つを満たし、より多く、より長く楽しんでもらえるようなコンテンツを戦略的にレコメンドしているという形になっています。

「保存数が多いコンテンツは伸びやすい、は正か」
昨今Instagramマーケティング界隈で「保存数が多い投稿は伸びやすい」という声をよく耳にします。これはアルゴリズム上「保存数」という項目に重み付けがなされているためです。それに関しても少し分析してみましたので図で見てみましょう。

これはフォロワー数30万規模のとあるアカウントのインサイトの実数値です。上が並だった数値、下が伸びた投稿の数値で、それぞれ1分後、30分後、1時間後の数値を記録しています。

ここで注目したいのはまず「いいね数」「保存数」「リーチ数」です。上と下を見比べると、下のほうがいいね数と保存数の比率がかなり1:1に近く、上よりも下のほうが全般的に数値が高くなっています。そしてリーチ数も下のほうが圧倒的に多い形となっています。保存数が多いコンテンツは伸びやすいというのは、この数値を見るだけでも割とわかりやすいのではないでしょうか。またこれに加え、実際に相関があるのかどうかも、下の図のようにそれぞれ「保存数」×「リーチ数」「Imp数」でそれぞれ相関があるかどうかを見てみました。

横軸がそれぞれ保存数で、縦軸が上はリーチ数・下はImp数となっています。また、少し小さくて恐縮ですが、相関を示すアールスクエアは「保存数×リーチ数」が0.78、「保存数×Imp数」が0.82と、比較的相関があると言える数値を見せているかと思います。余談ですが、物理学の分野だと、アールスクエアは99%ないと再現性がないと言われますが、社会学の分野だと80%ほどあれば相関があると言えるといわれているため、この保存数との相関についても比較的相関はあると言えるのではないでしょうか。

「永続的ではないコンテンツレコメンド」

We downrank posts from the same author or same seed account by adding a penalty factor, so you don’t see multiple posts from the same person or the same seed account in Explore. This penalty increases as you go down the ranked batch and encounter more posts from the same author.”
Explore recommender system

ただ、Instagramのアルゴリズムを解説しているFacebookの公式ページには上記のような記述があります。要約すると「コンテンツの多様性を高めるため、同じ人やシードアカウントの投稿にはペナルティを与えてランクを下げ、何回も投稿されないようにする。」といった具合です。これを見て、一時的にアルゴリズムの恩恵を受けて短期間で劇的に伸びたとしても、それが永続的に続くわけではなく、その成長速度はピークをすぎると次第にゆるやかになっていくことが予想されます。

事実ここ1,2年で、オーガニック投稿のみによって短期間(1年以内)で10万20万単位で成長したアカウントの存在は確認されており、そのアカウント数自体も3~4年前と比べて増加しているように見受けられますが、次第にその成長速度は徐々にゆるやかになっていっていることも観測されています(広告費を投じている場合はまた別)。

「大切なのは、アカウントを通じたユーザーとの関係性」
Instagramにおいて、アルゴリズムの特性を活かしうまくグロースハックさせるというのは、1つの手段であってそれ自体が目的ではありません。ある意味で、アルゴリズムを上手く活用するというのはコンテンツを誰かに届けようとする際の「効率性を高めるもの」という解釈もできます。

むしろ企業アカウントであれば、そもそもアルゴリズムをうまく活用して伸ばすことが難しいものも多かったりするのも事実です。上記では保存数が高いコンテンツはアルゴリズム上優位であるとお伝えはしましたが、モノによってはここを主眼においてしまうとそもそも成り立たなくなってしまうケースもあります。さもありなん、キャンペーン施策やInstagram広告をうまく実施していくほうが適しているケースも往々にして存在します。

そのため、保存数が優遇されているであったり、いまは○○がアルゴリズム上優遇されやすいなどの枝葉の論点には左右されず、自社アカウントを通じてどのような(に)情報を流通させたいのか、ユーザーが求めていることはなんなのか、ユーザーとどういう関係性がお互いにとって好ましいのか、という部分を考えることこそが非常に重要であると考えています。

参照:
https://ai.facebook.com/blog/powered-by-ai-instagrams-explore-recommender-system/

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Instagramマーケティングにおいて把握しておくと役に立つこと

「Instagram運用することになったけど、いろんな施策があるし、なにをどうすればいいのかイマイチわからないんだよなぁ」
「自社でSNSを活用したいんだけど、なかなか説得がむずかしいんだよなぁ」

これまでSNSマーケティングに関して大勢の方とお話させていただきましたが、こういった声は少なくないのが現実です。ここでは、その解の一助となることをお伝えできればと思います。

まず最初に、Instagramに期待できる役割をお伝えいたします。

■Instagramに期待できる役割
・自社アカウントに対して興味関心や親和性のあるフォロワーを増やすことは、潜在的顧客の創造に期待できる

・自社アカウントに対して興味関心や親和性のあるフォロワーを増やすことは、顕在的顧客のLTV向上に期待できる

・ブランドに関するポジティブな口コミを積層的に増やすことは、事業への貢献に関して意味がある

正直なところ、多くの企業やブランドによっては、単一チャネルによるマーケティング施策の評価の可視化がむずかしいところだと思います。他チャネルで圧倒的な露出を獲得していたり、店頭や流通が絡んできたり、1個あたりの価格や利益もあったり、マーケティング活動そのものが立体的であればあるほど、単にSNS施策1つだけを切り出して評価するのもむずかしいかと思います。ですが、これまでさまざまな業種の運用支援や自社プロダクトの結果から、上記の3つのことは正なのではないかと考えています。

「人を動かす力が強いInstagram」

アジャイルメディア・ネットワーク : 口コミ接触者の購買転化率調査を実施

これは2019年にアジャイルメディア・ネットワークさんが実施された調査結果で、各SNSでの投稿がフォロワーなどにどのくらい購買・来店に影響しているかをレーダーチャートでグラフ化しまとめられたものです。

端的にいうと、これらの中で総合的にもっとも購買転換率が高かったのがInstagramで、ビジュアルとして伝わりやすいものは総じて数値が高い結果となりました。

そしてこれは弊社としても実感値があります。弊社ではさまざまな業種のInstagramマーケティング支援をしていると同時に、自社でアパレルなどのD2Cブランドも複数展開しています。実際に、家電・日用品・旅行・飲食などで、Instagramの投稿を見て購買・来店などにいたったという支援結果が多数出ていることに加え、自社D2Cブランドもほぼアカウントのフォロワーのみから安定した購買活動が生まれています。

中にはアカウントのフォロワー100名にアンケートを実施した結果、定価数万円の商品でも「アカウントを見て実際に製品を購入した」という人が約4割もいたアカウントもあるくらいです。

自社メディアアカウントでも「編集部で紹介した商品を使いたいと思った」「編集部で紹介した場所に行きたいと思った」という回答が実に9割を超えているものもあります。

そのため、可視化のしにくさや正確な数値の把握が難しい側面はあるけれど、実際にInstagramは人を動かす強い力を持ったSNSなのではないかと考えています。

「適切な広告配信はいたって善」

「SNS自体は無料で使えるんだから広告なんて使わなくてもいいじゃん」
もしかしたらそういった声もあるかもしれません。ですが、やはりさまざまなアカウント運用支援をさせていただいている立場からすると、適切に広告配信することはいたって善であり、むしろ効率性が高いとも言えます。

たとえば日本国内のTwitterの平均フォロワー数は約400人ほどで、1投稿あたりの平均閲覧率は30~40%ほどです。すると、1,000RTされたら12~16万Imp、10,000RTされたら120~160万Impとおおよそ概算することができます。そして100~200万Impくらいを広告で配信しようとすれば、だいたい10~20万くらいで獲得できてしまいます。

これはInstagramでも近しいものがあり、Instagram広告配信で100~200万Impほど獲得したいと思えば、やはり10~20万ほどで獲得できてしまいます。

もちろん、オーガニック投稿と広告とではユーザーがその情報をどう受け取るかはかなり違いがあると思います。ただ、単に情報を伝達させたい場合、広告配信も適切に使用していくほうがむしろ効率的であると言えるでしょう。

「SNSマーケティングとは、単に広告配信するでも、フォロワーを貯めるでも、口コミを作るだけのものではない」

※商品に関するTwitter上のコミュニケーションと販売実績の関連性分析

また、SNSマーケティングで非常に重要な考え方の1つとして「ブランドに関するポジティブな口コミを創出する」という考え方があります。これはSNS上でブランドに関する口コミが増えることによって、売上増加に対して正の相関があるという研究結果が出ているためです。この論文は横浜国立大学教授の鶴見教授のご参照ください。また、北海道大学大学院(当時)の蘇氏の論文でも、旅行に関してネット・口コミの情報が人々の意思決定に大きく関わっていると記載されています。

そのため、SNSマーケティングではいかに口コミを作っていくかというポイントが重要視されています。そしてこれは僕自身も非常に重要な観点であると考えています。口コミを増やすことによって全体の情報流通量を増やし、パーチェスファネル全体の拡大・強化につながると考えています。

しかし、これは非常に重要なポイントではありつつ、すべての企業や業種が特定のSNS上で口コミを容易に創出し続けられるものでもありません。一般消費者の方々が、トイレットペーパーを買うときにSNSで時間をかけて情報収集したりしないように、またなにかしらの素材をBtoB企業に提供している中間業者を積極的にSNSで検索しないように、SNSで口コミを創出するのにそもそも不向きな企業や業種も存在します。食品・飲料・コスメ・外食・旅行・アパレルなど比較的口コミが創出しやすい業種もあれば、鉄鋼・人材・設備工事・パルプ/紙・石油など比較的口コミが創出しにくい業種もあります。

積層的な口コミの創出によって事業に大きく貢献するものもあると思います。ですが、それだけがInstagramを活用する唯一であり至上の手段や目的ではない、ということをご理解いただければ嬉しいです。

「フェーズやリソース、業種を加味した、適切な施策の選定を」

Instagramを活用することで、実際に事業に貢献することは可能だと思っています。しかし、単体ではその価値や効果を可視化しづらかったり、メディアミックスしつつ閾値を超える量の情報量を発信しないとその進化を発揮しないときもあります。

また、SNSマーケティングへの取り組み方はさまざまです。運用はせず広告配信だけする、運用重視でアカウントを充実させる、運用はほどほどにしつつ定期的にキャンペーンを実施する、口コミ創出をとにかく大事にする、など。たとえ口コミが作りづらいとしても、そこに潜在的なターゲットが存在するのであれば、そこに広告を打つだけでも十分取り組む価値はあります。

そのため、変に「SNSはこうしないといけない(だからやめておこう)」「Instagramはこうしないといけない(だからやめておこう)」と固定観念に囚われず、まずは自社としてどのようなことをしたいのか、どのような状況下にあるのかなど足元の部分をきちんと見定めて、その上で適切な施策を講じていくようにしましょう。

参照:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000037149.html
http://www.orsj.or.jp/archive2/or58-08/or58_8_436.pdf
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46050
https://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/59657/1/Wen_Su.pdf
https://www.thinkwithgoogle.com/marketing-resources/micro-moments/2011-winning-zmot-ebook/

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運用体制について

「うちのSNS運用担当者は一人だよ(もちろん他メイン業務がありつつ)」

という体制の企業さんがもしかすると多いかもしれません。ですが、いろんな企業アカウントの運用支援や複数の自社メディア運用事例も踏まえお答えすると、企業のInstagramアカウント運用は一人でやらないほうがよいのではないかと僕個人としては考えています。

一人でやるデメリットとしては、休むと一時的に止まる、いなくなると運用そのものが止まる、属人性が強くなりすぎてしまい再現性を失ってしまう、担当変更のたびにテイストが変わってしまいユーザーの方がついてこれなくなる、などがあげられます。

もちろん一人でもできなくはないのですが、多岐にわたるコンテンツや施策を実施していったり、属人的すぎず再現性のあるアカウントに仕上げていくには、やはりチームプレーで望んだほうが中長期的にその企業にとって資産にもなりやすいと感じています。そのため、最低でも「プロデュース・ディレクション担当」「コンテンツ制作担当」の2つの役割に分け、それぞれ担当をつけたほうが良いでしょう。

【最低限アサインしたい担当】
プロデュース担当
…アカウントの方向性、トンマナの制定、企画、データからの示唆だし、なにをすべき/しないべきかの判断など

ディレクション担当
…他3担当とのハブ、外部パートナーとの調整、企画など

コンテンツ制作担当…具体的なコンテンツ制作、画像収集、デザイン調整、広告クリエイティブ制作、企画など

オペレーション担当…投稿作業、数値集計、リサーチ業務など

※余裕がある場合は、プロデュース、ディレクション、コンテンツ制作、オペレーションとそれぞれ分けて担当できるとより良い体制構築が見込めますが、どうしても難しい場合は「プロデュース・ディレクションは兼任」「コンテンツ制作は必ず確保」「オペレーションは分担」などで対応するのも一案です。もちろん外部リソースを適切に使うことも一案です。

実際のところ、自社リソースだけでなく外部パートナーさんと協力するなど、どのように体制構築するかで大きく変わってきます。

【運用体制の分類例】
①オールインハウス型
…プロデュース・ディレクションとコンテンツ制作すべてを自社内で対応するか

②コンテンツアウトソース型…プロデュース・ディレクションは自社で対応しつつ、コンテンツ制作は外部パートナーさん(法人・個人)と協力するか

③パートナー主体型…実現したいことや守りたいことは伝えつつ、ほぼすべてを外部パートナーさん(法人・個人)にお願いする形で進めるか

Instagramはその機能の豊富さも相まって、他のSNSと比べても投稿できるコンテンツのバリエーションが多いのが特徴です。

フィードにするのかストーリーズにするのか、IGTVにするのかリールにするのか。画像にするのか動画にするのか。画像は正方形なのか縦長なのか横長なのか加工はどうするのかデザインはどうするのか。動画は15秒以内なのか60秒以内なのか60分以内なのか、など。そしてこれをさらに難しくさせるのは、それぞれのフォーマットに合わせた投稿から期待され・得られる効果が少しずつ異なってくるという点です。

これらを踏まえつつ、さまざまなアカウント運用支援や自社アカウント運用の経験からお伝えすると、やはりInstagramのアカウント運用すべてを一人で対応するのは難しいのではないかと考えています。

逆に、うまく役割分担しつつ好きと得意がかけあわさっていくと、上手く回っていきやすいという側面もあります。そのため「SNS運用なんか一人で十分でしょ(そして簡単にめちゃくちゃ伸ばしてよ)」という風には考えず、中長期的な企業の資産としていくためにも、ぜひそれぞれの役割ごとで担当をわけた運用体制を構築されることをオススメいたします。

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アカウント運用について

Instagramでは機能ごとに役割が変わるため、施策も機能ごとに考えようとお話しました。また、アルゴリズムの観点から、シグナルを貯めるという視点や適した施策を講じることが重要であることをおつたえさせていただきました。それでは、それぞれの機能別でどのような役割をイメージしてコンテンツを投稿していけばいいかも考えていきましょう。

まず前提として、下記の3つのポイントを頭に入れておくようにしましょう。

■3つの前提
情報伝達…自社アカウントから投稿する、広告配信する、フォロワー数を増やして効率性を高める

情報流通…キッカケ・仕組みを作る、口コミを増やす、フォロワー数を増やして効率性を高める

熱量強化…フォロワーとより双方向性のあるコミュニケーションを取る、フォロワーからの熱量を高め効率性を高める

おおまかに言ってしまうと、「情報伝達は自社アカウントからの発信」「情報流通は他者アカウントからの発信」「熱量強化はフォロワーとのエンゲージメント強化」となります。また、情報伝達および情報流通ともに自社アカウントのフォロワー数を増やしていくことで、その効率性が高まります。また、熱量強化によって、フォロワーからの熱量を高めることで、情報伝達および情報流通の両方の効率を高めることができます。

広告配信したり、アカウント運用でさまざまなコンテンツを投稿したり、口コミを増やしたり、いろんな施策を実施しようとすると思います。そしてコンテンツそのものも多数制作していくと思います。ですが時には「これはなんのためにやっているんだっけ」「これってどこに貢献しているんだっけ」と道に迷ってしまうときもあるかもしれません。

そんなときや、そうならないよう、まず前提としてこの3つの前提があり、すべての施策はこの3つのどれかに当てはまり、それぞれ区別して考えるようにするとアカウント全体の方向性の調整やPDCAも回しやすくなるかと思います。

そのうえで、コンテンツの種類や役割について見ていきましょう。

■参考:フォーマット別
画像…フィード、ストーリーズ
動画…フィード、ストーリーズ、ライブ配信、リール、IGTV
まとめ記事…ガイド
※実はすでに動画のほうが投稿フォーマットが多いInstagram
■フィード
種別…画像(正方形、縦長、横長)、動画(1分以内)
役割…現状すべてのベース、世界観構築、ブランドイメージ、新規フォロワー増加

若年層においてより活発に使用されているのはストーリーズだと思います。ただし、現状すべてのベースとなっており、そのアカウントの世界観であったりイメージを形作り、かつフォロワー増加のために一番大事なのはやはりフィード投稿です。まずはここをきっちり作っていくことをオススメします。

たしかにストーリーズ投稿は若年層を中心に非常に活発に使用されており、アクティブ率も非常に高いものだと言えます。ですが、企業アカウントとしてフォロワー数を増やしていきたいならフィード投稿をがんばっていきましょう。ストーリーズ投稿のみだとなかなかフォロワーが増えないのも事実です。

■ストーリーズ
種別…画像(スマホ画面におさまる任意のサイズ)、動画(15秒以内)
役割…シグナル強化、インタラクティブ性がありコミュニケーションのキッカケになりやすい

非常に活発に使用されており、むしろストーリーズメインで使用しているユーザーも多数存在しています。ただし、フォロワー増加にはあまり向いておらず、どちらかというとフォロワーになってくれた人とより距離感の近いコミュニケーションを実現し、熱量を高めやすい機能だと言えます。

また、スタンプ機能にリアクションしてもらうことで効率よくシグナルを貯めることもできるでの、フィード投稿よりもインタラクティブ姓の高い面だと言えるでしょう。

■ライブ配信
種別…動画(ライブ、配信後IGTVに投稿可能、ただし配信時によせられていたコメントは消滅)
役割…インタラクティブ性が非常に強い、シグナル強化

現状Instagramでもっともインタラクティブ性が高く、かつフォロワーの熱量を高める機能であると言えるのがこのライブ配信です。コメントを拾ったり、もしくはその場でコラボ配信をするなどして、フォロワーとのリアルタイムなコミュニケーションを取ることができます。

そしてライブ配信のあのハートや顔文字も実は1つのシグナルとして計上されるので、積極的にリアクションを取っている人ほどあなたのさまざまなコンテンツが表示されやすくなっています。

また僕個人としては、Instagramのライブ配信は実はかなりすごいことを成し遂げている機能だと思っています。それはなにかというと「ライブ配信の民主化」です。これまでライブ配信ツールはあれど、どちらかというとアイドル、インフルエンサー、あるいは積極的に情報発信したい人が使用していたかと思うのですが、Instagramのライブ配信は本当に「一般ユーザー」も気軽にライブ配信をしています。

この「ライブ配信するハードルを可能な限り下げ、一般ユーザーにもライブ配信という機能として受け入れられた」ことは、相当にすごいことなんじゃないかと思っています。

■リール
種別…短尺動画(15秒以内、プロフィール上に専用のストック面あり、タイムラインやストーリーズへのシェアも可能)
役割…速度調整・音楽選定・エフェクト・テキストなどによるInstagramの中でかなり新しい機能、爆発的なリーチを創出

つい最近新しい機能として実装され、いま大注目されているのがこのリールです。個人的にではありますが、このリールはかつてInstagramに大革命を起こしたストーリーズと近いレベルの衝撃を生み出すのではないかと思っています。

これまでのInstagramと違う要素はいくつかあるのですが、あえて1つに絞るとするとそれは「音楽が乗ったリズム性のある短尺動画」という点です。

このリールのもととなったのはあのTiktokでは、ミームという種類のコンテンツが非常に人気です。ミームとは、とある元ネタをもとに、ユーザーがマネしたりアレンジを加えたりしてどんどん広がっていくコンテンツのことです。

■IGTV
種別…動画(1~60分、キャプション内のURLはリンクとして機能)
役割…1分~60分の長尺動画、動画を活用したより深い特徴理解の促進

長尺動画を投稿したい場合はIGTVです。1分以内ではおさまりきらないような、商品であったりなにかしらのことについてしっかり説明したり、PVやドラマ的なものはIGTVが向いていると言えるでしょう。

ですが、長尺動画を見ることに関しては、まだYouTubeに軍配が上がっているように感じます。ですが、今後このIGTVに広告収益機能が導入されるともアナウンスがなされており、今後のアップデートは要注目です。

■ガイド
種別…まとめ記事的なもの(プロフィール上に専用のストック面あり)
役割…フィード投稿をまとめるまとめ記事的機能、日本でも一部実装が開始

かんたんにいえばまとめサイト的な機能です。フィードで投稿したものを1つのまとめ記事的な感じでまとめることができます。これはつい先日日本でも一部実装されています。

これまでInstagramは他のSNSと比較するとストック的要素の強いSNSであると言われていましたが、実際のところタイムラインで流れていくことに加え(Twitterよりかは遅いとして)、フォロワーが毎回プロフィールページに飛ぶわけでもないので、一概にストック的なSNSであるとは言いづらい部分もありました。

ですが、このガイドが実装されることによってけっこう変わってくるのではないかと思っています。なぜかというと、いままでフィードで投稿したものはある意味で投稿しっぱなし、あえてそれをストーリーズでシェアしてハイライトに格納する、とい手段を取れば多少まとめることはできていました。

しかし、このガイドを使えば、これまでフィード投稿したものを特定のテーマごとにまとめておくことができるため、ユーザーとしても非常にコンテンツが探しやすくなります。するといままでバラけていたコンテンツも改めてまとめることができるため、非常にストック性が高くなるのではないかと思っています。

「リソースや目的によって使用機能の取捨選択を」
上記にはたくさんの機能をあげましたが、その機能すべてをぜったいに使わないといけない、ということではありません。たとえばフォロワーを増やしたいならフィードやリールを使ったほうが効果的でしょうし、エンゲージメントを高めたいならストーリーズやライブ配信を使ったほうが効果的でしょう。

また、人的リソースも資金リソースも有限です(うちは無限という企業さまはどうかご放念くださいませ)。そのため、自社のリソースであったり、アカウント運用において実現したい目的に応じて、使用する機能は取捨選択して使ってみてください。もちろん低頻度・単発でトライしてみるのはぜんぜんありだと思います。(ただしその1回だけですべてを判断しないこと)

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アカウント運用・コンテンツ制作におけるPDCA

アカウントを運用するにあたって、コンテンツ制作やアカウントそのもののPDCAをどう回していくべきかというのは、企業のアカウント運用担当者さんからすると非常に重要なポイントかと思います。そこで、この章ではそのPDCAを回すための基本的な考え方についてお伝えいたします。

上の図はInstagramで「伸びやすいアカウントの4つの種別」と「PDCAのステップとフロー」をまとめたものです。そしてこれをさらに3つのレイヤーごとに分けたのが下の図です。

そのため、アカウントレベルで全体を考えるときは「いま自分はどのレイヤーに関して思考しているのか」ということを整理して考えるようにしましょう。この考えのもと、それぞれのレイヤーごとに説明していきます。

「前提レイヤー」
実はInstagramでは、そもそもの前提条件として比較的伸びやすいアカウントの種別というものが存在します。それが上記の図の上部にある「有名」「美貌」「エンタメ」「知見」です。

【伸びやすい4つのアカウント種別】
有名…芸能人・タレントなど、さまざまなメディアで大量に露出がある方々
美貌…イケメン、美女
エンタメ…人々のなんらかの心の琴線の刺激する物・事・情報・人
知見…役に立つ・勉強になる・行動につながる情報

ドラクエで例えると以下といったところでしょうか。

有名=勇者
美貌=踊り子
エンタメ=魔法使い
知見=僧侶

「有名」「美貌」は選ばれしものです。ここは目指すべきものというよりかは、そもそもそういう前提条件を持っている人々がここに分類されます。そのため、基本的には大枠として「エンタメ」「知見」の枠の中でどうするかという方針になってきます。

ここで私としてぜひオススメなのは「エンタメ」×「知見」のアカウント・コンテンツを意識することです。閲覧者のなんらかの心の琴線を刺激するのを当たり前としたうえで、知的好奇心を満たしたり態度変容を促すようなコンテンツを流通させることが、アカウントとしてもコンテンツとしてもより支持されやすくなると考えています。ドラクエだと「魔法使い×僧侶=賢者」なので、ぜひみなさんも賢者を目指してみることをオススメします。

「ポジションレイヤー」

4つの種別のどれかを選んだら、次はテーマ・コンセプトを定めていきます。ここで大事なのは、このテーマ・コンセプト設計が非常に重要であり、ここがズレている(ユーザーのニーズを外している)とどれだけ良いコンテンツを作ったとしてもなかなか報われない状況に陥ってしまいます。

どんなテーマのもと、どんなコンセプトで情報を流通させユーザーとの関係を築いていくのか、ここの解像度を最初の段階でしっかりあげていきましょう。

■一例
テーマ…料理
コンセプト…10分でできるカンタン時短料理

テーマ…住宅
コンセプト…シンプルで洗練された住まい

テーマ…旅行
コンセプト…土日の一人旅行に最適なプラン

テーマ…コンビニ
コンセプト…いますぐ買いに行きたくなるコンビニ○○

※実際はさまざまな仮説検証や思考を重ねて設定することをオススメします

「コンテンツレイヤー」

そして、具体的にコンテンツを作っていくフェーズはこの3つのステップです(4つめは投稿という作業)。いくつも存在する候補の中からなにかしらのネタを扱うことになったとすると、それをどういう切り口だったらユーザーが心を震わせるものになるのか、どういう見せ方だとその効果が最大化されるのか。それぞれのステップに分けて、どのポイントをチューニングしていけばいいのかということを明確にし、順序に沿って深めていくことでより精度の高いコンテンツを制作していきましょう。

最低でもこの「投稿ネタ」「切り口」「見せ方」の3つを意識するだけで、コンテンツのバリエーションを飛躍的に増やすことができます。言い方を変えると「変数となるポイントを決め、それを掛け算する」ということです。

「コンテンツは掛け算で増やす」

すこしざっくりとした例ですが、たとえば投稿ネタをニンジンとします。そして、切り口を調理法としましょう。煮る、焼く、揚げる、茹でる、炒める、和える、蒸す、これだけで7つの変数スロットが出てきました。そして見せ方を盛り付けとしましょう。他の食材や器なども加味すると無限になってきてしまいそうなので、ひとまず調理法と合わせて7つとしましょう。すると「ニンジン(1)」×「調理法(7)」「盛り付け(7)」=49と、ニンジン1つだけでも49個のコンテンツができることになります。

もちろん他の食材と組み合わせたりするともっと複数のコンテンツが作れることになります。そして、じゃあニンジンの次はブロッコリー、鶏肉と、いろんな食材を投稿ネタとしてコンテンツを増やすこともできます。100の食材、7つの調理法、15の盛り付け、これだけでも10,500と、約1万個以上のコンテンツ制作が可能です。

つまり、自分が運営するアカウントがあり、テーマやコンセプトを決めたとします。次はコンテンツを作るフェーズになりますが、思いついたものから闇雲に作っていくのではなく、そのテーマ・コンセプトの領域にはどういう投稿ネタが存在し、どういう切り口を作っていけそうか、さらにどういう見せ方がパッと思いつくかなど、あらかじめ複数の変数スロットを用意し、それぞれ変数がいくつあるのかをイメージしておくだけでも、作るコンテンツの数自体やバリエーションを飛躍的に増やすことができます。すると、下のような思考回路のもとでコンテンツを作っていくことができます。

「あ、この見せ方はいろんな切り口でも共通して数字が伸びないな」
「この投稿ネタはだいたいどんな切り口や見せ方にしても伸びるな」
「AやBという見せ方だと微妙だったけど、Cという見せ方をすればこの切り口は伸びるな。じゃあ他にもAやBの切り口で伸びなかったやつもCという切り口を試してみよう」

自分がいいと思ったコンテンツがあまり伸びなかったりすると、ヤル気が削がれることに加え、なにを作ればいいのかわからなくなってしまうときもあるかと思います。そんなときや、そうならないようにも、コンテンツを作る際にはあらかじめ変数となるポイントを決め、それを掛け算するということを意識するのがオススメです。

「PDCAは遡るように」

また、ここで大事なポイントですが、「コンテンツを作っていく過程は上から下」の順番でおりていく流れになりますが、「コンテンツを改善していく過程は下から上」へと遡っていく流れをオススメいたします。

これはなぜかというと、たとえば「渋谷のカフェ」という投稿ネタを扱ったとします。そして「オーナー」という切り口に、「お店を作った背景」という見せ方を選んだとしましょう。そして、そのコンテンツが思ったよりかは伸びなかったとします。

その際「このコンテンツは伸びなかった、じゃあ渋谷のカフェは伸びないから、今後渋谷のカフェは扱わないようにしよう」といきなり投稿ネタで判断を下してしまうと、ホントはもっと違う見せ方だったり違う切り口だったら伸びたかもしれないのに、今後一切「渋谷のカフェ」という投稿ネタを扱わないことになってしまいます。そうすると投稿していくコンテンツがどんどん枯渇していってしまう危険性をはらんでしまいます(パンケーキやWi-Fiという切り口だったらもっと伸びたかもしれません)。そのため、コンテンツを改善していく際は、可能な限り「見せ方→切り口→投稿ネタ」という風に「下から上へと遡るようにPDCAを回していく」という考えがオススメです。

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ハッシュタグ検索のいま

さてこのパートではハッシュタグについてお話したいと思います。実はハッシュタグに関しては、私自身2018年に取材を受けてお話したときからかなり変わっています。

かつてのInstagramでは、特定のハッシュタグにおいて、人気投稿上位に掲載されている投稿のエンゲージメント数(ここではいいね数、コメント数、保存数、シェア数などの合算をエンゲージメント数とします)を把握し、それと同等か超えるエンゲージメント数を獲得できれば、比較的かんたんに特定のハッシュタグの人気投稿上位に掲載されることが可能でした。

そのため、たとえば投稿件数5万件で、人気投稿の上位の平均エンゲージメント数が100くらいだとすると、自身のコンテンツでだいたい100くらいエンゲージメント数が取れていれば人気投稿に乗れるからこのハッシュタグはつけようと判断できていました。逆に、投稿件数100万件くらいだと1000くらだとするといまの自分には大きすぎるので、このハッシュタグはつけないでおこうと、意味のあるなしの判断がとれ、最適なハッシュタグを選別することができていました。

もちろん、そのハッシュタグの人気投稿上位に載っている画像のテイストの傾向も非常に重要です。たとえば #シンプル というハッシュタグだと、ファッション系の投稿が多く人気投稿に掲載されているのですが、 #シンプルホーム というハッシュタグだとおうち関連の投稿が多く掲載されています。そのため、一見言葉としては近いためこれらのハッシュタグを一緒につけてしまいそうになるのですが、それぞれ人気投稿上位に掲載されているテイストが異なるため、ファッション関連のアカウントだと #シンプル はつけて #シンプルホーム はつけない、逆におうち関連のアカウントだと #シンプル はつけず #シンプルホーム はつける、という判断を取ることができます。

しかし、現在ではそう簡単な話ではなくなりました。人気投稿上位の画像のテイストというのは比較的そのまま維持されているのですが、エンゲージメント数に関してはかなり変わったと思います。つまり単純なエンゲージメント数で人気投稿に載るかどうかというよりかは、個々そのアカウントに対して親和性が高かったり興味関心が高いと類推される投稿が、それぞれカスタマイズで表示されやすくなっています(もちろん、投稿件数が少ないと学習データがたまっていなかったりして人気投稿が固定化されやすいということもあります)。つまり、投稿件数が多いハッシュタグでも、あなたにとって親和性が高いと判断されたコンテンツはエンゲージメント数がそこまで多くなくても表示されるようになり、逆に投稿件数が少なくても上位に表示されにくくなっている、ともいえます。

そのため、ハッシュタグ検索に関していえば「親和性の高い人に対してコンテンツを届ける可能性を高める」という意味ではこれまで通り機能していると考えられますが、逆に「ハッシュタグ検索機能を利用して、自身のコンテンツへの流入をとことん高める」という意味では昔ほどの効果は得られなくなった、と考えるのがよいでしょう。

もちろん、人はピンポイントで調べたいときはハッシュタグ検索をします。アカウントのフェーズによってはしっかりと流入数を獲得できるポイントであるともいえます。ハッシュタグ検索をしているということは、ニーズや知識そのものが顕在化している状態だと言えるため、そういった行動を取るのに近いタイミングの人に情報を届けやすいということは非常に価値のあることだと言えます。そのため、ハッシュタグ検索自体が意味をなさなくなったということはなく、あくまでも「昔のようにハッシュタグから大量の流入が取れ続ける」ということがかなり少なくなった、ということをお伝えできていれば幸いです。

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UGCを創出するためにおさえておきたいポイント

SNSマーケティングにおいて、いかに口コミを創出していくかというのは重要なポイントです。そのヒントとなる1つの前提と5つのポイントをご紹介します。

前提「撮影してもらい、投稿してもらえるか」

実は、一見この本当に当たり前のようなことなのですが、いや運用やキャンペーンを開始する際には頭から抜けてしまっている場合があります。(するとまったく投稿されないなんてことも…)

つまり、上記の前提をより具体的にするとこうなります。
①そもそも投稿する際の画としてユーザーが許容できるものなのか
②投稿する掲載面(フィード、ストーリーズなど)はユーザーが許容できるものなのか
まず、この2つがユーザーにとってありえるものなのかどうか、そこから考えていきましょう。

そして、その上で大事なのが下記の4つのポイントです。(3+α)

■UGCを創出するための3つのポイント
1:商品/サービスについて投稿してくれそうなユーザーがいるか
2:商品をもっているか、サービスを利用したことがあるか
3:そもそも投稿できるか/積極的に投稿したいか
+α:継続的に投稿することが当たり前となるか

1:商品/サービスについて投稿してくれそうなユーザーがいるか

もし投稿してことに関して、Instagram上にそういった投稿をしてくれそうな人がいなければおそらく機能しないでしょう。また、Instagram上にはいるが自社アカウントやタイアップ先のアカウントのフォロワーがいない(少ない)とまた難しいでしょう。投稿してくれる人はいるか(そしてそれは自社カウントのフォロワーなど近い距離にいるか)というのは大事なポイントだと言えます。

2:商品をもっているか、サービスを利用したことがあるか

写真や動画を投稿するにしても、その商品をもっていなかったりそのサービスを一度も利用したことがなければ、投稿したくても投稿できません。

また、新商品だとその特性上多くの人はその商品をもっていないことが想定されるため、いきなり投稿を促す施策は大量のサンプリング施策などを組み合わせない限りInstagramでは難しいでしょう。

そのため、その商品をもっているかどうか、サービスを利用したことがあるかどうかというのも大事なポイントとなります。

3:そもそも投稿できるか/積極的に投稿したいか

「このアプリをDLし1ヶ月間毎日1時間利用してもらい、その感想をInstagramのフィードで投稿してください」
「来週までにトルコのカッパドキアに行って現地の人と仲良くなった写真をInstagramのフィードで投稿してね」
「この告知投稿をスクショしてフィードに投稿してください」

これらは極端な例ですが、たとえば上記のような「そもそも投稿するためのハードルが高いもの」は、どれだけ魅力的なインセンティブを用意したとしても投稿される可能性が低いと言えます。

また、投稿する掲載面もフィードなのかストーリーズなのかでも変わってきます。ストーリーズならまだいいけどフィードではちょっと、、というものも往々にして存在します。むしろ、ユーザーにとって楽しんでもらえるものであればユーザーも積極的に投稿してくれる可能性が高まります。

そのため、そもそも投稿できるかどうか、積極的に投稿したくなるかどうかという点も要チェックポイントです。視点を変えるとすれば、「投稿してくれたユーザーのフォロワーにとって、そのユーザーの評価をマイナスではなくプラスにするようなものとはなにか」と考えてみるのも一案かもしれません。

+α:継続的に投稿することが当たり前となるか

カテゴリーや業種によって当てはまらない場合もあるため、最後は+αという形にしています。

Instagramマーケティングをするにあたり、ユーザーからの投稿数が増えることが事業にとってポジティブな影響を与えるため、いかに日々の投稿の中であったり継続的に投稿してもらえるかは重要なポイントです。

この「習慣化」をいかに作れるかというポイントは非常に難易度が高いのですが、うまく構築できると非常に強い味方になってくれます。アンバサダー的な仕組みを構築する、ハッシュタグをつけて投稿することになんらかのメリットを付与するなど、ぜひトライしてみてください。

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さいごに:Instagramを楽しもう

ここまで読んでくださった方へ、まずは本当に感謝を。なんと2万2千字もあったようです。むしろなんだかごめんなさい。ですが、ほんの少しでもInstagramマーケティングや運用に関して参考になるところがあれば幸いです。

そして、前回と同じく今回も同じ締めくくりなのですが、ここまで書いたことはぜんぶ忘れてしまってもだいじょうぶです。本当に大事なのは、担当者さんがInstagramそのものを楽しむことであり、ユーザーの方々とInstagramを通じて楽しいコミュニケーションが取れることです。

効率的に運用していくにあたって抑えておいたほうがいいポイントはあります。モノによっては直接的に見える効果があまりないものもあったりします。ですが、それよりも大切なのは、Instagramそのもの楽しめることです。

これからもInstagramはどんどん進化していくと思います。思いもしなかったさらに新しい世界を見せてくれると思います。そんな期待と可能性に満ち満ちたInstagramを、ぜひ楽しむ一助となれたら幸いです。

Bring you closer to the people and things you love
大切な人や大好きなことと、あなたを近づける

Instagram

とても嬉しいです。少しでも参考になりましたら幸いです。
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コメント (4)
拝読させて頂きました。
拝読させていただきました。
勉強になりました。
勉強になりました。
ありがとうございます。
痒い所に手が届く内容で、分かりやすく、勉強させていただきました。
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