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『青き方舟』(山田牧)を読む。

喫茶店を経営し俳句を嗜む作者の第二句集から、感銘句を五句紹介。


春眠や出遅れてゐる鳩時計

鳩時計に内蔵されている鳩の人形が寝坊したかのようでユーモラス。

幾千の眼の集ふ揚花火

花火の観客に注目した点にひねりがある。
その上、観客と明記せず「眼の集ふ」とした点が更なるひねり。
二重のひねりに工夫の跡が見られる句。

ばつた跳ぶ大きく地球蹴って飛ぶ

ばったの小ささと、地球の大きさの対比がダイナミック。

ゴムプール一枚となり干されけり

空気を入れると膨らむプールだと読んだ。
空気を入れた状態だと一個だが、空気を抜くと一枚に。
着眼点が面白い。

人参の陽気な色をみぢん切り

色をみじん切りにするという面白さがある。


ひねりの工夫と面白さを感じる楽しい句集だった。

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最後までお読みいただきありがとうございました。 もっと面白い記事を書けるように日々頑張ります。 次回もお楽しみに!