『雨のオカリナ』(篠原節子氏)を読む。
一冊中に、色々なテーマの連作が多かった。
概略だけでも
・お母さまの介護と看取り
・旅行
・日常
・相聞
など、幅広い。
その中から面白く感じた五首を紹介。
雨蛙と人の「わたし」の「共鳴」が良い一首。
初句のオノマトペが一首全体の雰囲気と音を作っている。
興福寺の阿修羅像だと読んだ。
その複雑な表情をAIが「悲喜こもごも」と判断するとは面白い。
AIのプログラマーの性格も透けて見える。
下句の対句「言葉の」「心の」の部分と、
「密度」の繰り返し(リフレイン)。
対句とリフレインの二重の技が光る。
結句が二文字の字足らず。
「跳んだり跳ねたり」は八音。
よって下句が8・5となり、一首合計の音数は30。
トータルだと一音足りない。
その独特のリズム
(5・7・5・8・5)が
「あまだれ」の跳ね方に合っている。
「ひつじぐさ」はスイレン科の水草。
※Wikipedia⇩
ひつじのイメージが「ふかりふかりと」と相性が良い。
亀の息継ぎの様子のオノマトペも「ふるふると浮く」も魅力的。
オノマトペが際立つ一首。
まとめ
キャリアの長さを感じさせる、安定した作風でありつつ、
AIから自然まで幅広い話題で短歌が詠まれている。
柔軟性を感じる、勉強になる一冊だった。
最後までお読みいただきありがとうございました。 もっと面白い記事を書けるように日々頑張ります。 次回もお楽しみに!