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「年刊花林花2023」を読む③榎並潤子氏

花林花という句会がある。
先日「年刊花林花2023」を頂いた。

各同人の花林花抄二十句の連作から、掲載順に感銘句を紹介。

榎並潤子氏「クロッカス」より。

降る雪に音もなく消ゆ獣みち

獣道の道をひらがなにしたことで、独特のやわらかさが出た。映像が浮かぶ句。

湯浴みする赤ちゃんの爪桜貝

小さくて桃色な桜貝の形が、喩として活きている。血色の良さも伝わってくる。この句も映像が浮かぶ。

突然の驟雨に揺れる映画館

追憶の句だろうか。小さな映画館だと思う。映画よりも驟雨の方が気になるほどの強い雨。景だけではなく音もある句。

俳句に使われている場面が想像しやすく、かつ「獣みち」や桜貝の暗喩など工夫を感じた。

以上。

続く。

最後までお読みいただきありがとうございました。 もっと面白い記事を書けるように日々頑張ります。 次回もお楽しみに!