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「年刊花林花2023」を読む⑩杉山一陽氏

花林花という句会がある。
先日「年刊花林花2023」を頂いた。

各同人の花林花抄二十句の連作から、掲載順に感銘句を紹介。

杉山一陽氏「ゆううつ」より。

こたつ犬散歩の前のひとふるえ

こたつとこたつの外との温度差で震えたのだろう。観察眼がある。なんとなく犬の性格も伝わってくる。

波止の灯に転がる鮫の白目かな

大きい鮫ではなく、小さなサイズの鮫だと思いました。鮫が大きかったら「かな」で詠嘆できずにもっと怖がるでしょうから。

ふるさとの一両きりの春電車

ふるさとのほのぼのとした情景が浮かぶ。この電車はそこまでスピードは出ていなくて、とことこのこのこ走っているイメージだ。今、ローカル鉄道は廃線の危機を迎えている場所が多いので、こんな春電車ならぜひ乗ってみたい。

全体的にどこかゆったりとしていて、春電車のほのぼの感がある連作だった。鮫がどうして波止場に転がったのか、どこの春電車なのかなど、製作背景も気になった。

以上。

続く。

最後までお読みいただきありがとうございました。 もっと面白い記事を書けるように日々頑張ります。 次回もお楽しみに!