お笑い初期衝動
48.解散
カスは論外な舞台だったが。
僕のコンビ・ドルバッキーも、おもしろくないネタを予定通り15分やったというだけで。決してほめられた舞台ではなかった。
僕はこの直営業を前に、実は一つ心に決めていたことがあった。
それは…
この舞台を最後にドルバッキーを解散しよう。
ということだった。
イベントが終わり、同期の出演者みんなで駅へ向かって歩く。
「解散しよう」と、相方・川田にどこかのタイミングで言わないといけないのだが。
そろそろ言わないと、と思えば思うほど、なんだか言い出せない自分がいた。
駅に着いて。切符を買って。まだ言い出せない僕。
すると。改札の前で、川田が言った。
「俺らも、今日で解散しよか。」
解散を先に口にしたのは、相方の方だった。
川田の方でも僕と同様に、「これで最後」と思っていたのかもしれない。
「もう解散するべき」という双方の答えが一致した瞬間、もうそれ以上の言葉は必要ない。そんなふうに感じた。
今まで相方にいろんな不満もあったが、コンビで初めて思いが一致した気がして。最後に同じ思いになれた。清々しい。そんな感覚すらあった。
結成わずか1ヶ月程度。
ドルバッキーは、解散した。
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