お笑い初期衝動 ～漫才台本を一部公開

79.「疑問形の屁」とは何？

1週間前に風邪をこじらせまして。『お笑い初期衝動』の更新がしばし途絶えておりました。
PCR検査は陰性。コロナでなくてよかったのですが、なかなか手ごわい風邪でして。
しかしそれも8割方回復してきましたので、復活更新と参ります。
今後とも何卒宜しくお願いします。

さて。前回vol.78で、「次回は"疑問形の屁"というボケが生まれた経緯に触れる」と綴っていましたが。
その前に。"疑問形の屁"がどういうボケかわからなさすぎると思うので、まずは、その台本を一部のせようと思います。

いつもはネタ台本は有料にしてますが。
今回は一部なので、無料記事にて公開します。

では、ここからが台本。
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奥山：俺、店出そう思てんねん。

田中：やめてくれや、そんなん。

奥山：いや、もういろいろ考えてあんねん。積み立て貯金も始めてるし。

田中：積み立て貯金してんねや。じゃあきくけど、何売るの？

奥山：例えば、"へん"。

田中：へんって何？何のこっちゃわからんわ。

奥山：さんずいへんとかあるやん。

田中：あ、漢字の横にあるアレか。それを売るの？？

奥山：うん。

田中：ようわからんけど、そんなん誰も買わんやろ。やめた方がええよ。

奥山：自分、田中やから、にんべんなんか似合うんちゃう？

田中：似合うって言われても、ええわ。

奥山：田中の「田」ににんべん付けたら、つくだなか(佃中)になれるで。

田中：なれるでって言われても、別になりたないし。いらんわぁ。

奥山：いらんの？おいしそうやのに…。

田中：おいしそうか知らんけど。ちなみに、それいくらなん？

奥山：24万。

田中：高いな。それ絶対買わんわ。他には店で何売ろう思てんの？

奥山："疑問形の屁"。

田中：え？わからんわ。どんなんそれ。

奥山：じゃあ1回見したろか。特別に。

田中：うん。見せて。

奥山：（ゆっくりと、お尻を突き出すような体勢をつくり）ぷ～↗
※語尾が上がるような音色の屁の音を口で言って、同時に、何かたずねてるかのような顔をする。

田中：疑問形やった。何かきかれた。でも答えられへんからなぁ。それも売れへんと思うよ。

とりあえず、台本はここまでにしておきましょう。
台本読んでもらったところで、"疑問形の屁"のニュアンスはわからないままですかね(笑)

顔と体勢と言い方ありきのボケなんで、文字で表現するのは困難を極めますね。
でも、なんとか解説します！

まず、英語の疑問文をイメージしてください。
例えば。
Do you have a pen？
Are you a high school student？
短いやつだと、Pardon？とか。

大抵英語の疑問文は、最後の語尾の発音が上がりますよね。
その感じで。漫才で、"疑問形の屁"の音を「ぷ～」と口で言うときに、語尾が上がるような発音で言うんです。まるで何か質問してるかのように。

それで、相方は「何かきかれた」とつっこんでるんですね。
それが“疑問形の屁”です。

少しはご理解頂けましたでしょうか。。

当時は僕も田中も、つい最近まで学生だったような若者なので。
こういうボケは、自分達にとってちょうど身近におもしろがれるものだったのかもしれませんね。

次回は。
「疑問形の屁"というボケが生まれた経緯に触れる」と以前綴ってたので、そういう話をします。