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お笑い初期衝動
47.カスの舞台
直営業当日。
ドクター河合とチャリティ杉本のコンビ=カスが、その名の通りのカスぶりをいかんなく発揮した、そのとんでも舞台を説明しよう。
まず、ドクター河合が大遅刻をかましてしまう。
カスの出番が近づいても、一向にその姿を現さない。
僕達はまだ養成所に入りたての身。コンビの片方だけ出ていっても、舞台をもたせる力などない。
チャリティ杉本、さあどうする?
出番の時間は刻一刻と迫る。
そして、あっという間に時は過ぎ、カスの出番になった。
時間がきたのだから、しょうがない。
チャリティ杉本は、1人で舞台に出ていった。そして…
相方が遅刻してて何もできない、ということを赤裸々に語りだした。
それも半泣きで。
人一倍繊細な性格のチャリティ杉本は、開き直る余裕すらなく。
声も張らずに、言い訳と相方への愚痴をずっと半泣きのまま喋っていた。
これは、一体、何を見せられてるんだ!?
チラシには、"メチャメチャおもろいDAY"と書いていたはずだ。
思っていたおもしろさと、あまりにも種類が違いすぎるではないか。
そして、チャリティ杉本の半泣き一人舞台というカオスが10分経過した頃。
ようやく、相方のドクター河合が到着した!
持ち時間、残り5分。
2人揃って、最後にしっかりネタをやるのかと思いきや‥
彼らは5分間、舞台上でケンカをしていました。
「お前のせいで!」「悪かった言うてるやろ!」と、なんともしょうもない口喧嘩。
もう地獄絵図である。。
カスの持ち時間15分を終え、舞台を降り。
チャリティ杉本は、舞台裏でしゃがみこんで号泣した。
30才ぐらいの女性アシスタントの方に、背中をさすられながらなぐさめられる芸人の姿。
なんという情けない光景なんだ…。
この日を最後に、カスは解散した。
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