少し不思議な話(指の感触)

こんにちは奥山さんと言います。
仕事も無事終わり、会社への帰りに以前から気になっていた古本屋さんが目に入り、休憩がてら、ふらりと立ち寄る事にしました。
これは、そこの男性の店主さん75歳が、昔、たった1度だけ体験した、決して夢ではなかったとおっしゃっていた話です。
仮に店主さんをTさんとします。
当時、古新聞の回収業をしていた25歳のTさんは、アパートで独り暮らしをしていました。
時間はまだ暗い明け方、Tさんはふと体に異変を感じて眠りから覚めました。
体が動きません、そう定番の金縛りです。
と同時に、何者かが寝ている自分に馬乗りになり、強く、自分の両肩を手でグッと押さえ付けている感覚が体を襲います。
首を絞めるなどされなかったので、命の危険は感じなかったのですが、恐怖から目を開ける事は出来なかったと言います。
そして、外が明るくなり始めた頃、意を決して目を開け、なんとか体を動かす事も出来るようになった頃には、押さえ付ける手の感覚は消え、目の前には誰も居なかったそうです。
 
私は、押さえ付けられた感覚を詳しく聞こうと、「手のひら」で押されている感覚でしたか?と聞くと、押さえ付けている何者かの手全体、押し付けてくる5本の指の感触もはっきり覚えていると教えてくれました。
目を開けていなかったのですが、男か女か分かりますかと聞くと
「あれは男だったね。」
と答えてくれました。
こんな話を、車田正美先生の「リングにかけろ」全25巻の古本を2,000円で購入したオマケで聞かせて頂きました。

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