少し不思議な話(聞こえて来たもの 2話)

こんにちは奥山さんと言います。
これは、同僚のKから聞いた話です。
1話目
Kの友人Aさん(少し霊感あり)は車好きで、国産スポーツカーに乗っています。
ある日、地元からそう遠くない場所で、Aさんが乗るスポーツカーが集まるイベントが開催される事となり、それに参加するにあり、普段より気合を入れて車高を落としドレスアップした車両に乗り込んで、Aさんはイベント会場に向かいました。
かなり車高を落とした事もあり、タイヤが車体に擦れたりしていないかなどを確認する為に、室内のステレオなどの電源をすべて切り、窓を全開にして車体から異音がしないかを聞きながら慎重に走行していました。
あるトンネルに入った時です。
突然、室内のスピーカーから女性の叫び声が響き渡りました。
確認してもステレオの電源は確かにOFFです。
怖くなったAさんは、アクセルを踏み込み急いでトンネルを抜けしばらく走り、気が付くと声は聞こえなくなったそうです。
 
2話目
同じ友人Aさんが一人で山登りをしていた時の事です。
下山途中の山中で突然、後ろから鈴の音(すずのね)が両側の草むらから同時に聞こえてきました。
それは、Aさんが歩く速度に合わせて付いてきます。
怖くなったAさんは、走るように山を下りますが、やはり同じ距離を保ちながら音はずっと付いてきます。
どの位走ったのか、こちらもいつの間にかその音は聞こえなくなりました。
 
付いてきた鈴の音について、どんな感じだったをAさんは言っていたか?、とKに尋ねると、山伏の持つ錫杖(しゃくじょう)の上に付いている金属がぶつかり合って鳴る音と、リーンと言う鈴の音が混ざったような音だったと言っていたそうです。

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