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ベンチャーに飛び乗ってから3年が経った

こんにちは。クラシルというレシピ動画サービスを運営しているdelyでプロダクトマネージャー (PdM) をしている奥原拓也といいます。正確には9月1日ですが、delyというベンチャーに飛び乗って、3年が経ちます。この1年は自分の役割が急激に変わっていきました。その荒波の中で、自分がすべきこと、成し遂げたいことは何かを考えさせられた期間だったと思います。この一年を振り返って考えていたことを書き残して置こうと思います。失敗など赤裸々に書きましたが、失敗もチャレンジした結果ですし、人生そんな上手くいき続けることもないと思います。志を忘れずに、諦めずに突き進み続ければ、いつか絶対に勝てると思っているので、けっして諦めずに進み続けようと思っています。

スキルにレバレッジをかけるという本質

2018年の10月から、delyで開発部のGeneral Managerを任されていました。General Managerは組織上では開発部の部長という役割を担っており、開発部に関する評価や採用など組織周りのことを担います。また、自分の場合は特徴的で、部署のマネージメントをしながら、プロダクトマネージャーとしてのロールも持っており、エンジニアリングもたまに行なっていたので、3足のわらじを履いていました。

・部署のマネージメント (評価や採用)
・プロダクトマネージメント (クラシル)
・エンジニア (サーバーサイド)

2018年の5月頃から、クラシルのPdMになりエンジニアリングとプロダクトマネージメントの相性が良いことを感じていました。相性がいいというのは、エンジニアリングとしての実現性を考えながら施策を考え、工数の見積もりや時には自分で分析や処理スクリプトを書くなどエンジニアと並走する形でプロダクト開発できるのは効率的です。PdMになってからは、初めての経験だったので、PdMとはそもそもどのような役割なのかということを考え、実践していき、記事を書いたりイベントを主催したりなどしていました。

話は少し飛んでしまいますが、株式会社IDOMの専務取締役を勤める吉田さんの「成長マインドセット」という本にアイスバーグ理論という成長を理論的に説明づける概念があります。

成長とは、上の図にある三角形を大きくしていくことで、基本的には成果を出すためには下層を大きくしていく必要があります。

仕事において、成果を出すためには単純に自分のスキルセットを増やしていく、つまりスキルのかけ算を通して、レバレッジを効かせていくことだと考えていましたが、この一年で多くのロールを担っていて、逆に成果が小さくなっていくことを感じていました。つまり、アイスバーグ理論でいう「能力・スキル」を肥大化させていっただけでは、成果を大きくすることはできず、下層にある行動や、その行動を起因させる意識を改善していかなければならないと気づかされました。

具体的には、意識や行動を向上させるためには、目の前のことをがむしゃらに片付けていくのではなく、半年後どうなっていたいのか、1年後どうなっていないといけないのかを考えて逆算して考えて成果に結びつけていくこと、個人レベルでは逆算した結果として自分は今何をすべきなのかを考えて行動に落とし込むことが欠けていた結果、数ヶ月しても目に見える結果が出ていなかったと思います。逆算して考えることは、訓練する必要があるので常に心に留めておきたい考え方です。

クソなボランチ問題

強めの表現を使いましたが、下の記事の影響を受けています。

サッカーにそこまで精通しているわけではないので、発言を控えますがボランチとはフィールドの中心で、ボールを受けて攻めに転じたり、自身もゴールに絡んだり、空いた守備を埋めたりと広く活動し、ゲームを司る存在と認識しています。勝利のためなら、なんでもするPdMとして重ねることができるのではと思い表現しました。

上記で述べたように、この一年様々なロールを持ち、プロダクトを成長させるためならば、何でもかんでも顔を出し、フィールドを縦横無尽に走りつづけてはボールを拾い、回すことをしていました。

ある一週間の自分のGoogleカレンダーです。部署間のmtgや施策のmtg、面接や1on1などがあるなかで、採用ランチで出かけていったり、その間に社内に転がったボールを自ら拾いに行くなどをしていました。フィールドを走り続けた結果として、ボールが自分のところに回ってくるはいいが、量が多すぎて、パスはどれも質が低いあるいはボールをいつまでも自分が持ってしまい、攻撃ラインが機能不全を起こしてしまうような消化不良を起こしてしまっていました。

ヒューマンマネージメントとプロダクトマネージメントは使う脳が違うのではないかと思うので、予定が交互に入ってしまうと脳のスイッチが困難ですし、プロダクトの未来を考えるためには、まとまった時間が必要ですが、その時間も取れず、目の前のことをこなすので精一杯でした。プロダクトの未来を想像して、逆算して施策を考えることができずにいました。

自分が何でもしなければいけない、ボールは自分が回すと使命感に駆られ、周りを信じて役割を任せきれなかった自分の責任だと痛感しています。

組織としての成果を最大に

仕事を初めてから、2年間でエンジニア、ミドルマネージャー、プロダクトマネージャー と自分の役割を変えてきて、全てが成長機会だと思っていたし、自分はその成長機会を活かして成長できているという自負は多少なりともありました。

しかしながら、全てを自分の成長に繋げるには考えが浅すぎて青すぎました。もしかしたら、どれか一つに焦点を当てていたら上手くいったのかもしれないですが、全てを上手くいかせるには、時間が足りなかったですし、自分の実力も足りずに、全てが中途半端でした。その中途半端を持続して行った先に、もしかしたら全てのロールで80~90点くらいは取れるようになったかもしれませんが、急成長するベンチャーにおいては、組織は常に最適化させて一番成果がだせる体制を構築し続けないと致命的だと思っているので、後述しますが、選択と集中をしようと思っています。

組織は常に自分よりも優秀な人をいれつづけないと、衰退してしまいます。そして、優秀な人が残ってくれる組織にするには、各々が一番成果が出せる役割になってもらうことが大切だと思っています。それが、自分が持っている役割だったとしても、自分よりも優秀で成果を出せる人が現れたなら、潔く自分の役割を引き継いで、自分がすべきことを考えて、一番組織として成果を出せることにフォーカスすべきだと考えています。

この1年で組織が急激に成長し、大きくなってきて、一人でこなせていたことも難しくなり、優秀な人がたくさん入ってきてくれるようになったので、諦めているわけではないですが、現実的に全ての側面で勝ち続けることは困難になりました。その中で、役割を明文化して分割していくのは自然だと思いますし、より大きく優れた組織にしていくためには必ずやってくることだと思いました。役割が明文化されていく中で、自分がすべきことはなんだ、組織の中で一番自分が成果を出せることは何かを考えていました。

自分がすべきことはなにか

自分が解くべきイシューは何か、自分がしている仕事は実は今自分がすべきではないかもしれないと常に考えています。常に変化する市場と組織の中で、一番バリューが出せプロダクトも組織も成長することは何か。この問いは誰でもない自分が腹を決めないと、言われてやっているようでは絶対にワークしないです。もしかしたら、それは自分が望んでいたスキルセットではなかったり、本当に自分がやりたいことから遠回りしてしまっているかも知れませんが、その先に自分が本当に成し遂げたいと思っていることがあるなら、チャレンジすべきだと思っています。

人間には向き不向きと強み弱みがある中で、自分が本当にすべきはやはりプロダクトを成長させることだと思っています。そのために必要なら、コードも書くし、分析もするし、ちょっとしたモックも作るし、ステークホルダーの調整もするし、組織も構築するし、採用もするし。すべてに執着して望もうと思っています。しかしながら、この1年の学びとして、全てを自分で解決することは難しいと痛感したので、組織として最適解を見つけること、各々は選択と集中をすること。

プロダクトを成長させないと皆を幸せにできない

自分がすべきことはプロダクトを成長させること、それには複数の要因があって、やるべきことは多い、その中で自分の得意なことで組織の中で一番バリューが出せることに選択と集中をすべきだと考えました。

「売上が全てを癒す」という有名な言葉がありますが、確かにそうだなと思う一方で危険な言葉であると思っています。正義ではありますが、なぜ売り上げをあげないといけないかというと、会社として立てた志を成し遂げるためです。ただ単にプロダクトを成長させるのではなく、しっかりと自分たちが立てた志に向かっているかという短期と長期の視点を持つことが重要だと思っています。

また、なぜプロダクトを成長させないといけないかというと、自分を含めて組織に属する全ての人も個人として成長し続けていきたいと考えているためです。成長とは、先ほど図を提示したアイスバーグ理論に基づくものですが、基本的には成長機会が人を成長させると思っています。成長機会がない組織では、未来はないと思っています。

この成長機会を常に創出し続けるためには、プロダクトを成長させることが根本にあると思っています。プロダクトが成長してるからこそ、できることが広がって、重要な役割がどんどん生まれていくと思っていますし、志高ければ高いほど難しい課題に直面しまくるので、それが成長機会となります。自分よりも優秀な人を入れ続けることも大事ですが、中にいる人も常に成長していくことが大切だと思っています。

これから成し遂げたいこと

次の1年で成し遂げたいことは、やはり「自分たちが創ったプロダクトを通して、世の中を便利にし、幸せを届けること」だと思います。そのためには、まだまだインフラになってるとは言えないので、プロダクトを成長させることに執着していきたいです。自分がすべきことは、信じて任せることと選択と集中をすること。これを常に考えて、行動していきたいと思います。あと、自分自身が楽しむことを忘れずにいたいです。

自分一人ができることは本当に限られていて、個の時代と言われて久しく、確かに個人で活躍する人が増えていて、焦点があたることも多いです。その時代の中で、組織である理由は志を共有し、大きいコトを成し遂げるためだと思っています。チームだからこそ成し遂げられることをするために、難しい課題にぶち当たって、それぞれの強みを活かしながら解決していくのだと思います。

世の中の人の生活を変え、世界に通用するプロダクトを創りたい。

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