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子どもは代金後払いの福袋である

親と子供の関係について色々考えた結果、行き着いた自分なりの答えが、上のタイトルである。

福袋は、購入して開けてみるまで中身はわからない。子どもも同じように、親は男の子か女の子かを選ぶことはできないし、遺伝子的に賢い子が産まれるのか、美男もしくは美少女なのかも、産まれてきてある程度成長するまではわからないし、選ぶことはできない。

福袋の中身を確認して、「思ったりよりも良いものが入っていた!」「値段の割には大したことないな」と一喜一憂するのと同じように、親も子どもに対して一喜一憂する。実際、私も親に「男の子が良かったのに」と文句を言われたことがあるし、中には「もっと賢い子がよかった」「もっとイケメンな子がよかった」と不平不満を言う親もいるだろう。けど、これに関してはまだ百歩譲ってわからなくもない。福袋の原理に置き換えれば。

問題なのは、「産んであげたことに感謝しなさい」「学費や食費を払ってあげてることに感謝しなさい」という言葉である。私はこの言葉がどうしても腑に落ちないのだ。

「産んであげた」とはつまり、福袋に置き換えれば「買ってあげた」ということ。福袋を買うことを望んだのは、購入者本人である。福袋を販売しているお店に対して「あんたたちの商品を買ってやったぞ、感謝しろ」と言っているのと同じである。自分から望んで、お店に出向いて商品を買ったというのに。

さらに、「生活費その他諸々を払ってあげてることに感謝しなさい」とはつまり、お店の代金後払い商品(子どもは、産んで手に入ってからのほうが大変だからね)に対して「あんたたちの商品に金を払ってやってるんだぞ、感謝しろ」と言っているようなものである。商品を手に入れるために、相応の対価を支払うのは当然のことである。しかも、福袋は生活必需品じゃない。要らないのなら買わなければいいし、そうすれば金も払わずに済む。子どもも同じ。夫婦の間に子どもは絶対必要かと言われればそうじゃないし、欲しくないなら初めから作らなければいい。そうすれば、あとあと食費やら学費やら大量の対価を支払わなくても済む。

もちろん、購入した商品を全員が丁寧に扱うとは限らない。商品を一生大事に使い、死ぬまで手元に置いておく人もいれば、雑に扱って使い捨てにしてしまう奴もいる。

子どもも同じ。

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