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なぜYouTubeで漫画動画が流行ったのか。そして今後どうなっていくのか。

※2020年2月24日の記事の再掲になります

はじめに

YouTubeでアニメの制作・配信を行なっているPlottの奥野です。
よく知り合いに「漫画動画ってなんであんなに流行ってるの?」と聞かれるのでnoteにして共有知に出来れば良いな〜と思って書いてます。

漫画動画という文化の単なる理解や、他の事業を行う際の事例にでも使ってもらえれば嬉しいです!

漫画動画の現状

年末に漫画動画の月間総再生数を計算したのですが、ざっくり5億回くらいでした。

トップ10チャンネルくらいがそれぞれ2000~5000万回再生されることで、4億回再生くらい。他のチャンネル群が合計1億回くらい再生されてるかな〜という感じです。

再生回数のイメージが付きづらいと思いますが
ヒカキンさんが1億回
ヒカルさんが8000万回
はじめしゃちょーが6000万回
ヴァンゆん・水たまりボンドが5000万回
ラファエルが3000万回
メンタリストDaiGo・ジュキヤが2000万回
くらいです。

大体2000万回再生くらいで国内YouTubeチャンネルだと100位くらいの順位になるので、
「国内100位以内に入ってる漫画動画すげぇ!」ってことです。

2019年から急に耳にするようになった漫画動画ですが、これまでの歴史を深掘りしつつ今後どうなっていくかを書いていきます。

フェルミ研究所の登場

漫画動画を初めて世に放ったのは「フェルミ研究所」というチャンネルです。

フェルミ研究所は元々「電撃ランキング」という文字スクロール系動画チャンネルをやっていた方が運営しているチャンネルで、現在の登録者数は190万人くらいで一番古い動画は2017年9月の投稿です。

とはいえフェルミ研究所もいきなり漫画動画を始めたわけではなく、下の画像のような写真を用いたスライドショー形式の動画を投稿していました。

フェルミ研究所にイラストが登場するのは、初投稿から半年ほど経った2018年春頃からです。
ただそれも動画自体はフリー素材画像スライドショーで、イラストは主にサムネイルに使われるくらいでした。

その後動画内でもちょっとずつイラストが使われるようになってきて、所謂漫画動画の片鱗が見えるようになってきました。

フリー素材よりもイラスト素材を制作した方が動画で伝えたい内容を表せるので一定の投資効果があるだろうと踏んだんだろうなと思います。
もちろんフェルミさんがコンテンツや漫画がお好きだったりとかも大いに関係あると思いますけどね!

その後2018年11月頃から漫画動画の頻度が上がってきて、この頃には今の漫画動画のフォーマットが確立しています。

漫画動画オンリーにしてからのフェルミ研究所の伸びは凄まじく。
それまでとは異なる成長角度でチャンネルが伸びていきます。

なぜフェルミ研究所は伸びたのか

最も大きな原因は2018年4月の「漫画村」の閉鎖だと考えています。

漫画村閉鎖の影響を可視化するものに、電子漫画市場の動向があります。
漫画村閉鎖後、電子漫画市場の伸び率は2018年中に漫画村普及以前に回復。(参考下画像:Stockclip)

2019年上期には130%成長するなど、電子漫画市場にものすごい影響を及ぼしました。

さて、この頃のYouTubeはどうなっていたかというと
「違法アップロード漫画の温床」でした。
ジャンプの最新回がYouTubeにアップされ、びっくりするような再生回数を出していました。

電子漫画市場に人が戻ってきたように、YouTubeでも漫画消費がドッと増えたんですね。
とはいえ違法動画がたくさんアップされるのをYouTubeが黙って見ているはずもないので、違法アップロード漫画市場の波は半年も持たなかったと思います。

そんな時に目に止まったのがフェルミ研究所の漫画フォーマットの動画だったんじゃないかな〜と思います。YouTubeユーザーの漫画消費欲に上手くハマったと言えるのではないかなと。

2018年4月に漫画村閉鎖
↓(半年間でBANが厳しくなる)
2018年11月にフェルミ研究所漫画フォーマット本格スタート
こう見るとなんとなく繋がってきません?

なぜ漫画動画チャンネルは急増したか

先ほどのフェルミ研究所のグラフを再度見てみましょう。

ではなぜ漫画動画チャンネルが急増したか、それは
2019年4月の「文字スクロール動画のBAN祭り」
のせいだと考えられます。
文字スクロール動画とは拾い画ですが下の画像みたいな動画です。

それまで文字スクロール動画で食っていってた人たちは次の収益源を探し出し、そこで辿り着いたのが「漫画動画」だったのです。
また、それまで文字スクロール動画を見ていた人たちも暇つぶしとしての漫画動画に移行していったと思われます。

フェルミ研究所の影響

漫画動画の急増の原因を話しましたが、漫画動画のメインプレーヤーは文字スクロール動画プレーヤー達が揃う前には揃っていたように思います。

僕たちPlottも2019年1月末に「テイコウペンギン」というチャンネルをリリースしていたり、「ヒューマンバグ大学」「モナリザの戯言」「エトラちゃんは見た!」などのチャンネルも3〜5月にリリースされたチャンネルでした。

その時期のプレーヤーはフェルミ研究所の爆伸びを見て入ってきてます。フェルミ研究所の最盛期は5000人/日で登録者が増えており、これはVTuberブームのトップVTuberと同じくらいでした。

そのため漫画動画チャンネル運営者同士で話をすると皆フェルミさんのことを「始祖」と呼びます(笑)

第一フェーズ:フェルミ研究所
第二フェーズ:漫画動画アーリーアダプター
第三フェーズ:文字動画プレーヤー
という順になっていたんですね。

今後漫画動画はどうなっていくか

漫画動画の始まりから現在までの成長まで、ざっくりと理解していただけたかなと思います。過去と現在が理解できたら次は未来が知りたいというそこのあなたに向けて、僕の見解を書いておきます。

今後の漫画動画では「クオリティ競争」が始まっていくと思います。
いや、もう始まってると言った方がいいかもしれません。

市場のメインプレーヤーがハッキリと分かるようになり、新しいチャンネルは今までと一緒の動画では伸びづらくなってます。
そうすると既存プレーヤー同士の戦いとなってきて新規チャンネルは伸びづらくなってきます。ある程度収益が回ってるチャンネル同士の戦いはクオリティをどこまで上げるかというのが一つのポイントになってます。現にフェルミ研究所のイラストの質は、昔の動画と今の動画を見比べてもらえれば、常に上がり続けてるのが見てとれるはずです。

Plottはどうしていくのか

僕たちはそんな市場に対して「ゲームチェンジを仕掛けたい」と思っています。

うちの会社の目指すところは「オモシロイで天下を獲る」ことで、YouTubeで一番登録者を持つことではありません。
IPとしてでっかくなるようなそんなコンテンツを作っていきます。

広がっていくYouTube市場の中で「メディアとしての漫画ではなく、エンタメコンテンツとしての漫画を届けていきたい!」そう思ってます。

一緒にオモシロイで天下獲ろうぜ!

Plottは今拡大フェーズです。
YouTubeチャンネルを今後増やしながら、自社アセットを用いて新規事業をバンバン立ち上げていこうと思ってます。

そのためにももっと仲間が欲しいです!
うちはクリエイターカンパニーなので、どこの会社よりもクリエイターが多いです。
そんなクリエイターと同じか、いやそれ以上にバリュー発揮できるぜ!
っていうベンチャーマインド旺盛なビジネスマンを探してます!

もちろんそれ以外にもたくさんの職、なんなら全ポジションで募集してますので、wantedlyから気軽に話を聞きに来てください!


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