Twitterをやっていない私が夢中になったweb漫画あれこれ その3

推したい漫画はある程度出したかな…と思ったけどそんなことはない、まだまだある!!!たとえば!!!


1.邦キチ! 映子さん/服部 昇大

言わずと知れた(?)邦画プレゼン漫画。

私自身あまり映画には明るくなく、特に洋画は教養レベル(と映画好きの皆様が熱弁をふるう類)の作品も見ていなかったりして、ちょっとしたコンプレックスを持っている。ほらあるじゃないですか、○○とか××シリーズとか…ね、皆さんが思い浮かべているその作品ですよ。それ見てないんだよね、ってぽろっとつぶやくと「今までどうやって生きてきたんだ」「人生損してるから今すぐ見ろ」「いや初めて見るならば順番が大切だ、同じ監督の過去作品●●から見るべき」とか、映画奉行みたいな人から急にご指導ご鞭撻を賜ったりして辟易みたいなね。善意なのはわかるんですが、誰もが名作洋画を履修済みなわけでも履修したいわけでもないっつーの!見たいと思った時に勝手に見るからほっといてくれよ。

で、「邦キチ」には当然ながら映画好きのキャラクターがいっぱい出てくるんだけど薦めてくれる映画のラインナップが最高。さっき挙げた(いや実名は挙げてないけど)アレとかソレとかは一切出てこない!あ、あ~~~それね、なかなかのひどい出来だったとの噂の…とか、まじで一切聞いたことのないようなマイナー作品のオンパレード。チャイナガールヤンヤンの語るアジア映画に至っては基本的にさっぱりわからない。けど映画への愛にあふれまくった、もはやディスってるのでは?な解説がめちゃくちゃ面白い。

映画プレゼン漫画なのにぜんぜん映画を見たくならない、いやでもちょっとだけ見たくなるかもしれない…?そんな邦キチ節をぜひ一度体感してほしいです。

2.違国日記/ヤマシタトモコ

小説家の叔母と高校生の姪、突然はじまった二人暮らし。この作品はあらすじ説明しても仕方ないんで、もうとにかく読んでください!!!!!!

んで、この作品を「web漫画」というのはちょっと違うだろというのも重々承知しております。心をわしづかみにする漫画を輩出しまくってるフィーヤンさんでふつーに連載してるもんな。でもそんな漫画がピクシブでこれまたふつーに読めるこの世の中!!!いいのか!!???はじめてピクシブで見かけたとき仰天したわ。

というわけで未読の方はピクシブからでもフィーヤンのサイトからでも第一話は読めるのでぜひご一読いただきたいです。まあ私はピクシブでちょっとずつ読んで、我慢ならんこれはなんとしても紙媒体で永久保管じゃ!と即断し全巻買ったわけですが。

この作品の好きなところを語りだすとキリがないんだけど、ひとつ挙げるならば35歳の小説家「槙生」と高校生の姪っ子「朝ちゃん」、言い換えるなら「大人」と「こども」、それぞれの視点・心情が共に深く深く描かれているところかなと思う。おそらく年若い読者は朝ちゃんや朝ちゃんの周りの友達たちの心の揺れ動きに「ああーわかる!」と思いながらこの作品を読み進めるだろう。私自身は槙生と同世代なので彼女の生活に自分を重ねながら読んでいるんだけど、当然ながら遠い昔高校生だった時代もありますので朝ちゃんを見ているとこう…忘れかけていた心の動き方を思い出すというか、「あの頃」が突然フラッシュバックするというか。たまに本を閉じて、ちょっと深呼吸をしないといけなくなる。

あの頃の自分を思い返してみれば、「大人」といえば親や親族・学校の先生くらいで、それ以外の大人に触れ合う機会って本当になかった。だからごくまれに、なんらかの「大人」に接する機会があるとそれはとても新鮮だったしそういう人の言葉は今でも不意に思い出したりする。で、この作品の中で日々心揺れ動く朝ちゃんや友人えみりに対して、親でも先生でもない立場の「大人」たちがどう接するかというと、きわめてニュートラル。偉ぶるでもなく説教がましいでもなく、それでいてすこしだけ手助けになる視点を垣間見させてくれる。自分が高校生の頃、こういう大人たちに出会っていたらと…と何度も考えてしまった。

特に印象的なのが4巻、えみりに対して槙生が映画を紹介するシーン。先述の通り私自身は「映画」に対してちょっとばかりコンプレックスを抱いているんですが、そのくせこんな風に「大人」から映画を紹介されることにめちゃくちゃ憧れていまして…!!

あなたが誰を好きになってもならなくっても…それは罪ではない

こういうことを言ってくれる大人がいることが、彼女たちにとってどれだけ得難いことか、なんていうのは、羨ましいという気持ちが高じて妬んじゃってるのに近いな。まあつまりはそれくらい、この作品に出てくる「大人たち」は、「こどもの頃こんな大人に出会いたかった」あるいは「大人として、こうありたい」と思わされちゃうようなひとたちが多いと思う。といっても決して聖人君主なわけではなくてめちゃくちゃ生々しい、こういうひといるよなーってなるキャラクターばかり。なお個人的には笠町くんがすごい好きですね。

現在7巻まで発売中。今一番続きを楽しみにしている漫画です。



ちなみに「その1」「その2」「その4」はこちら↓


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