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子どもを何語で育てるか

世界に住む場所を選ぶ中で、夫婦が最も気にしていることの一つが、言語の問題です。私も妻も純ジャパですが英語は話せます。でも言語のレベルや姿勢には大きな違いがあります。

私は大学生まで英語は最も苦手科目で、コンプレックスも拗らせていたのですが、大学生の時にこのままではダメだと思い立ち、奨学金をとってアメリカに1年間語学留学に行かせてもらいました。その甲斐もあり日本の中で言えばペラペラと言われるレベルには喋れる方で、海外拠点で仕事をしたこともあり、ビジネスレベルだと思います。一方、個人としては日本語を喋っている時と、英語を喋っている時で自分の思考の再現度が倍くらい違う。つまり、英語では自分が伝えたいことの半分しか伝えられてないのが強くストレスで、英語は今でも話さなくていいなら話したくないとすら思っています。

妻は逆に他言語・異文化交流が大好きです。高校生時代にアメリカに1年間語学留学。大学は外語大に進学、スペイン語を専攻してこれまた奨学金で留学も1年経験し、スペイン語も話します。とにかくいろんな国の人と話すのが好きで、旅行好きの延長でタイ語や韓国語なども多少かじっています。
こんな言語大好き人間で、たくさんの言語を楽しく話すのですが、いずれも日常会話のレベルです。例えば英語はTOEICで言うと800そこそこで、ビジネスで難易度の高いミーティングで使えるほどのレベルではありません。

まとめると、ビジネスで使えるのは私の言語力ですが、人生を楽しめるのは間違いなく妻の言語力です。

この姿勢の違いは子供の教育方針の違いに大きく現れています。
私にとって英語はビジネスツールであり、「使った方が効率がいいなら使うが、使わなくていいなら使わない」と思っているタイプなので、リミテッドバイリンガルになるリスクや、数学や科学といった教養科目の習得効率の観点から、マルチリンガル教育には慎重です。一方、妻にとっては他言語は「エンターテインメント」なので、子どもの豊かな人生のために、マルチリンガル環境を提供してあげたいと考えています。

加えて私が悩んでいるのが、子供が大学に入るような15~20年後くらいのタイミングにはAI翻訳の精度が著しく向上していることが間違いないことです。最近のリモート会議の普及なども影響し、AI翻訳の発展速度は急激に加速することが間違いありません。その時代には、ノンネイティブが中途半端な第二言語でコミュニケーションするよりも機械を通すことの方がマナーとなる時代がくると考えています。つまり、ビジネスツールとしての言語力は急速に価値が下落します。子どもが社会にでる時代を想定すると、言語力に対しての投資価値は今までよりも著しく低くなるのです。

ここまで書くと、私が子どもを単一言語で育てたいと考えているように見えると思いますが、実際はどちらかというと何か他言語は早いうちに習得させたいと思っています。それは「異文化許容」の観点からです。
特に日本語は日本人のみの言語であるため、日本文化・社会制度に強くリンクしています。しかし、日本の当たり前は世界の98%では通用しない。これからの世界を考えると国際文化への親和性の有無は子どもの可能性の幅に大きく影響します。そのためには、なるべく幼少期から異言語圏の友人を持って欲しい。私のように、どれだけ英語が話せても外国人と相対する時に心のバリアを張ってしまうようにしたくない。妻のように、世界を旅することを楽しめるようにしてあげたい。これが今の考えです。

子ども他言語を習得し友人を作る機会を与えるために、
・住む場所からその言語圏に入るのか、就学環境だけ英語圏にするのか、家庭内の言語も切り替えるのか。
・そもそも優先する言語は英語なのか中国語なのか、その他なのか。各言語の中でも方言・アクセントまで気にするのか。
・「幼少期から」がタイミングとして適切なのか?中学から、高校からではだめなのか
この辺りが、住む場所選びの重要項目となってきます。

これからのnoteで、それぞれに関して考えたことは引き続き細かく残していきたいと思います。

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