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覚悟した者は『幸福』であるッ!

前回は健康のお話をしたので、今回は「幸福」のお話をしてみましょう。もちろん、スピリチュアルではなく、科学の観点からのアプローチです(まあ、実際には「宗教を信じている人の方が幸福である」みたいなデータもあるんで、スピリチュアルを完全に否定したいわけではないですが)。

「幸福」になるための介入は単に「幸せを感じる!」ってだけでなく、

ってなこともわかってるんですよね。ただ、こういう話をすると、健康と幸福の関係は単なる相関に過ぎない!みたいな反論をしてくる人もいるので、一応因果関係を示したデータもあるよーってのを紹介しておきます。

一例を挙げれば、Psychological Science誌に掲載された研究が有名でここでは155人の成人グループに12週間のポジティブ心理学の介入が行われてます(マインドフルネス瞑想、感謝、より良い社会的関係の構築などのテクニックが教えられた)。で、幸福度のほかに肉体的な健康レベルも測定したところ、

  • 介入を受けた人々の幸福度は大幅に上昇した

  • さらに病気の経験も少なく、プログラムが進むにつれて、週ごとに幸福度が上がるのと同時に、健康感が増していった

だったそう。まあ客観的な指標(BMIや血圧とか)には大きな影響はないかもだけど、少なくとも主観的な健康の認知は改善していたぞ!ってわけですな。「自分がどのくらい健康と思うか?」は日常の中でどのくらい活動的に動くか?何を食べるか?などの判断にも影響してくるところですから、より長期的にみれば統計的にも有意な違いが確認される可能性はありましょう(実際、相関関係レベルでは「幸福な人の方ががん、心血管疾患含む病気にかかりにくい」というデータもある)。

また、先週のスーパーエイジャーとの関連でも「幸福」は重要なファクターとなってデータは複数あって、例えば最近の長期研究では「幸福は認知機能の低下を遅らせる機能があるのでは?」みたいな結論になってます。これはミシガン大学の研究で、中国の約9,500人を対象に2002年から2014年の間に5回のインタビューを実施。その結果、心理的な幸福度が高い人ほど、認知症などの認知機能障害を発症する確率が明らかに低かったんだそうな。スーパーエイジャーを目指す我々としては、先週のアプローチに加えて、「いかに幸福を保っていくか?」も注意しておきたいところっすね。

で、となると気になるのが、「どうやったら幸せになれるんや!」ってところでしょう。ネットで調べればいくらでもその方法は出てきますが、エビデンスベースドの情報が少ないのはなんでなんでしょうねぇ。てことで、今回は「科学が認めた幸福になる方法」的なところをまとめておきましょう。

「結局かねだろ!」ってな主張もよく聞きますが、お金と幸福の話も扱えればと思っております。まー少なくとも宝くじによって多額のお金を手にしてもそれで幸せにはならないのでご注意を。ハーバード・メディカル・スクールのサンジブ・チョプラ教授のTedを見たことがある方もおられるかもしれませんが、いわゆる「快楽適応」によって1年後にはほぼ同程度の幸福度に戻っちゃう、ってなことがわかっておりますんで。

以下では、いつも通りダダーっと方法をまとめておきますので、すべてやらずとも今足りてないなーってところから手を付けていっていただければと。

ちなみに、チョプラ先生は、「宝くじよりよっぽど幸せになれる3原則として、以下を挙げておられます。
①自分のダルマ(人生の意味、目的)を見つけること
②Giverとなり、人に手を貸すこと
③感謝の気持ちを持つ(おまけで10年長生きできる)


0. Science of Happiness

まずは英国のブリストル大学などで行われている「幸福の科学」ってプログラムを紹介してみましょう。こちらは2018年から学生の幸福度を高めることを目的として行われているプログラムで、(単位をもらえるというのもあるけど)かなり人気のある授業なんですよね。もちろん内容は専門家でなくても全く問題ないように構成されていて、理論的な背景と実践的なアドバイスが含まれてます。

理論的なところはすっ飛ばして、「じゃあ何すればいいの?」ってのが7点ありまして、これらを順守していればとりあえずそれなりに幸福度の向上は期待できるでしょう。

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