起きている時間が寿命だったなら、私は結構おギンギンだ。
起きている時間を単純に年齢だと換算したら今自分は何歳なのだろうと思った。というのも、私はたぶん人生において、めっちゃ起きてる。本当に目がおギンギン人生なのである。
これはいつもの「言われてからお自覚シリーズ」なのだが、幼き頃からまあ不眠症で、全然眠らない子供だった。おめめ おギンギンチャイルドだったのである。このようにおギンギン人生は結構早い段階から始まっている。
目がおギンギンになると、人はよく働く。
そんなおギンギン人生は、20代前半で幕を閉じることになる。それまではといえば、2日間起き続けて、5~6時間眠るという狂った睡眠リズムで生きていた。
とにかく眠らなくても元気いっぱいだったので、まあ自分はこういう人種なのだろうと特になにも悩んでいなかったのでそのままにしていた。
振り返るとやばやばなのであるが、若い自己認識ほどあてにならないものはないと思っているので仕方あるまい。とにかくそういう風に生きていると人生が長くて仕方ない。その当時の生き方をざっと振り返ってみよう。
とにかく眠りに興味のない私は、学生ということも相まって暇で、退屈で、お金もなくてどうしようもなく自分というものを持て余していた。
もったいないので働くことにした。
とにかく2日間起き続けてみると少しは分かるかもしれないのだが(体調が悪くなるのでおすすめはしない)やたら時間が長い。夜とかもう万里の長城でも上っているのかと思うほど、長い。なんなら気分も別によくない。
そこで学校に通っている時間を省いて、すべての時間に入れられるだけ、バイトを入れた。
思い返せば色々な仕事をした。掛け持ちして、朝から夜まで働き通して2日間がやっと終わった時に、その2日間がどんなものだったか振り返りつつ、達成感に包まれながら眠るのだ。
(やっと終わった…)などと、うとうとしている時間なんて最高だった。ジェットコースターかよ。この当時色々な人に「生き急ぎすぎだ」と言われたのを今、思い出した。ていうか、斬新な生き急ぎ方過ぎて、体張る系の芸人かと思ったのだが。
当時の睡眠とは、私にとって非常に贅沢な時間だったように思う。2日に1度しかない束の間の休憩だったのだからそうなっても無理はない。
「エッセイストは、ショートスリーパーだから向いているよ」
そんな時にある作家さんとしばらくお仕事をご一緒したのだが、その人はエッセイストで後に私の師匠にあたる。その人と喫茶店でお茶をしている時になんとなしに言ってみたのだ。
「私実は昔から全然眠らないんですよ。2日間起き続けて、6時間くらい寝るという生活リズムなんです。だから時間が長くて仕方ないんです」
「そういう人、私も知ってる。本当に睡眠の必要がない人。エッセイストの人や取材の多い作家さんとか、ショートスリーパーの人が多いみたい。だからミランダちゃん向いているよ」
そんなことを言われたものだから、体を大きく壊すまで調子に乗って2日間のリズムで生きていたわけだ。それで、まあ、めっちゃ調子を崩した(笑)
完全に調子に乗っている。むしろ体調崩したのであれば、調子にも乗れていない。これは、まごうことなき若気の至りだ。
人間よ、寝ろ。
振り返れば、現在体がクソ弱なのもこのせいかもしれない。そして今やめっちゃ寝る。おめめクローズド人生なのである。
というか、もう起きていられないの方が正しい。本当に隙あらば寝ている。
だから本当に人間は寝れるだけ、寝たらいいと思うのだ。睡眠に関わらず健康にかかわる全てのことがそうなのだが、負債として体に蓄積されると数年後に後悔してももう遅かったりする。
たぶん、多くの人間は眠らないように作られていないので、人間よ、寝ろ。これに尽きる。寝ないのがかっこいい時代などとっくに終わったし、そもそも寝れないのは心配だ。
現代でモテるのはおそらく、健康なやつだ。人間よ、寝ろ。以上だ。
ちなみに私は、毎日9時間以上は寝ている。おめめクローズド人生に昇格したのだ。私の理屈で行くと、これはモテるだろうなぁ。現代において、モテモテだろうな。真偽のほどは置いておいて、とにかく寝ろ。以上だ。