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That's why I love Canada (2)

前回は"移民国家"だとか真面目な話になった。
今回はもっとラフに。

交換留学生として、現地の学生に交じって授業を受けていたわたし。
授業で印象に残ってるエピソードを書き留めてみる。

ー通勤はスケートでー

あなたの通勤スタイルは?と訊かれると、なんて答えますか?

『徒歩です。車です。電車とバスです。』この程度の選択肢であろう。

いやいや、ここはカナダ。
他の選択肢があるのだ。『スケートで。』

あれはたしか1限目の社会学の授業、
女性の教授がヘルメットとスケート靴片手に教室へ入ってきた。
「今日、スケートで通勤したから、ちょっと遅れたわ、Sorry」と。

冬になると、ダウンタウンから大学まで流れる川が完全に凍る。
そしてその上でスケートができるのだ。
約3kmを超える道のりだが、なんとも気持ちがいいのだ。

私も夜に「スケートナイト」を企画して
授業後に友人たちと大学からダウンタウンまでスケートし、
最後は街のベトナム料理屋さんでフォーを食べ、帰る。(帰りは疲れたからバスで。)
なんてことをしていたのだった。

そんな身近なスケートだったのだが、
まさか通勤・通学にも利用されているとは!!

小さなこどもはベビーカーのソリ版のようなものに乗せられ、
パパとママがそれを押してスケーティング。

スケートで通勤だなんて、『自然×運動×エコ』カナダの調和ったらすごい。
いつも私の予想の斜め上をいくのがカナダだった。

ー分からない方が悪いんじゃね?ー

とある授業での一コマ。
「質問ある人~?」教授が聞くと、一人の生徒が手を挙げた。
かなりのアフリカンなまりの英語で、
慣れない私は「???」となってしまった。
周りの生徒や教授も聞き取れていないようで、同じ反応。

だけど、当の本人は全く慌てない。
「お前らがわからんのが悪いんやで。」くらいの勢いで
独特の英語をとめどなく話し続ける。
先生も必死で理解しようとして、最終的には、話は通じていたようだった。

わたしはこの時、感銘を受けた。
「ある程度発音うまくないと、伝わらないし。」とか
「伝わらなかったら恥ずかしい。」だとか、そんな感覚ちっぽけだなと。

その時から、私の中で英語は【目標→ツール】に変わったのだった。
「発音勉強しなおしたい…かっこよくうまく話したい…」から、
「私もジャパニーズイングリッシュでもええやん!伝わればええやん!」と
マインドが変わり、伝えることを第一に沢山英語を話すようになった。

思えば第一言語が英語でないのなら、うまく話せなくて当たり前なのだ。
そして、そんなことを笑ったりからかったりする者は
少なくとも私の周りでは一人もいなかった。

むしろ黙っていて「この子には意見ないの?」と思われることの方が
恥ずかしいというのがカナダでの感覚。これは私にとって衝撃的だった。


(3)へ続く。


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