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東京で15歳のアイドルと出会って、「このまましぬんだろうな」と思った話

東京に最終面接に行ってきた。交通費の支給無し。親にお金をもらって、新幹線で。
手応え無し。
ここまで頑張ってきたのにあーあと思いながら、せっかく東京に来たんだからと、中野にある雑貨屋さんに向かった。リクルートスーツのままで。

店に着いて、前より増えた商品を物色する。可愛いなあ良いなあって、なかなか選べなくて同じところをぐるぐる周った、慣れないパンプスで。

私以外にもお客さんがいて、私が選んでいる間に、ひとりふたりとレジで会計を済ませていった。
その間、私みたいにずっと商品を物色していた全身ピンク色の女の子。そこに、全身水色の女の子が合流してきた。その子は店長の知り合いみたいで、3人が談笑をし始めた。私は、商品を物色しながら盗み聞き。わざとじゃないけど地獄耳。

そしたら、その2人はアイドルで、全身ピンク色の子は15歳ってことが分かった。

なんかその瞬間、しにたくなっちゃって。
あーこの子は東京に生まれて、15歳でアイドル活動して、髪もピンク色に染めて、メイクもして、平日にお買い物できて、それを親も了承してて。
なのに私は、地方に生まれて、22歳の今就職活動をして、髪は地毛の暗髪
で、うっすいメイクで、面接のために東京に来て。親のお金ではあるけど。

その子たちは好きそうな可愛い格好をしていて、私はリクルートスーツに慣れないパンプスで。
私だって精一杯のおしゃれをして、自分が好きと思える自分でこの店に来たかった。

私が映画監督だったら、リクルートスーツで1人の私と、好きな格好をして談笑している3人を引きで撮って対比を表現するんだろうな。
でも私の人生は映画じゃないから、あの時間が伏線になることも、素敵なハッピーエンドも無いんだよ。

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