熊野に神います~熊野の神をご一緒に

「熊野に神います」というフレーズは、984年に源為憲(みなもとのためのり)が、冷泉(れいぜい)天皇の皇女尊子(そんし)内親王のいわば仏教入門書として書いた三宝絵詞(さんぽうえことば)に登場します。
彼女は後に那智で修行したとされる花山(かざん)天皇の同母姉です。原文は「紀伊国牟婁郡に神います」ですが、これを少し変えてブログのタイトルにしました。原文ではこの後、神の名前が出てきますが、それは改めてにします。牟婁(むろ)郡は、現在の行政では、三重県に南北、和歌山県に東西の牟婁郡があり、紀伊半島南部の広い地域です。熊野の神は熊野本宮大社(本宮)、熊野速玉大社(新宮)、熊野那智大社(那智勝浦町)に祀られています。本宮は平成の合併で田辺市になりましたが、合併前は東牟婁郡本宮町、新宮市には県の東牟婁振興局があり、那智勝浦町は東牟婁郡です。紀伊半島の最南端の潮岬のある串本町も東牟婁郡ですから、本州の最南端にあると言えます。もともと不便な半島の、さらにその端にあるということになります。しかも山に囲まれ、有数の多雨地帯。外部の人間を拒むような場所におられる神様に、治天の君と言われた上皇を始め、様々な人が道中の困難をものともせずに参拝をしたのは驚異的です。困難であればあるほど、参拝して得られるご利益と達成感がより大きなものだったと言えます。幸せを実感できる旅でした。熊野を含む霊場が世界遺産に登録されたのが2004年。世界に認められた熊野の神の世界をご一緒しませんか。あなたも今日から熊野の神のナビゲーター。

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