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2学期最初の道徳は「きまり」について考えた

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二学期が始まって一週間。いや、一週間しか経っていないというのが本当のところだ。本来ならまだ夏休み。黒板に「8月」と書くたびに、愕然とする自分がいる。ここから4ヶ月。本当にもつのだろうか。教師も子どもたちも、いっぱいいっぱいだということを、現場を動かす人たちにぜひ伝えたいものである。

8月の根っこワークの定例会では、中学2年生の「違反摘発」という道徳教材で授業づくりに取り組んだ。あれこれと話す中で、「これは面白い!」となり、何とか4年生の子どもたちと話し合うことはできないかと思い、その翌日から作り始めた。しかし、なかなか「これだ!」というものにはならなかった。それでも、仲間の力を借り、何度か修正を加えたことで形にすることができた。そして、この教材を、2学期最初の道徳の授業にすることにした。

2学期最初の道徳は「きまり」について考えた。きまりを守ることが大切なことはみんなが知っていること。しかし,それが守れない時,守らなくても良いと思ってしまう時が,生きていれば誰にもあることだ。そんな自分と,どのように折り合いをつけるかが大切になってくる。

①「きまりは守るべきです!」と主張するあさひさん
1枚の資料を提示した。あさひさんのおばあちゃんが,急いで病院に向かっていた車にはねられたということに対して,「どんなことがあってもきまりは守るべきだ」「そう思っているのはわたしだけなのか?」という、あさひさんの相談内容。それに対して,ベストアンサーを目指して返答を考える。子どもたちは,この相談内容を何度も読み返しながら,どのように返答しようか考えていた。「あさひさんと同じ気持ちです。たとえ車を運転していた人が,どんな理由だったとしても,絶対にそういう事故は起こしてはならないと思います」と、あさひさんに共感する回答が多くあった。

②「きまりを守らないといけないの?」と主張する山田さん
次に掲示した資料。大好きなおばあちゃんの命が危ないという連絡が入り,急いで病院に向かうが,その途中でパトカーに止められる。その結果,生きているおばあちゃんに会うことができず,「こんな時でもきまりは守らないといけないのか?」という相談内容だった。これには,多くの人たちが「えー?!」「さっきと反対…」「難しい…」とつぶやいていた。数分前まで「きまりを守ることは絶対だ」と考えていた子どもたちには、ガツンとくる内容だったようだ。頭をフル回転させてワークシートに考えを書いていた。「もしスピード違反をしていなければ,生きているおばあちゃんに合えていたかしれないから」と、「きまりは守るべき」という多数派に対して,「この時は,きまりを守らなくてよいと思います。理由は,たしかにきまりは守らないといけないけれど,大好きなおばあちゃんがなくなりそうで,1分でも早く会いたいという意持ちがあるから」という意見もあった。そういった意見に対して、「そうそう」と共感をしたり,「私とは違う意見」,「そういう考えもあったのか」と,友達の意見を聞いたりしながら,いつも以上に真剣に耳を傾ける姿が印象的だった。

最後の感想には、「やはり、どんな時でもきまりは守るべきだ」「場合によっては守らなくてもよい」「正直、わかりません」などの感想があり、「きまり」に対しての見方や考え方を広げることができたのではないかと考えている。

子どもたちの反応。話し合う姿。ワークシートに書かれていること。子どもたちは「きまり」に対して、いろいろな角度から考えることができたようだ。久々に手ごたえのある授業ができて嬉しかった。

ちなみに、今回の授業は、北海道の大野睦仁先生の授業づくりを参考に作りました。

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