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ふむ。【短編小説】

雨が降った日は寒かった。
昨日は曇で寒かった。
今日は比較的暖かい。

右手の人差し指の第二関節、中指側をどこかで傷つけてしまって、ジンジンと痛い。
家でバンドエイドを探したが、大きめのものを消費したあとの、物凄く細いのしか残ってなかった。

残党。
今度買おうなんて思っていて後回し、まあ、小さいので急場をしのぎ、新たに買えば良いじゃん。とかきっと、過去の僕は思っていたのかもしれない。
それすら思ってないかもしれない。
必要なとき、必要なものがあって、それでヨシと。そこにあるのは、残り物。

でもまあ、中指が触れると
「痛っ」
ってなるので、この細いやつを巻く。

出勤前にコンビニで買おう。

で、手を洗うと取れる。
また巻く。
気がつくとプラプラしてる。
また巻く。

小さい。

コンビニに寄ったら、600円超えのしかない。

「え」
飯食えるじゃん。

まあ、小さいのあるし。
「……」

未来の僕よ。
まあ、そのうち治るじゃないか。

これが貧困な日本の実態とかつぶやき、悶々。
結局、昼休みに薬局で、二百円代のを見つけ購入。

ふむ。

なにが、ふむ。

「……」

今日は比較的暖かい。


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奥田庵 okuda-an
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