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有料メルマガライブラリから(525)「投資環境が悪化している時は、株式投資の目的を再確認する」

 有料メルマガ・石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」の過去配信ライブラリ「銘柄研究」「コラム」のうち、コラムの一部を掲載いたします。
 自立した投資家、石川臨太郎のコンテンツをお楽しみ下さい。
 なお、内容は執筆当時の背景に基づいており、現在の状況と必ずしも一致しないことを予めご了承下さい。


=コラム「投資環境が悪化している時は、株式投資の目的を再確認する」=
 (有料メルマガ第171回・2012/5/22配信号)

※注 2012年5月現在の内容ですので留意下さい。


【前略】


 2011年と同様に、2012年も3月までは株式の投資環境は良好で、誰でも利益を出せそうな楽な状況下にあったと、今になれば思えます。しかし、2011年は東日本大震災と原発事故、2012年はギリシャを発信源としたユーロ財務危機が株式市場に嵐をもたらしました。このような危機の時には、リスク管理も重要ですが、自分が株式投資を行う目的も普段以上に意識して、その目的のために、現在のリスク管理で充分かどうかを検討する必要があると考えています。

 自分のライフステージや、自分の収入の状況(=サラリーマンであれば働いている企業の状況、自営業ならば自分の事業の状況)を見直して、投資以外の収入状況を確認する。更には家族の状況(=子供の進学や結婚、親の介護など)にも気を配らなければならないと考えています。

 自分を取り巻く経済状況を充分に把握しておかなければ、投資環境が改善したとしても足元をすくわれてしまうこともありえます。

 私は、賃貸不動産の家賃収入とともに、株式投資の配当などインカム・ゲイン収入で生活費を確保することを目的として、株式投資をしています。株式投資ではインカム・ゲインに加えてキャピタル・ゲインにも期待していますが、生活費を安定的に確保するという目的のためには、変動が激しいキャピタル・ゲインよりは、予想しやすいインカム・ゲインに重点を置いた銘柄に投資したいと考えながら、投資対象を選ぶように心がけています。

 私のことを例にすれば、60歳まであと2年弱となり、私的年金にも資金を投下してきたので、60歳からは少しずつ年金という定額の安定収入が入り始めます。

 年金収入は段階的に、少しずつ増えていき、自分だけでも60歳から65歳まで、少しずつ増えます。また妻が60歳になり65歳になるまでは、妻の年金も入り始めます。

 しかし自宅を建ててから15年以上経過して、これからは自宅の手入れや自動車の買い替え資金など、一回のイベントで100万円を越えるような大きな出費も段階的に出てきます。

 このような安定収入の流れと、予想される大きな出費の流れを把握しながら、投資環境も考え合わせて、株式のポートフォリオの力点をどのようにするか。インカム・ゲイン重視の銘柄の比率を増やすか、キャピタル・ゲイン重視の銘柄の比率を増やすかなど、投資銘柄の比重も考えて、投資の方針を変化させています。

 このように考えていても、自然災害や世界経済の混乱から、株の価格が大きく下がり、運用成績が悪くなると、どうしても株価の上げ下げに意識が向いて、本来の自分の株式投資の目的にそぐわない銘柄選択を行なっているような状況にはまり込むことも起こります。

 いつでもそうですが、投資環境が良いときには需給に対する意識が低下してしまいます。現在まさに流動性リスクが顕在化して、出来高の小さな財務内容の良い、高配当(または高配当優待)利回り銘柄にも、大きく株価を下落させる銘柄が多く出てきました。

 投資環境が悪化するほど、小型株は出来高が小さくて、ほんの少しの投資家の投げで株価が大きく下落するリスクがあります。通常の時には、このような銘柄には投資する人が少ない為に、投資環境が少し悪い程度では投売りして逃げる投資家はそれほど出ないので、株価は流動性の高い銘柄よりも安定しています。そして危機の初期の段階では、あまり株価が下げない傾向も見られることが多いです。

 このような銘柄には、その企業の特性を良く知っている一部の投資家しか投資していないことが多いので、短期のトレーダーなどが入り込んでくる可能性が低い点も、株価が安定している(=残念ながら低位安定となることが多いですが…)のだと考えています。

 ところが、地震や洪水などの自然災害や、テロや戦争などの人災、経済危機などにより株式投資への不安が長く大きくなると、利益が乗っている投資家が、『今のうちに利益確定して、現金に換えておくべきだろうか…』と考える瞬間が起こります。多くの投資家がそのように考える時期は、小型株でも大型株でも一致することが多いです。そうなると、小型株は出来高が薄く小さいので、売りが売りを呼び、大きく下がる可能性が高くなります。

 先週も日経225がプラスでも、小型株には暴落した銘柄が多い日もありましたが、小型株のほうが下げがきつくなることも起きてしまいます。

 厳しい投資環境ですが、発想を逆にして考えれば、私のようなインカム・ゲインを好む投資家にはチャンスの時でもあります。3月までは投資環境が良好だった為に売却益も充分に出し、税金も発生しています。

 自分の投資した銘柄ばかりではなく、株価が下がればポートフォリオに加えたいと考えてウォッチしている銘柄にも、大きく株価を下げる銘柄が大量に出てきます。

 自分のポートフォリオ銘柄と比較して、持っている銘柄より割安で、高配当(または高配当優待利回り)で、配当や優待の貰える時期が早い(=配当や優待の権利月が近い銘柄)、流動性も相応に有る銘柄に資金をシフトするように資金移動を行なうことも出てきます。配当や優待の権利日が近くなると、投資環境が少し良くなっていれば早く株価が回復する可能性が高いと考えての投資行動です。残念ながら、先週は5月末に配当や優待の権利日がある銘柄さえ、大きく下落するものがありましたから、絶対とはいえません。投資家の欲より恐怖のほうが上回れば、そのようなことも起こります。

 手持ちの銘柄より自分の投資基準で比較すると、優れていると考えられる銘柄が見つかると、自分の投資している銘柄の買値や買った時期に囚われず(=買い値より大きく下げて、売ると売却損が大きく出る時でも)、むしろ損を出して、税金を取り戻す目的を持ち、銘柄の入れ替えを行なっています。


【後略】


経済的独立ワクワク!サポーター 石川臨太郎


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