私の世界


私たちが生活しているこの世界にあるものはそれぞれの目を通じてみんな見ることが出来ます。それは目を開けている時の世界です。
目を閉じている時の世界に何が見えているのか。
私は皆さんのその世界を見ることができないし、皆さんは私のその世界を直接見ることができません。

自分以外の誰にも手を加えさせることができない世界を私たちはそれぞれ一つずつ持っています。
その世界では時間も距離も越えた不思議なものをみることができます。
しかし、目を開けた世界で生活していたら、目を閉じている世界で見たものがどんなに鮮烈でも瞬く間に消え去ってしまいます。
そんな危うい世界を描き止めたいです。
私だけが知る世界を見てもらえたらなと思います。

目を閉じてそこに見えるのは私が知らない、私だけが知ることを許された世界です。
その世界にも星があって誰かがこちらを見ているのかもしれません。
この現実の星と、私と誰かの星と、そのだれかの現実の星、色んな星がちりばめられています。
たぶん私はこのドローイングの景色をもう二度と見ることができないと思います。
私の世界のどこかにある星のどこかにいるだれかをここに織り込んでつなぎ止めたい。

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