お香のメリット
お香には10個のメリットがあると古くから言われています。
中国北宋時代を代表する詩書家である黄 庭堅(こう ていけん)が残した詩に“香十徳”(こうのじゅっとく)というものがあります。これは、お香の良いところを10個挙げた詩になっています。
日本では“一休さん”で有名な、室町時代の僧侶である一休 宗純(いっきゅう そうじゅん)が、この香十徳を広めたようです。
一休さんがいた大徳寺は香道の志野流と関わりがあったと言われています。また、仏教においてお香は重要であり、焼香や塗香などのお香を使う習慣があります。そう考えると、一休さんはお香に関わりが深く、その良さを実感していたからこそ、香十徳を通してお香の良さを伝えたのだと思います。
香十徳
感格鬼神 清淨心身 能除汚穢 能覺睡眠 静中成友
塵裡偸閑 多而不厭 寡而為足 久蔵不朽 常用無障
黄 庭堅
香十徳は、華厳経(けごんぎょう)の巻十一説にある塗諸妙香具十功徳(塗香十徳)を参考にしたのではと言う話もあります。
この短い40文字にお香の徳が凝縮されていますので、一つ一つ見て行きましょう。
香の十徳の現代語訳
1.感格鬼神(かんかくきじん)
感覚が鬼がかって研ぎ澄まされる
2.清淨心身(しょうじょうしんじん)
身も心も煩悩などがなく清らかになる
3.能除汚穢(のうじょおえ)
臭い匂いを取り去ってくれる
4.能覺睡眠(のうかくすいみん)
寝るときには安らかに眠れ、起きるときには目を覚ましてくれる
5.静中成友(せいちゅうじゅうよう)
孤独による不安を鎮めてくれる
6.塵裡偸閑(じんりゆかん)
心を落ち着かせてくれる
7.多而不厭(たじふえん)
多く使っても飽きることはない
8.寡而為足(かにいそく)
少なくても香りは十分にする
9.久蔵不朽(きゅうぞうふきゅう)
長く保存しても傷むことはない
10.常用無障(じょうようむしょう)
常に使っても体に害はない
昔の人はお香の良さを感じていた事がよくわかりますね。
古くより作られているお香の原料は、薬として使われる生薬を原料としています。
中国での漢方の考え方の中に“医食同源”と同じように“医香同源”と言う言葉があります。
これは、昔の方がお香を使い、焼香やお線香という形で生薬を香りという形で体に取り込むことや、塗香として体に塗ることで心身を整えていたという話のようです。
世の中には多くのお香があり、リラックスできる空間を作ってくれるものや、集中力を高めてくれるものなど様々です。用途に合わせた自分の好きな香りのお香を見つけてみてはいかがでしょうか。
私が日ごろ使っているお勧めのお香を紹介します。
天然原料だけを使うことにこだわって作られた「ことのは」です。
落ち着きたい時によく焚いています。
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