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大河内健志短編集

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#短編小説

プロローグ『仮面の告白 第二章』

時代が変わった。令和になった。 かつての私は、昭和の代名詞となってしまった。 小説家を超…

大河内健志
2か月前
5

短編小説「地下鉄が黄昏の鉄橋を渡るときに思うこと」

やっと一日が終わった。帰りの地下鉄御堂筋線は、混み合う。 特に淀屋橋から梅田方面に行こう…

大河内健志
2か月前
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すべてはシナリオ通りに『仮面の告白 第二章』

時代が変わった。 昭和が終わって、平成になり、やがて令和になった。 かつての私は、昭和の…

大河内健志
3か月前
7

私は生まれ変わった『仮面の告白 第二章』

私は生きている。 賢明な読者なら、もはや説明することはないと思うが、『豊穣の海』にその手…

大河内健志
3か月前
12

短編小説「行く当てのない旅に出てしまったボク」

耳鳴りがするほどの静寂。 何も聞こえない。 吸い込まれるような暗闇。 もう何も見えない。…

大河内健志
3か月前
6

短編小説「目を閉じて広がる景色」

遠くで若い女性の引き裂くような叫び声がした。 全身に鉄の鎧をまとった大男がベッドの周りを…

大河内健志
3か月前
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連作短編小説「雪ふる京のうつろい」『白木の棺』

帰りが遅そうなるというてはりましたが、主人はまだ帰ってきはりません。 夕方から、雲行きがおかしいと思っておりましたら、陽が暮れてから雪が降って来ました。 この季節に粉雪は珍しくありませんが、今夜降っているのは牡丹雪です。 庭の松に、牡丹雪が降りかかって、かさかさと音を立てております。 庭を見れば、一面の銀世界です。 もうだいぶ積もってきていることでしょう。 お供を連れているとは言え、年老いた身には寒さも堪え、足元もおぼつかなくて難儀しているのではないか気が気でなり

短編小説『流氷の鳴き声』

彼女がさっき言った「自由」、どういうことなのだろう。 確かに、彼女は札幌に出てきて「自由…

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キャンドルライトの不思議な力(『天国へ届け、この歌を』より)

「貴島支社長、お願いがあるのですけど・・・。電気を消してもいいですか?」 親子ほど年の差…

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ダイヤよりも、光り輝くもの。

いつもは、温和な社長が、珍しく怒っています。僕は、初めてこんなに怒っている社長を見ました…

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新説坂本龍馬暗殺 5話 あとがき

この作品を読まれた坂本龍馬ファンの方は、さぞかしがっかりされたことでしょう。誤って同士を…

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