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岡崎武志『読書の腕前』

一週間ちょっと前に読み終わった本。

この本の感想を述べるために、わざわざ自分と読書について、振り返って書いてみました。

なぜなら、私にとって読書は生活の一部の娯楽で、読書するために読書する気などさらさらなかったのです。「読書するための読書」って本末転倒というか、その本読んでる時点で読書してますやん、って感じでおもしろいなとか思っちゃう。『読書の腕前』なんて、「え??読書に腕前が良いとか悪いとかあるん?」っていうのが読むまでの感じでした。

でもまあ、夫が大学生の時に読んだおすすめ本だと言うので、読んでみることに。

だいぶ余談ですが、「私がハリーポッターを読んだことがなくて、読む気もない。」ということに対して、付き合い立ての当時彼氏だった夫が、「そんな人とは別れる!」的なことを冗談で言ったので、「じゃあ別れよ!車から今すぐ降ろして!!!」的なことを言って憤慨した私と大喧嘩になったことがあります。笑 今はハリーポッターもそのうち読んでみようと思っています。

読んで思ったのは、私は読書を軽んじていた!!!!ということです。「読書」という行為について、全然考えてこなかった自分の浅はかさが恥ずかしくなりました。

どんな本を、どこで、どんな風に読んでいるのか。「他人の読書」って結構興味深いんですね。

『読書の腕前』にすごく共感できる部分もあれば、私はそうは思わないぞっていう部分も当たり前ですが、ありました。

その中で私が一番心惹かれたのは、「見知らぬ土地で本を読む贅沢」。

私旅行や散歩が好きなんですよ。一人旅(1泊2日)に分厚い小説とともに出かけたこともあるし、本を持って散歩に出かけて、近所の公園や神社で読むこともある。面白いのは読書好きな人って、旅行と散歩が好きな人が多いんですね。私の周りにはいなかったので、そんな人と友だちになりたい!って思いました。(笑)

私も旅のお供として本をどこにでも持ち歩いていますが、逆転の発想だったのが「本を読むための旅に出る」ということ。何たる、贅沢。。。これが読書や本を大切に考えている岡崎さんと私との圧倒的な差やな、と感じました。もう今すぐにでも「本を読むための旅」に出たい、と思いました。

ベストセラーについての考え方も結構似ていました。私、ベストセラーに全然興味ないんですよ。(ハリーポッター然り。)みんながおもしろいと言う、よく売れているからといってそれは私の読みたい本ではない、という頑固な人間でして。岡崎さんがベストセラーは10年後に読むと、その時代の象徴として読めるからそういう意味ではおもしろい的なことを言っておられたので、それは共感でした。

思えば、私すごく雑に読書をしてきたなと思いました。自分のその時々の感性、直感に任せて選書し、読む、をひたすら繰り返していました。本屋さんで気になるタイトルや装丁の本を手に取って、適当にめくったページの逆から読む(本格的に読み始める前に場面として頭に入れたくないので、文体や描写が自分に合うか読み定めるため)、それで気に入った本を買うのが私のスタイルです。

そんなある日、人生で初めて「好きな作家さんは?」と夫に聞かれて困ったのです。あまり作家さんを意識して読んだことないなぁ、、、と。そのあと読書ノートを見返したり、意識して読書する中で、どの作品も大好き!と感じた作家さんが、江國香織さん、西加奈子さん、吉本ばななさん、重松清さん、原田マハさん、森絵都さん、、、、、まだまだいるのですが。好きな作家さんを見つけると、読んだことない本はほとんど100%、いや時として150%くらいおもしろくて、自分的大ヒット!はずれなし!というある意味当たり前のことに気付いたのはつい最近なんですよね。

ちょっと話が脱線しましたが、読書が好きな人の本を読むのって想像以上におもしろかったです。このnoteで本について書かれている記事を読むのも似たような感じで、最近はすごい楽しい。

「人生と読書」第二章の始まり、という気がしています。

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