見出し画像

散歩という時間

夜に向かっていく空が綺麗だったので、散歩に出かけた。
外に出るとむわっとした空気がまとわりついてくる。じっとしているだけで、汗が滲んでくる。でもこの感じが嫌いじゃない。

大きく息を吸い込むと、生きている木や葉っぱの匂いが身体に入り込んでくる。
セミの声がけたたましい。
空を見上げるとコウモリがたくさん飛んでいる。東京ではコウモリが飛んでいるのなんて見たことなかったから、初めは大量に飛んでいるコウモリが何なのか分からなかった。

緑の匂いとセミの声に囲まれながら、足を進める。どこまで歩こうか。
私の家の近くには川が流れている。私はこの川沿いを歩くのが好きだ。橋から川と山が見えるのが綺麗だし、春には川沿いにずらーっと桜が咲くのもいい。それに、昔から川沿いを散歩するということに憧れを抱いていたので、念願叶って嬉しく思っている。

今日も川沿いを歩いた。一人で歩きながら色んな考えが湧いてくる。もうすぐ東京から引っ越してきて1年が経つこと。今の仕事があんまり自分に合っていなくて、ちょっと辛いこと。心をすり減らしながらも安定した生活を続けていくのか、それとも勇気を出して今の環境を飛び出して自分の道を作っていくかということ。なかなか上手く周りに馴染めないこと。自分の理解力が低いこと。noteに何書こうかなということ。今日買ったバターナッツをどう調理しようかということ。最近肉がついてきたお腹を引き締めたいこと。

とめどなく色んなことが頭の中に湧いては消え、時々手に取って眺めて、そしてまた湧いては消えていった。何にも邪魔されず、ひたすら足を動かしながら自分自身と会話する時間。こういう時間ってやっぱり必要だし、悩みが解決される訳ではないけれど、なんとなく頭の中が浄化されるような癒されるようなそんな感覚になった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?