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19.5.2020

前にも少し書いたことがあるんだけど、私の働く会社では、週に二度メバーン(お手伝い)さんに来てもらってトイレや会議室の掃除をしてもらっている。
メバーンをどうやって探そうかとなった時に見知ったおばちゃんに頼んだら快諾してくれて、友だちと一緒に行っていいか?と言うのでこちらももちろん快諾した。
タイ人はさみしがり屋なので、稼ぎが半分になっても誰かと一緒に来たいんじゃないかなと勝手に想像してる。

おばちゃんたちは終業時間間際に来て社員が帰ったあとに掃除してくれる。ベルが鳴るまで会議室でゆっくりしているおばちゃんたちが、トイレに行くと自動的に目に入る。

今日はふたりで自撮りしてた。
たぶん50代後半とか、それぐらいのおばちゃんふたり。
ふたり一緒に、ひとりで、何度も何度も撮っていて、タイ人だなーと、かわいいなぁ、と思いながら横目で眺めて通り過ぎた。

そして
昔のことをふと思い出した。母のこと。

母は私が24歳ぐらいの時に離婚した。「子どもと自分の親の世間体のために」我慢して我慢して妹が成人してからやっと離婚した。
母にとっては父がはじめての恋人で夫だった。

離婚後ほどなくそんな母に年下の恋人ができた。
はじめて父以外の恋人ができた母は盛大に浮かれた。
そのころ私は東京に住んでいたのでたまの帰省でしか母といることはなかったけど、暇があれば苦手な携帯でメールを打ち、自撮り写真を撮っていた。
何枚も撮った自撮り写真を「これはかわいくない」などと言いながら厳選しメールで恋人に送る母。
「この間すっぴんかわいいって言われたの」と頬を染める自分の母親を、20代の私は「きついなー」と思った。
恋する母に少なからず嫌悪感のようなものを感じた。

母親なのに
いい歳して
恥ずかしい、と、そう思った。

母の恋人だった人は、若くしてがんで亡くなった。
それから毎年欠かさずお墓参りに行く母に、何度かつき合ったことがある。
春には見事な桜並木になる坂の上の小高い見晴らしのよい墓地で、母はいつか自分が死んだらここにお墓を立てて欲しいと言っていた。

自分が歳をとったからなのかタイに来たからなのかわからないけれど、
「〇〇なのに」「〇歳なのに」みっともない、なんて言葉に今は嫌悪感を感じるようになった。

恋人が生きていた時の母のことを、今だったらきっとかわいいと思うだろうな。

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