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おこめちっくタイランド①~

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エッセイ4コマ。過去作品も読みやすいようにまとめてみました。とりあえず更新したら追加していきます。いっぱいになったらまたマガジン作るかもです。
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#4コマ

おこめちっくタイランド21

*** タイで暮らすようになってはじめての美容院。 色んなことがはじめての経験だったと思う。 自分の頭部から聞きなれない音と感触が伝わってきて、背筋がぞわっとしたことや、 午後の日差しの中キョロキョロしながら走ったのを覚えてる。 以前マンガにも描いたけれど、私の母は美容師だったので、高校を出て東京へ行くまではずっと髪のことは母にやってもらっていて、東京へ出てからもなるべく帰省した時にやってもらうようにしていたので、私はあんまりよその美容院慣れしていなかった。 いや慣れ

おこめちっくタイランド⑳

お散歩してたら、偶然見つけたホームステイ先から歩いて5分くらいの床屋さん。 舗装されてない路地を少し入ったところにある、自宅の軒先であろうほぼ野外のお店。 今はもう見慣れたけど、外に当たり前のように置かれているソファも家の中に停めてあるバイクもこの頃はまだ新鮮で、何故かでかでかと貼られた牛丼の日本語のポスターまでおもしろかった。 あの辺りで日本の牛丼を食べたことある人はどれぐらいいるだろう。 鶏の鳴き声がして、草木のにおいが心地よい風で運ばれてくる。ぼーっと待ってるのも

おこめちっくタイランド⑲

この製品を食器として用いるのを初めて見たので、つい戸惑ってしまって、ママを不機嫌にしてしまった。 たしかに機能はザルと同等であり、たとえ普段は本来の使い方をされていたとしてもキレイに洗えば問題ない。 ないかな。ないよね多分。 ただまぁなんですか。 見た目ってけっこう大事かもな~~と思ったし、 タイ人のマイペンライ精神はすごいな~~と思った。 お蕎麦は美味しかったです。 気分的にね、ちょっとアレだったけど、美味しかったよ。 食事の用意をしてもらって文句を言うなんて言語道断

おこめちっくタイランド⑱

ずっと当たり前だと思っていたことが、一歩外に出るとそうではないことってきっとたくさんあって。 これもそのひとつだったりする。 日本の識字率って高いんだなぁ。読み書きができるって、ごくごく当たり前のことだと思ってた。 タイ人のことだからおおげさなに言ってるのかと思ったら実際に読み書きのできない子はいるみたいで、私立は別かと言えばそうでもないらしい。田舎だからだろうし、もちろん多くはないんだけど。 先生もそこをなんとかしようとか個別にはやってくれないんだろうね。親が危機感を

おこめちっくタイランド⑰

驚いてばっかりであれなんですけど、これにも心底驚いた。 要らないの?本当に? 私、見ず知らずのしかも外国人ですけど大丈夫ですか? これが田舎クオリティなのだろうか。 多分バンコクではあり得ない、ような気がする…(ちょっと自信ない) パスポート要らないなんて、身分を証明しなくていいなんて、いいんだ。いいの? 日本人だって言ってるけど嘘かもしれないし、悪いことしてどっかから逃げてきたのかもしれないのに。 「OKOK。いつから来るの?明日?」だって。 タイ語ができるのかどうか

おこめちっくタイランド⑯

甘ァ~~~~~い!! と思わず脳内で叫んだのは言うまでもない。 まさに脳天直撃。 はじめて自分でオーダーし、作る現場を眺めた時の衝撃。(あれなんかラッパーみたい) すごいというか、なんというか。 タイは本当に何でも思い切り良く投入する。 タイに来てすぐの頃は、フルーツシェイクにハマって毎日のように飲んでいた。 だって日本では贅沢の部類だったフルーツを目の前でざくざく切ってミキサーでガーッとしてくれて、100円もしないなんて天国じゃない?(地方価格です) そのうちにチャ

おこめちっくタイランド⑪

ママは本当に料理上手で、ママの作るものは何だって美味しかった。 日本料理と全然違うタイ料理なら比べようがないのだけど、卵焼きのような自分でも作る料理だとその違いがはっきりとわかって驚く。 なんだこれは。私の知ってる卵焼きじゃない。 こんなにジューシーでごはんのすすむ卵焼き食べたことない! 息子さん1のがっつきようがまたことさらすごくて、これは是非ともマスターしたい!一体どうやったらこんな卵焼きを作れるんだろう? と、ママにレシピ伝授を懇願。 タイの一般的な家庭やお店だと

おこめちっくタイランド⑩

ホームステイ先のおうちの隣は、公立の小中学校だった。 なーんにもないのどかな村の学校は、休日も子供たちの遊び場。 なーんにもないのどかな村に外国人がいるのも珍しいのか、子供たちがしょっちゅう門のところへ来ては遊ぼうよと誘ってくれて、とても有難かった。 息子さん1より少し大きい子から、中学生くらいの子まで。男女入り混じって遊ぶ子供たち。中には兄弟もいたりして、なんだかいいなぁフフフと眺めておりました。 サンダルとは思えないほど軽やかに駆ける子。 するすると猿みたいに木

おこめちっくタイランド⑨

それは私にとってとてもとても、新鮮かつ印象的な景色だった。 見たことがなかったから。 目視できることに驚きと感嘆と、それから妙な安心感を覚えた。なんて近いんだろう。隔てるものがほんの少ししかない。 ちょっと足を延ばせば簡単に届く距離。 隣の国がこんなに近いなんて。 向こう岸にはたくさんの濃い緑と、小さな家やお寺が見えた。 高い建物はほとんどなくて、それがまた良かった。 川からの風が心地よい。 何時間でも眺めていられそう。 メコン川に架かる友好橋。あれを渡ればラオスな