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九州のだいたい真ん中から島根の離島へ実験的に引っ越した猫と住む人/日々の棚卸し/好きな…

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九州のだいたい真ん中から島根の離島へ実験的に引っ越した猫と住む人/日々の棚卸し/好きな飲み物は日本酒とワイン

最近の記事

山奥から離島へ

人生の最期のときまで九州から出て暮らすことはないと思っていた。 生まれ故郷こそあまり好きになれないまま大人になってしまったけれど、大切な場所や人がたくさんある九州でずっと生きていくもんだと。 でも今、ひょんな事から島根の離島で猫と暮らしている。 やってきたのは8月31日の夜、まだ2ヶ月も経っていない。 「ひょんな事」と綴ったけれど飾らずに言えば「たまたま」この島に来たというのが正しいのかもしれない。 今年の2月末まで熊本の山奥にある温泉宿で働いていた。 3年半とい

    • コーヒー4杯目 16:35

      転職活動が佳境に入っている 20社近く応募して面接に至ったのは半数、そのうち6社ほどから内定をもらったがここに身を置こうと思うまでは至らず ただやっと、相性の良さそうな企業がみつかり来週早々、面接の機会を与えられた 良いご縁であることを願いながら、たまに来るコメダ珈琲で履歴書と経歴書を打ち込み既に2時間強 背中が強張ってくる感覚に何度か背伸びをして、そのたびにドリンクの注文を入れ、ちょうど4杯目のコーヒーでお腹が膨れ上がったところだ 3月末にこの土地を去る計画だった

      • 残り140日のきょうは休日

        2ヶ月ぶりの美容室 朝8時に出発して11時の予約に間に合わせる とても眠い どうにか化粧はしたものの前髪を巻く時間はなく、更には車にスマホを忘れたまま来店 慌てっぷりが可笑しかったのか、席について開口一番「とりあえずなんか飲みますか」と言われ何故かすこし申し訳ない気持ちになる 久しぶりに逢った担当美容師さんは、先月新しい資格を無事に取り活き活きと働いていた 日頃、温泉でパサついた髪を今日も高い技術で蘇らせてくれる シャンプーの間すこし寝ていたようで「起こしますよ

        • あした語る言葉について

          やっと明日、職場の同僚たちにここを去ることを話す機会ができた 同期の一人を除いて、まだ、誰も知らない この夏退職した出っ歯の元同僚スタイルを見習い、少し早めに周知することにした 半年もないけど残り数ヶ月の猶予をお互いに設けることで、今のうちに出来ることをしっかり見極め実践できるのではないかと思う 何事も準備期間は大切だ 現在進行形のものや最近はじめた新しいプロジェクトなど、出来るだけ関わり力を尽くそうと決めている 形に出来そうなことがまだ沢山あって、会社は過渡期の

        山奥から離島へ

          オレンジ色

          昼前になって、ようやく目が覚めた 前日までの疲れを引きずったのかわたしにしては珍しく10時間も眠っていたらしい 重い身体に鞭打って歯を磨き、顔を洗い、水道から勢いよく水をコップに注ぐ 一度では乾いた喉は潤わずにもう一度注いだ のろのろと準備をし13時を回ってやっと外へ 来月の頭、1日だけ本屋になる 古巣で行われている毎年恒例の一箱古本市 新しく知り合った本屋の店主に後押しされ、今回は買う側から売り手へなることにした 引越し前に荷物整理をしなければいけないから、

          オレンジ色

          残り172日間でわたしに出来ること

          今日は給料日 いまどき手渡しで、給与明細と現金の入れられた茶封筒をいただくシステム 明細を確認してサインをし、封筒から現金を取り出して紙幣と小銭を数える毎月の儀式 給与の受取り時間は短いものの、近況報告や仕事への思い、要望など個々人との対話を織り込んでくれる会社だ 先月は話せなかった退職の件、社長ともやっと共有することができて一先ず安心 一般企業では事前に転職することを伝えるなどタブーなのだろうけど、この会社は次のステップに踏み出すことに伴走してくれる特殊なタイプだ

          残り172日間でわたしに出来ること

          いつもの人、はじめましての人

          久しぶりに美容室へ 早めに出発してまもなく到着と思いきや、都市高速で緊急工事とやらの渋滞につかまり更に店の付近で駐車場がなかなか見つからず予約時間を過ぎてしまった いつも同じ担当の美容師さん ここへ移住するより前からわたしの髪を手入れしてくれている 外出自粛中に5キロ肥ってたけど、なんとなくはじめた筋トレにハマり最近また元通りの体型に戻ってスラッとしてきた 洋服が大好きな人なので体型には厳しい 夏に職場内でしたキャンプや、4歳の娘さんのこと、月末に取る新しい資格の

          いつもの人、はじめましての人

          休息日

          タイヤ交換と点検の終わった車を取りに山を2つほど越えて街へゆく 朝一出発しようと思っていたけど二度寝してしまい出発は昼前になった 代車の黄色いゴーカートを返却して馴染みの相棒に乗り換えた時の安心感たるや、もうお尻の痛みを感じないしハンドルのグリップもばっちりで遠くに行きたくなる けれど7連勤した身体は早く帰りたそうで、暫く走ると眠気襲来 帰りながら大きめの商業施設に寄り「今日は自分を甘やかすぞ」と息巻いて、ラム肉やチーズ、ちょっといい値段のするタルトケーキやらも買い込

          休息日

          あやふやでもいい

          自然豊かな、というか自然しかないとも言えるこの土地での生活にゴールを定めた ざっくりと来年の春 車は年内で手放すことにして、仕事が決まり退職するまでは同期の子に臨時で車を貸してもらえる交渉に成功した いまの仕事、まだまだ好きだ 正直「大好き」とは言えないまでも面白さはずっと体感しているし可能性も大いにある ただ、身体がこれ以上つらくなると折角まだ面白いと感じている仕事が嫌なものに変わってしまうだろうから、その前にまた新しい場所へ踏み出そうかと それに、これは経験上

          あやふやでもいい

          このさき何処へゆく

          今朝、居住地の気温は17度 もう夏が終わりを迎えるらしい 先月のはじめにやっと始まったと書いていた季節は駆け足で遠のいてゆく ちなみに昨晩の帰り道には鈴虫の鳴き声が耳を掠めた 以前住んでいた土地は10月になっても気温が高かったから、もし此処へ越してくる前のわたしが聞いたら夏の短さに溜め息ついて羨ましがるだろう 数日前、何か踏んでしまったのか車の後輪がパンクしてしまい今日はタイヤ交換のためディーラーを訪ねた 時間がかかりそうなので代車を借りるも目の醒めるような蛍光色

          このさき何処へゆく

          大切な場所が続くということ

          8月18日 友人のレストランが12周年を迎えた 通いはじめてどれぐらい経つだろうか もう長い付き合いになる 久しぶりに街へ行き、今年も花屋へ寄ってから閉店間際の店へ向かう この御時世でも、いやむしろこんな時代だからこそとも言えるのか、その味や店の雰囲気が醸し出す癒しを求めて多くの人で賑わっている 「70歳まで続けたい」と力強く語っていた 28歳と23歳ではじめたレストランは 40歳と35歳と4歳、新たなスタッフ2名も加わり今日も続いている 一方で、コロナ禍で

          大切な場所が続くということ

          ほんのすこしでもいいから

          真夏だというのにカサカサの両手 日々ふれる消毒液のせいかもしれない、という自分なりの解釈を採用しちょっとだけお高いハンドクリームを買った こんなご時世、大変な時ついキツイ言動を見聞きしたり自分からも出そうになったりすることがある ただ しんどくて苦しくても 優しくありたい 眉間にシワ寄せるより 目尻さげて笑いたい 大切な人たちとは画面越しよりも 逢って顔みて話したい 久しぶりの通い馴れた美容室 気分転換にと、何年ぶりかに前髪をつくる おでこが狭い故バラ

          ほんのすこしでもいいから

          吉報

          田舎の花事情は派手だ 畑の脇にハイビスカスが植わっていたり、紅白のサルスベリが家を囲うように満開だったり、大きな百合の花が塀に沿うようにたくさん咲いていたり 目に映るほとんどが山や畑なだけにパキッとした原色めいた花はちょっと浮く しかし、ここが生活している場所だからそう見えるのか、案外景色に馴染んでしまう または田舎ってそうゆうものという出典の分からないうっすらした記憶からなのか、その派手さ故に田舎らしさを醸し出してくるから不思議なものだ 一方、山々に自生する野花は

          食べること と そのまわり

          陽が長くなってきたと思ったのも束の間 気付けば、少し前までまだ明るいと感じていたはずの時刻は段々と夜を連れてくるのがはやくなっていた 立秋を迎えて空にはトンボの群れ ちょっとおっかないぐらい飛んでいる 裏庭で育てているトマトやピーマンの花を目当てに小指の爪ほどの小さなハチが忙しく飛び交う 去年は水やりをサボって枯らしてしまったけれど今年はまめに世話をしたお陰か豊作 昨日の朝はひさしぶりに雨が降った 仕事の勤務時間が少々特殊で、だいたい昼間の3時間ほどは各々自宅へ

          食べること と そのまわり

          好きなのは冬、でも。

          傷跡のように強く残る記憶はいつも暑い季節 初めてひとり遠くへドライブした日 君のことが好きだと言われた日 仕事場で大怪我して救急車に乗ったあの日も 急に決めた引越しや 未だにふっと締め付けてくるような別れも そういえば暑い暑い夏の記憶だった 冷え込む季節に刻まれた記憶は 割と温かくて、後から勇気をくれたり心を休めてくれる出来事 今年の夏はどんなコトに出逢えるだろうか

          好きなのは冬、でも。

          例年にないほどの雨が降っていたはずなのに季節はまだ正常を保っているようで無事8月になった 梅雨明けした空は明るく風が心地良い 庭で育てている野菜が急速に色付き出す やっと夏を迎えたと安堵したけれど、あと一週間もすれば二十四節気でいう立秋を迎える 風は気持ちいいのだが日中は30℃を越えた この土地の短い夏のはじまり 暑いのは心底苦手だけど、今年は少しくらい楽しむとするか 唯一救いなのは仕事終わりのアルコールが驚くほど美味しい季節だということ 夜空が明るい まも