僕が最近の森高ルッキズムに不安を感じる理由

森高千里さん、53才の誕生日おめでとうございます。

今回は苦言という名の雑文になります。対象となるのは53才の森高の容姿を極端に持ちあげる人々です。

僕の大前提として、森高は本音を話す人だと思っています。逆にいうと、思っていないことは言わないタイプ。

森高が2018年ブルーノート東京でのライブのMCで「オバさんにならないとか、かわいいとか書かれるけど、そういうのはもういいです」とか言ってて最強だと思った。

— 𝙇𝙤𝙢𝙖𝙍𝙤𝙘𝙠 (@oknotok19972017) March 4, 2022

このツイートをした時は、単に「そこだけ褒められるのにはもう飽きました」という意味に取りました。「褒められ飽きる」というのは最強だ、と。

でも最近、違う見方をするようになりました。「森高さんいつまでも若くて奇麗」「森高さん全然オバさんにならない」というステレオタイプの言説を見ることがあまりにも多い。一般人だけではなく、森高ファンからもそういう声は多数あがっています。

「オバさんになってもと歌いながら、いつまで経ってもオバさんにならない森高」って実は誉め言葉になってないんじゃないか？そう思い始めると、森高の「そういうのはもういい」が引っかかるようになり、『見て』という名曲を自然と思い出しました。

『見て』は本人のMCで「私のコンサートをよく見ていって下さい。これからも応援して下さい」という意味も併せ持つようになりましたが、基本的には「ちゃんと私の本質を見て。外見で判断しないで」という詞だと思います。「私の美貌を見て」「私の美脚を見て」という詞ではありません。森高はこれを19才で書いています。

あまり容姿のことばかり持ち上げられると、結果的にアーティスト森高千里が苦しくなるんじゃないか？

当たり前ですがアイドルだって人間です。加齢すれば老化もします。体力（筋力）的な老化ならともかく、容姿的な老化を、世間が「森高年取ったな」に舵を切った瞬間、みんな手の平を返す。加齢老化するのは人類皆同じなのに、芸能人（特にアイドル）には老化を許さない風潮。綺麗に年を取るを認めない。

僕は森高推しですが、「オバさんにならない森高」ファンには加担したくない。「産み出された音楽」や「音楽家の演奏活動」「音楽家の言動」にしか関心がないから。音楽とはずっとそういう触れ合い方をしてきたから。

「オバさんにならない森高」という言説は本当に素直な意見かもしれません。実際森高さんはお綺麗です。元の素材がその他大勢の53才とは天地ほど違います。
ですが、「50代とは思えない美貌」と認識されてると、その美貌が衰えた時にリバウンドがやって来ます。

僕は森高の性格も加味して「森高もオバさんになった」と揶揄されたり、自身が感じたりするようになった瞬間「じゃあ、もう人前に出る活動はやーめた」となることを危惧しています。
実例を挙げて分かりやすくするなら、原節子やグレタ・ガルボのようになることを恐れています。

僕は新曲、欲を言えばニューアルバムを発表してほしいとずっと願っているファンですし、そうしなければライブ活動は悪い意味でマンネリ化していきます。先細りすれば全国ツアーなどは厳しくなっていくのは当然の帰結です。全国を追っかけるコアな固定客だけで、いつまでも全国ツアーライブを続けられるでしょうか？

ハロルド作石『BECK』にあったように、日本のバンドが海外フェス参戦！と謳いながら、客席を見ると日本からツアーを組んで行く日本人しかいないような海外公演に意味はあるのか？という話です。

森高がもの凄くライブ好きでライブをモチベーションに歌手をやってたのは有名な話ですが、末永く好きなライブ活動を続けるためには、新曲やニューアルバムが一番のカンフル剤です。まさか、これから先もずっとツアータイトルは『この街ツアー』でいくとも思えません。

新曲もないのに、この規模の全国ツアーをやれているのはある意味凄いのですが、それは2015年の「（当時）必死でやってなかったら多分、今ここに自分はいない」発言にも繋がる違うベクトルの話です。

正直、現役後半の音楽活動、特にソングライティング活動は職業作詞家のような作風になり、オリジナリティも失くしてしまった面があり、僕による評価も商業的なセールスも低いです。

ですが、『ザ・シングルス LIVE』のMCで、タイアップによる制約や当時の心境を聞くと、色々考えさせられるものがあり、本当に切ないのも事実です。

なので、新しい楽曲を制作するなら、制約の少ない環境で制作して欲しい。なるべく長く音楽活動して欲しい。不要な雑音から遠い場所にいて欲しい、という願望です。

定期的に新曲を出さず世に問わない音楽家は、僕の定義だとミュージシャンではあるが現役アーティストとは呼べません。
ビートルズやレッド・ツェッペリンのように僕が生まれるとっくの昔に解散してメンバーも亡くなってるバンドとは違うのです。
森高さんはブランクがあったとはいえ、現役歌手なんですから。

でも6月の初参戦コンサート観た僕の感想、絶対「森高鬼のようにキレイだった、、」になりそうなんだよな（おいおい、酷いオチだな）。