Bunkamura ザ・ミュージアム「イッタラ展 フィンランドガラスのきらめき」観桜
Bunkamura ザ・ミュージアムで開催されていた
「イッタラ展 フィンランドガラスのきらめき」を観てきました。
会期終了後ですが、感想をまとめてみたいと思います。
展覧会の概要と訪問状況は下記の通りです。
【訪問状況】
日時:日曜日午後
滞在時間:14:30~16:00
混雑状況:かなり混んでいて入場規制がされていました。
チケット購入時に整理券をもらって指定の時間に
入場となっていました。
感染症対策:入口で検温、手指の消毒
写真撮影:入口と出口に展示された2点のみ、他は不可。
展示構成は下記の通りでした。
例のごとく9月に放送された「新美の巨人たち」を見て
興味を持ちました。可愛いうえに場所を取らない、持ちやすいなど
機能性も備えていて、面白そうだなと思いました。
展示はイッタラの歴史、代表的なデザイナーによる作品の展示、
日本人デザイナーとのコラボレーションの紹介などバラエティに
富んでいました。作品を並べるだけでなく、イッタラの企業理念を
感じられるところが興味深かったです。デザイナーがカリスマ性を
発揮して奇抜なものを作るのではなく(むしろ企業理念に合致した
デザイナーを起用している)、工場の職人と協力して生活に
密着したものを作ろうという姿勢が印象的でした。
しかも140年の歴史の中で多くのクリエイターの時代を経ながら、
その姿勢が貫かれているところが稀有だと思いました。
日本の近世以前の工芸品で作者名不詳のものを見ると
「こんな凝ったものを市井の職人が作ってたなんて昔の人って
ストイックだな~」と思うのですが、それに近しい職人魂を感じました。
日本人の感性との親和性も印象に残りました。
自然からインスピレーションを得たデザインも日本人好みだと
思いますが、アアルト・ベースの歪な形状は茶道具の詫び寂びと
通じるものを感じました(底が洗いづらそうだなというのが
気になりましたが…)。一方でオイバ・トイッカ「カーモス(極夜)」、
「ミットゥマーリ(夏至)」、「ロスプーット(春の雪解け)」、
「ルスカ(紅葉)」といった四季をテーマにした作品からは
日本とはまた違う色彩感覚が感じられ、風土に根差した
作品であることが伝わりました。
ガラスならではのクリアな色彩も魅力的でした。
特にカイ・フランク「タンブラー《キマラ》」は
展示台にガラスを通過した赤や青の光が反射しているのが美しく、
幻想的な空間を演出していました。表面はなめらかに見える作品も
影を見るとそれなりに凹凸やつなぎ目があることが分かり、
一つ一つの作品の個性が感じられました。どんな角度だと
色がどう見えるかを確認するためのカラーサンプルも
展示されていたのですが、どんなところを意識して製作に
臨んでいるのかが分かり興味深かったです。
見ていると自分でもイッタラを揃えてみたいな~とも思うのですが、
照明にもこだわらないといけなくなりそうです(笑)。
北欧の文化の新鮮さと日本人の感性との相性の
良さの両面を感じられる展覧会でした。
巡回先にお住いの方は是非!