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うらわ美術館「ブラチスラバ世界本原画展」

うらわ美術館で開催されている
「ブラチスラバ世界本原画展」を観に行きました。


「ブラチスラバ世界本原画展」は世界最大規模の
絵本原画コンクールで、スロバキア共和国の
首都ブラチスラバで2年ごとに開催されているそうです。
今回は2019年に開催された第27回展の受賞作と日本代表作家の作品、
そして開催国スロバキアと隣国チェコの絵本と原画が
紹介されています。

展覧会の概要、訪問状況は下記の通りです。

【概要】
会期:2021年7月10日(土)~8月29日(日)
休館日:月曜日 ※ただし8/9(月)は開館、8/10(火)は休館
開場時間:10:00-17:00(金・土曜日は20:00まで) ※ギャラリーへの入館は閉館の30分前まで)
料金:一般620円、大高学生 410円 ※中校生以下無料

【訪問状況】
日時:日曜日午後
滞在時間:13:30~14:30 
混雑状況:それほど混雑はしていませんでした。
     夏休みと思しき家族連れが多かったです。
感染症対策:入口での手指の消毒、検温、連絡先の記入がありました。
写真撮影:不可

展覧会の構成は下記の通りでした。

第1部:チェコとスロバキアの新しい絵本
第2部:BIB2019受賞作品
第3部:BIB2019日本代表作家

失礼ながら絵本にアートというイメージはなかったのですが、
「日曜美術館」や「新・美の巨人」で安野光雅さんや
レオ=レオニの特集を見て作家が創意工夫を凝らし
哲学を込めていることを知り、認識を改めました。

今回紹介されていた作品も版画、刺繍、デジタル処理、
コラージュなど様々な技法が用いられていて、
作家それぞれの工夫が感じられました。ただいずれも
レトロな味があって、これがチェコ、スロバキアの
地域性なのかなと思いました。カラフルなんですが
全体的なトーンとしては落ち着いた印象を受けました。
実際に出版された絵本が置いてあって原画と見比べられるのも
面白かったです。ただ「飛び出す絵本」や「ページをめくると謎が解ける」
というようなギミックを凝らしたものはなく、
絵と物語で勝負するスタンダードなものが多かったです。


チェコ語、スロバキア語が読めるわけではないので
雰囲気だけ味わったのですが、以下の作品は
日本語訳があれば読んでみたいと思いました。

・マルティナ・シピコンヴァー「ひみつ」
⇒生命の神秘の物語らしいのですが、
 コットン紙に水彩で描かれた絵の滲み具合が
 作品の雰囲気を伝えていました。

・ペテル・ウフナール「ナタールカの冒険」
⇒冒険ファンタジーのようです。
 絵から物語の壮大さ、ワクワク感が伝わってきました!

・サン・ムーサヴィー「ボクサー」
⇒2019年のグランプリ受賞作とのことです。
 父から教わったボクシングですべてを殴りとなしてきた男が
 大事なことに気が付くという粗筋らしいのですが、
 結末が気になります。

日本人作家の絵本も紹介されていました。

・シゲリカツヒコ「大名行列」
⇒日本ならではの題材で適度なバカバカしさが最高です!


・島野雫「うずらかあさんとたまご」
⇒鴉、蛇、狼がいいヤツらなんですが、ファッションも
 妙にオシャレで味があります。


特集展示として4名の作家の創作風景が
紹介されていたのですが、こちらも興味深かったです。
言葉を大事にしている人、絵本から離れたところから
いきなりスイッチが入る人、模型など絵以外の作品を作りながら
相乗効果を得る人など、それぞれスタイルがあるんだなと思いました。

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普段触れられない世界に触れられる貴重な展示でした。
お近くの方は是非!

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