難聴と認知症の相関関係

個人的には、「聴こえないから認知症になる」ではなく、「聴こえないから認知症になっても気づかれにくい」なのだと考えている。

「騒がしい環境で人の話が聞こえない人」は認知症のリスクが高いという研究結果

自分の父親は今年で89歳になった。
元々高血圧持ちで不整脈もありペースメーカーを入れているが頭はしっかりしているし日課として一人で散歩にも行く。
この父が、かなり前から耳が遠いのだ。
テレビを見る時は自分専用の小型スピーカーを自分の座る椅子の前に持ってきてけっこうな大音量で聴いている。
この音量をテレビ本体のスピーカーで鳴らしたら、おそらく同居の母のほうがその大音量で難聴になってしまうんじゃないか、くらいの。(^^)
父の視野に入って話しかけたらコミュニケーションは取れるのだが、斜め後ろから話しかけても全然気がつかない、というレベル。

なのだけど、いわゆる認知機能の能力低下は全くと言っていいほど見られないのだ。
具体的なところは省略するが「年相応」ですらない。
なので、「難聴だから認知症になりやすい」という定説には何となく違和感を感じてしまう。

もちろん、難聴が認知症を悪化させる要因の一つであるのは間違いないと思えるだけの経験も介護職としての仕事の中で多々している。
自分の考えは、あくまで「難聴だから認知症になる」すなわち「難聴が原因で認知症を引き起こす原因疾患(アルツハイマー病など)に罹患する」というのではないと思う、ということ。
「難聴になった結果として認知症になった」ように見えるケースもあると思うけど、それは「潜在していた原因疾患が難聴によって悪化して認知症が顕在化した」ということだと思うのだ。

ちなみに、ウチの父が耳が聴こえづらいのに認知機能が落ちないのは、メールやLINEでやり取りをしたり、パソコンで日々の記録を入力したりするのを未だに頻繁にやっているからだと思う。
メールのやり取りの文面を見る限り、現役の職業人に見えるレベルなので。


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