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予約必須の人気居酒屋ついに潜入【もめんや】

最初からネタバレなんですが、美味しい鮮魚が食べられる和食メインの居酒屋さんです。
そして想像していた質を超えた上に、想定以上のボリュームが来ます。
単純に頭おかしいなって感じます。あ、これは心からの誉め言葉ですからね?

1:波乱の予感は電話予約から

一度目の訪問はコロナが騒がしく少し前。
席が全部埋まっていて、相席すらできない超満員。予約もなしに気楽な調子で行ったのが悪かった。
この瞬間、もやしは失策を悟りました。【もめんや】という店は、予約がなければ入れないのだと。

そんな挫折を経た今回。

「今夜八時から二人で入りたいんですが、席は空いていますか?」

きちんと予約を入れるのに電話を入れました。

「大丈夫ですよ。盛り合せ用意しておきますね」

「え? あ、はい」

「ではお待ちしています」

盛り合せってなんぞ。
いや、わかるよ。きっと刺身だと思うんだよ。
けど頼んでないよ……? え、予約するともれなく盛り合わせが発生するの?
だとすると断り(?)を入れるのも変だよね。あ、一見さん用のヤツかな?
ま、まぁ……和食食べようとしてたし、刺身(だと思うけど)も受け入れ態勢は完璧。何も、問題はない。

どんなものが出てくるのかというワクワク感と、頼んでないものが出てくるドキドキ感を胸に車を走らせます。
成功も、失敗もネタにしてやんぜ!

老舗のお店の貫禄。なるほど長久か。
え、違う? もっと目立つものがあるって?
確かに……まぐろの模型っぽいのが掲げられていますね。自信の表れでしょうか。
引き戸を開けて中に入る。カウンターが十席に座敷が四~五卓くらい。
この日はたまたま空いていて人が少なく、もやしの他に三組くらいしか入っていない。
二人なのでカウンターの方が邪魔にならないかな、と思いましたが、すっと座敷に通してくれました。

それにしても満席の時にはすごく手狭な印象を受けたのですが、人が少ないとすごく広く感じますね。
まぁ、全部で三十席ほどあるので狭いわけないんですけどね。

2:まさしく居酒屋

懐古的な居酒屋とでも言いましょうか。
赤ちょうちんがあって、カウンターがあって。目の前にネタを入れる冷ケースがあって。
テーブルにメニュー表はなく、代わりに壁にびっしりと張り出されている。そんな感じ。

そう、まさにそんな感じなのです!!
すごくない? こんなにもイメージ通りの居酒屋って逆に珍しいよ!
おしゃれなカフェやイタリアンなんかも華やかな印象があるけど、こういうところも本当に味わい深い。
時代や流行に左右されずとも生き残れるってすさまじい魅力がないと難しいよね。

そして賢明な読者様方は気付きましたか。
目を疑うほどのメニューの安さ。やばくないか。信じられぬ。
この金額で出すなら量が少ないか、それとも質が悪いかしかないはず。
これはえらいところに来てしまったかもしれぬッ!!

などと【もめんや】の天外魔境っぷりに戦々恐々していると、飲み物の注文を取りに来てくれました。
注文はいいけど……メニューは?
そうなのです。壁面やカウンターに吊るされているのはすべて食事メニューばかり。
ドリンクメニューないんですよね。訊いてみると――

「言ってくれればたぶん出せるから」

え、すげぇな?! それじゃ通販くらいでしか手に入らない福井の常山を――なんて意地悪はしません。
もしかすると出てきたかもしれませんが、無難な飲み物を頼みました。
それにしてもドリンクは価格も品揃えも不明なのには驚きですね。
つまみの価格を抑えてるならドリンクで利益取る可能性とか……?
……ん? そういえば最初の盛り合わせも質・量・価格が不明では……やっべ、もしかして全部時価か……?

疑惑は膨らむばかりです。
そんな折、目下最大の疑問の到着です!

3:盛り合わせとは

筆箱サイズの細長いお皿に乗ってやってきた。
盛り合わせなるのもがどれくらいの量かわからなかったので、まだ飲み物しか頼んでいない中での三品です。
はよっはよっと唸るお腹を抑えて写真をパシャリ。

左からバイ貝の甘煮(だったと思う)、海老の塩焼き、海老のオーブン焼き? どれもこれも美味しそう。
なるほど、これもたしかに『盛り合わせ』だ。刺身だなんて早とちりしちゃったよ。ハッハッハ。
それじゃそろそろ壁面のメニューからいくつか頼も――

重々しい大きなお皿に、これでもかと乗せられてくる鮮魚。
え、さっきのは『盛り合わせ』じゃなくて……『付きだし』? え、あの豪華三点セットが?
てかウソだろ……皿の端にはみ出るようにワタリガニの姿が見えるんだがっ!?
一尾丸々乗ってくるってやばくないか。もう一度言う。ウソだろ……?

ワタリガニのインパクト強すぎて他が見えていませんでしたが、一品ずつ紹介してくれるのを聞いていくとさらにやばい。
まぐろのトロと赤身、びんちょうマグロ、タイ、はまち、サザエ、タコ、赤海老……とすさまじい量の鮮魚の数と種類!
他にも焼ホタテ、鴨ロース、煮タコ、ポテトサラダにワタリガニが蒸しと生で乗っていて、身がほぐしやすく殻を削ってくれている!

え、ナニコレ。ちょっと……え、これ、え?
待って。二人で食べるの? 二人で、二人きりでこの量を食べるの!?
どれもこれも三~五切れくらい乗ってて、しかも十種類以上あるんだけど!?
単純計算で一人で二十切れ以上刺身食べることになるんだけど!!

しかもここにさっきの付き出し追加されるんだよね?! あいつもなかなかのサイズ感あったぞ!
というか、こいつら食べてたら壁面のメニュー頼めないじゃん! 刺身で終了コール鳴るやん!?
脳内でぐるぐると大混乱。現実世界でも騒がしかったらすみません。無意識ですから許してください。

4:いざ実食

知らぬこととはいえ出てきたからには仕方ない。
むしろ刻一刻と鮮度が落ちていく刺身を前に驚いてばかりもいられません。

――パクリ

美味い。これだけですべて許される気がする。
最初にお伝えした通り、量だけでなく鮮度も抜群です。

それぞれの感想は邪魔くさいと思うので、とりあえず一つだけ。
余り得意ではないと思っていたマグロの赤身は、これまで食べたものとは別物でした。
普段は味気なく水っぽさを感じるはずが、もっちりとした食感とうま味を残して一瞬で溶けて消えていく。
溶けるってトロだけの得意技だと思ってました。
赤身のポテンシャル高すぎない? これなら確かに赤身にハマるのも頷ける。
それにしても美味い。これだけの量を食べると飽きが来そうなものですが、驚いた手が次の切り身をつかんでしまう不思議。

あ、カニやばいほど美味しかったよ!
カニも味より殻を剥く手間の方が勝って普段口にしないのですが美味すぎる。
何なら酢の物好きじゃないのに、カニ酢にしっかり浸して食べていました。

5:一品も

いかに飽きないとはいえ、付き出し以外はすべて刺身関連なのはさすがに寂しい。
温かいものも口に入れたいと頼んだ『めんたい天ぷら(300円)』がこちら。

何だこいつ。普通に出てきおる。明太子二本分くらいあるんだけど?
金額にサイズが比例してない! ならば味は……しっかり美味しい!?
300円だと思って侮っていたのは否めません。
もやしはこのお店をまだまだ理解していないみたいです。

そろそろ〆かな、とお腹の具合と相談しながらメニューを見る。
うーむ『いくら丼(600円)』とか美味しそうだけど、どんな量が出てくるかわかんないしなぁ。
ん……? 『ねぎめし(300円)』ってのがあるぞ。あれは何ぞ。

A.ごはんに刻みネギ乗せたヤツ

わかりやすい!
なるほど、ネギ好きだし頼んでみよう! さすがにもりもりで来ることはないだろ!

はーい、もりもりでした!
お茶碗一杯とはいえ、ご飯が見えないほどのネギが乗っていて、真ん中にウズラの卵がちょこん。
混ぜて食べればあら不思議。想像通りネギの味しかしません!
鼻から突き抜けるぜっ!! なんておちゃらけていると、空いたお皿を下げてくれた店員さんからのご質問です。

「海老残ってるけど嫌いかな?」

「生はちょっとアレルギーで食べれなくて……」

「何なら天ぷらやっちゃう?」

「え、そんなことできるんですか!」

会話はニュアンスだけ伝わればOKの方向で。
ともあれ、どうやらもう一品いただけるようです。

そしてよくよく聞けば、盛り合わせを鍋にアレンジしてくれたりするみたい。
そこにうどんとかご飯を入れて〆にする流れも――
えー早く言ってよー!! と思ったのは書かなくても伝わりますよね。
ともあれ、今度こそ最後の品です。

美味い。この日だけでどれだけ海老食べたかな。
付き出しの焼き海老は殻ごと全部。半身のオーブン焼きも味噌まで掻き出した。
しかも連れの分まで……ってことは最低でも大きな海老を五尾?
そこに刺身とかカニとか……振り返ってみるとすさまじい量食べてるなぁ。

そんなこんなで戦々恐々のお会計。
値段が見えるもので頼んだのは『めんたい天ぷら』と『ねぎめし』(各300円)のみ!
ワタリガニ居る時点で覚悟してたけど、どんな金額が告げられるのかッ!!!

ワタリガニ一尾入った盛り合わせを含んで一万円未満。つまり一人頭四千円台。
ざっくり計算するとあの盛り合わせが四~五千円くらい?
盛り合わせもさることながら、ドリンクや付き出しや最後の天ぷらなど。
ほとんどの価格がブラックボックスなので自信ないんですが、かなり安いですよね。

ちなみに刺身の盛り合わせはデフォで出てくるっぽいですが、サイズはあれで固定みたい。
実際、四人グループのお客さんの会計と同じくらいだったんですよね。ちょっとドリンク頼みすぎたぜ……。
となれば、三・四人で行けば一品も多く頼めて楽しめる上に、お財布にやさしくなっていく!?
これは詳しい検証が必要ですね……!!


さて、この【もめんや】さんは、実は前回紹介した【大衆酒場 五右衛門】の店主が教えてくれたお店です。
やっぱり同じ飲食店を営んでいる人が紹介してくれただけあって質がやばい。
すごさを体感してみるためにもぜひ一度足を運んで――みる人が多いと、もやしが座るスペースがなくなる!
ほどほどでお願いしますね?!

それにしてもこの店で新しい扉が開きすぎてやばい。
エンゲル係数爆上げするから危険かもしれぬ。

参考までにお店の情報を掲載しておきます。
正直情報がほとんどないので、行ってみた方が早いかもしれませんね。
(※正確な情報が必要な場合は直接店舗にお問い合わせください)

店舗名:もめんや
住所:和歌山県岩出市荊本29-1
電話番号:0736-61-3909
営業時間:17時〜24時
定休日:無休

食べログ
https://tabelog.com/wakayama/A3001/A300102/30001112/

何かご要望やおすすめのお店がありましたら教えて下さいね!
美味しいお店が多いのは間違いないので、是非とも一緒に開拓していきましょう!

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