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忙しない日常の一コマに

前回投稿させてもらったハシゴカフェに行かれた方はいらっしゃいますかね?
もしも行先に迷う方の一助になれていれば幸いです。

さて、今回のメニューはみんな大好きラーメンです。
すでに知っている方も多いかもしれませんが、もやしの食レポにお付き合い下されればと思います。

午前中からバタバタとしていたもやしを癒す食を求め、和歌山インターの近くの道を曲がる。
すぐに道の左側が田んぼに代わり、その建物が目の前に現れました。
車道と隣接していてそこそこ車通りが多く、初見の店なので一度通り過ぎて駐車場を確認してから戻ってきた方が……?
なんてことを考えながら車を寄せていくと、建物の横に三台ほどの駐車場スペースが見受けられる。

しかも幸運なことにちょうど手前が空いているっ!
するりとバックで駐車して綺麗に決まった……と悦ってみるも、何だかまだ入りきれてない気がする。
けれど軽くアクセルを踏んでも乗り上げるような輪留めとも違う謎の抵抗を感じるだけ。
さらに踏み込もうと意気込み……いやいや、何を熱くなってるんだと一旦確認してみようと車外に出て回り込んだ。

塀のない後ろ側は一メートル以上の段差がある溝と田んぼ。
そして愛車の右後輪は、数センチ程度の小さな段差の縁に乗り上げたギリギリいっぱいの状態っ!!
もしもアクセルをあともうひと踏ん張りしていれば、車ごと間違いなく突き立っていたでしょう。
ふぅ……危ない危ない……。もやしのような危ない橋を渡るような人はいないと思いますが皆さんもご注意ください。
(※ちゃんと輪留めはあります)

振り返って改めて見てみると、そこは無骨な外観。壁には白い看板が掛かり、大きく『中華そば』の文字。
店名は控えめで、何ならそれよりも前に鶏のマークが。突き出したエンブレムはさらに色合いを強調された同じもの。

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これが売り切れごめんの貫禄か!
遅くなりました。今回食事させていただいた場所は『土屋商店』さんです!
ちなみに以前お邪魔したときは時すでに遅く、売り切れていて涙をのんだ覚えがあります。
ふぃ……今回は何とか開いていてくれたぜ……。

違う意味で興奮冷めやらぬもやしは店内に突入し、不審者のようにソワソワと周囲を見渡していく。
カウンター十席ほどに四人掛けのテーブル三席と内装はラーメン屋さんらしいシンプルな造り。
メニュー表は壁に掲げられていて手元にはなし。
サッと入って即注文、ガッと食べてㇲッと出るといったように、擬音だけで説明が成立する、心を逸らせる姿にどこまでも『らしさ』を感じます。

そして調理風景を隠す仕切りはありません。
立っていれば丸見えで、本音を言えばずっと眺めていたかったのですが、それこそただの不審者です。
大人しく着席すると、いい感じのタイミングで「ご注文は?」と問われます。

「特製まぜそばの金(卵あり〆ごはんあり)で」

初見で初オーダーにも関わらず、素知らぬ顔で常連風に颯爽と答えるもやし。
ふふん。どうだいこの偽装。完璧だろ……?
ちらりと店員さんを見れば、ふんふんと注文票に書き込んでくれている。
しかしそうは問屋が卸さない。

「〆のごはんは普通でいいですか?」

ふつう、って何ッ!?
謎の余裕は一瞬で瓦解。一転してキョドるもやし。
大食いではないもやしからすると『小』で良いと思うけれど、もともとサイズが分からなければ注文もままならないっ!!

「さ、サイズ変更ありなんですか?」

「大丈夫ですよ」

「ちなみにどんな感じで……?」

「大ありますよ」

「ふ、ふつうで……お願いします」

「ミンチ肉入れて大丈夫ですか?」

「え、あ、はい」

大食いではないもやしに大盛りなんて……。ふぃ、焦らせやがって……。
いや、もやしが調子に乗ってただけで店員さんは何も悪くないんですけどね。
それにしてもミンチ肉入れないって人も居るのか。なんと奥深い。でももっと他に抜いてほしい具材とかないかな?
あーそっか、ミンチ肉って調味料的な意味あるよね。肉みそ的な感じで。そうなると抜くと味変できるってこと? 
美味しいなら再訪するのは当然だけど、次はそっちを頼んでみるのもいいかもしれぬ。

そんな考えながら待っている間にも人の出入りは激しく、席が空けば人が入るを繰り返します。
なんという人気店だよ……と戦慄したのも束の間、『お冷まだかなぁ』ってほくほく待ってたらセルフでした。
無駄に常連感を出したのがいけなかったのでしょう。素直に初めましてを言った方がいいですよっ!

そうしてついにもやしの番がっ!!

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ほほうっ!
麺を隠すように角切りチャーシュー、ネギ2種にメンマ、ナルト、卵黄が乗せられています。
シンプルな見た目ながら、すでに美味しそうな雰囲気が匂い立ち、即座に箸を突っ込みたくなる意思をねじ伏せパシャリ。
ほら、美味そうだろ……? けどこれが最後のお目見えだからな。

そう、こと『まぜそば』に関して言えば、この最初の顔合わせこそが最高の映え!
底で静かに待ち構える濃いスープに絡めるため、せっかく綺麗に盛られた具材や麺をぐちゃぐちゃと冒涜的に混ぜねばなりません!
綺麗だったものを汚してから食べ方は他の料理にはない特権でしょうっ!!(言い過ぎ

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ちょっと見た目がアレですが、単に混ぜただけで食べかけではありません。
見かけだけだと焼きそばに見えないこともありませんね。それくらい濃い色しています。
あれ、もしかしてこれかなり味強いんじゃないかな?
何どと悠長に考えている暇はありません。脳からは今すぐにでも食せと指示が出ているのです。

――すするッ!

ずるり……あれ?
思いの外、味が薄い。まさか混ぜ足りない……?
一混ぜ、二混ぜして再度口に運ぶ。あれ……あんまり変わらない?

いや、違うっ! 麺の味が強いんだっ!!

くわっ、と目が見開く思いです。
うどんのような太さ、コシ。歯ごたえの中に麺の味がしっかりしている。
なるほど、これだと確かにスープが絡んでも負けない。
けれど、その分物足りなさを感じてしま――アレ、気付けば半分になってる……?

確かに味が濃ければ一気に満腹感に襲われて手が止まる。
しかしここのものは物足りなさを埋めるかのように、水を挟むことも手を止めることもなく食べ進めてしまう。
しかも時間が経つごとに麺にスープが馴染み、少しずつ濃くなっていくではありませんか。

これは参った。
ここまで考えられた品なんだな、と単純な美味しさとは別の感心を抱かせられます。
気付けば残りわずか……ちなみに味が濃くなかったせいか、まだお腹には随分と余裕が。
何なら『中華そばも行っちゃう?』と調子ぶっこいていたところについに来ました。メインディッシュ。
投入されるのは、もちろん、もやしの常連気取りが打ち破られた『〆ごはん』ですっ!

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写真を撮るのも一瞬忘れるくらい、すぐにひっくり返そうとしてしまいました。
思い返すとちょっとがっつきですね。よほどその時空腹だったのでしょう。
ちなみにこのごはん、アイスのトング……調べてみるとアイスクリームディッシャーと呼ぶらしいですね。初めて正式名称知りました。
そのディッシャーで取られたこんもりしたごはんの上には刻みのりがふんわりと。

さすがに食べかけのごはんは見栄え的にアレかな、と思ったので撮っていません。
いうなればカレーとか雑炊みたいな見た目です。勢い余って忘れてた、とかじゃないですからね?
ともあれ、ごはん投入っ! かきまぜっ!

そうして、〆をかっくらうと衝撃が身体を突き抜ける。
先ほどまでの大人しいスープなどどこへやら。急に主張が激しいっ!
けれど濃すぎるなんて感想は一切出てこない。何故なら投入したごはんが超絶甘く感じるからです。

やばい。これまでのまぜそばが前座に思えるくらい、ごはんが美味しい。
むしろもやしはこっちを山盛りで食べたいっ!
あぁ……でもそうなるとあの前奏のような食べ口がなくなって、いきなりこの濃さと甘さが来るのか。
だとすると結構感じ方が変わってくるんじゃ……?

手を止めることなく口に運ぶ。
気付けばもうひと匙、ふた匙くらい……そうしてさらに気付かされる。

――満腹感がちょうどいいっ?!

これはやられたと敗北感……いえいえ、満足感を噛みしめながらお会計。
美味かった。絶対また来る。などとひそかに決意を固める。
ちなみに紹介してくれた人曰く『ラーメンも絶品』とのことなので、次回はそちらに手を伸ばそうと思います。
などと考えながら車に乗り込み――

ふぁっ!? あの『ミンチ肉』は『ニンニク』を空耳してたんじゃ!? そりゃそうだよねっ!
と一人納得しながらもやしがどれだけ人の話を聞いていないかを感じさせる一コマでした。ニンニク美味しいよねっ!

参考までにお店の情報を掲載しておきます。
楽天市場でセールするからという理由で、店頭でも割引しているようですよ~。
(※正確な情報が必要な場合は直接店舗にお問い合わせください)

土屋商店
定休日:月曜日(日曜はお昼だけ)
営業時間:11:00~14:00/17:30~21:00(土・祝:~20:00)

公式SNS
https://twitter.com/555_yasu?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor

食べログ
https://tabelog.com/wakayama/A3001/A300101/30006535/


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