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とある経済学者の予言

人は知りたいことを探し、見たいものを見る。
ゆえに過去につぶやいたたった一言でさえも拾い上げられる。
その内容がポジティブであろうと、ネガティブであろうと関係なく。

――という意味深な感じで始めていきたいと思います。
さて、なんでこんな出だしになったかといえば。

あるニュース記事で『日銀総裁に登用時に告げた苦言』みたいなものを発見したからです。
ちなみに中は読み損ねた上に見出しすらうろ覚えなので、内容に触れるつもりはありません。
中も読めばよかったのですが、見出しの雰囲気が印象的だったんですよねぇ……。
思い返してみてもやっぱり変だよね、って感じで。

それでは話を戻しましょう。
メリット・デメリットは表裏一体なので、立場が違えば意見が変わるのは当然のはず。
だというのに満場一致する内容だと、メリットを得られる側しか存在しない問題なので非常に危険です。
国連で拒否権がしょっちゅう行使されるのは、ある意味で正しい議論がされてるとも言えますね。
まぁ、そのせいで世界が良くなっているかは別問題なのですが。

ともあれ、どんなことでも『賛否が分かれる』が大前提です。
それが発言力のある人であれば、影響力が大きい分『賛否』の意見の数は膨大になるでしょう。
むしろそうじゃなきゃヤバいのは先ほど説明した通りです。

であれば『ほらな、言ってた通りだろ』と口を挟むのは、どんな相手に対しても有効です。
まさに『現状を否定したい人』が『否定していた誰か』を連れ出せば、簡単に出来上がるわけです。
だって何処かの誰かは必ず反対・否定の意見を出しているはずですからね。

観光船沈没の件や、悪い円安と声高に謳うのも同じ。
まさしく『昔から警鐘を鳴らしていた』とされる人たちが表に出てきたわけですよ。
評価軸は人それぞれなので、それらが悪いとか良いとかの話ではありません。

――けれど起きてしまった事象に対し、後出しで『昔から警鐘を鳴らしていた』という単語は、報道側の非常に使い勝手のいい言葉だと思いませんか?

というのも、様々な場面で発生している炎上も同じことです。
過去にミスをしなかった人は存在しません。
であれば『叩けば埃が出る』のは、埃の質や量が人や状況によって違うだけで誰しもあてはまります。
ヒトにもコトにも二面性があるのに、そうしたウケの悪い側面ばかりを持ち選ればどうなるか。
世間を燃え上がらせるには十分な質・量になり、フレーズに「いつかは何かすると思っていた」なんて添えた特集が組まれてしまうのです。

原因の究明や調査は、問題を解消するために必要不可欠です。
けれど『人を攻撃しすぎる』と、また別の問題を引き起こします。
それこそ、イジメ問題で教師や学校関係者を正義の名の下に炎上させ、誰かが嫌がらせをしてしまったら?
耐えきれずに自殺なんてしてしまったら? 当事者だけでなく、関係者の周囲に波及してしまったら?
問題解決どころか泥沼化に一直線です。

もやしを含め、多くの人は『デメリット』を感じていても、実際の当事者ではありません。
結局『対岸の火事』を決め込み、問題解消に行動しないのは、やはり直接の利害関係が成立しないからです。
そうして大概の問題は、事態が明るみに出てから……社会問題になってからでないと対応されないのが世の常です。
いいえ、実際は問題になってさえ、解決できないことは山ほどあります。

先ほどのイジメなんて、話題に上るだけで世間が大炎上しています。
これでは関わり合いたくなくなるのは当然で、発見・解決するより隠蔽して何とかやり過ごす方に魅力を感じても仕方がありません。
良し悪しは別にして、後出してで隠蔽の事実が出てくるのは、こうした背景があるからでしょう。

ちなみに。もしも最初に話題にした日銀総裁の政策の問題を見抜いていたのであれば、さぞ莫大な利益を享受したことでしょう。
たとえば円安を見越して外貨に交換していたとか、経済政策を読み切れているってことですからね。
しかし政策失敗で恩恵を受けたのだから、静かに黙っていた方が得策だと思うのですが……?
もやしもそれくらい先見性がほしいものですね。

ともあれ。
根掘り葉掘り悪い情報を掘り返すのも良いですが、起きてしまったことは変えられません。
それより『どう対処していくか』に視線を向けていきましょう。
仕組みを変えないメリットを感じる人(多くの場合体制側)が立ちはだかることになるので、そう簡単には進みませんけれどね。
明日は今よりいい日にしたいものです。

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