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【音楽チャート】JPEGMAFIA,Tyler, The Creator,NewJeans… #007 脱字コミュニケーションリスナーが聴いてる音楽TOP5

リスナーのみなさまが今どんな音楽を聴いているのかのデータを、ポッドキャストの更新に合わせて隔週で公開していきます。

前回はコチラ。


#007 第7回配信後

第7回エピソード「ニンテンドーeショップのサービス終了に関しまして」配信後(2023年4月9日時点)のトップ5は以下の通りです。

1.JPEGMAFIA(🆕)
2.タイラー・ザ・クリエイター(🆕)
3.NewJeans(⬇)
4.カネコアヤノ(⬇)
5.アークティック・モンキーズ(➡)

コメント

1位:JPEGMAFIA

今回急速に1位へと駆け上がったのはダニー・ブラウンとのコラボアルバムをリリースした、「暑くてFUCKだ」でお馴染みのジェイペグマフィアさん(以下、愛称の"ペギー"で統一します)。3月24日にリリースされた『SCARING THE HOES』は確かに評判の良いアルバムですが、まさかここまで人気だとは思いませんでした。このコラボアルバムが聴かれているのであればダニー・ブラウンが一緒にランクインしていないのが若干謎ですが、今回プロデュースは全曲ペギーによるもので、実質彼のプロジェクトにダニーブラウンを招いたかたちになっているようです。
ROLANDのサンプラーSP-404MKIIのみで制作したそうですが、激ヤバジャケ写のBandcampページでペギーは次のように述べています。

1年くらいの間、俺はSP-404で練習した。このマシンと大好きなラッパーと過ごした時間から、素晴らしい作品を作ることができたことを誇りに思う。
これは練習セッションと呼んでもいい。90年代のpro tools無しのサウンドはこんな感じだった。404を使うのはもう終わりだよ。

このエピソードを聞くと真っ先に「弘法筆を選ばず」というフレーズが頭に浮かびますね。ペギーにとってこれはあくまで「練習セッション」でしかないようですが。

【アルバム】JPEGMAFIA,Danny Brown『SCARING THE HOES』(Peggy/AWAL)2023年3月24日リリース


2位:タイラー・ザ・クリエイター

2位に急上昇したのはみんな大好きタイラー・ザ・クリエイター。2年前の6月にリリースした大傑作『CALL ME IF YOU GET LOST』に未発表曲を8曲追加したデラックス版を3月末に突如リリースしました。名前はよくある「Deluxe Edition」ではなく、「The Estate Sale(財産処分)」という皮肉の効いたもの。細部までこだわる彼らしい美学を感じさせます。
"財産処分"とは言っても客演にはVince StaplesA$AP RockeyYGが、プロデューサーとしてはPharrellMadlibJohn LegendKanye Westという興奮必至のラインナップ。タイラーは通常版のリリース時も急にアナウンスして先行曲「LUMBEJACK」を公開していましたが、今回も突然でした。
タイラーは今作について次のようにツイートしています。

『CALL ME IF YOU GET LOST』には最終的にアルバムに収録されなかった楽曲が多くあった。すごく気に入っているけどこのままずっと日の目を見ないような気がしたから、何曲かをリリースしようと決めたんだ

https://twitter.com/tylerthecreator/status/1640352996294000641?s=20

個人的にはYGとの「BOYFRIEND, GIRLFRIEND (2020 Demo)」がけっこう好きでした。特に話題になっていたのは最終曲の「SORRY NOT SORRY」です。やんちゃなイメージが付きまとう彼ですが、そこでは母親やOdd Futureのメンバー、かつて恋仲にあった人々や酷い言葉を投げかけてしまった人々への謝罪ラップしています。自身の本名名義で監督したMVではこれまでのアルバムごとの全ペルソナが登場し、最終的に最新作でのペルソナである「SIR TYLER BAUDELAIRE」がボコボコにされます。常に前作を超えてくるタイラーの次章を予感させるものだと思いました。
塚田桂子さんによる「SORRY NOT SORRY」についての記事は必読です。

【アルバム】Tyler, The Creator『CALL ME IF YOU GET LOST: The Estate Sale』(Columbia)2023年3月31日リリース


3位:NewJeans

彼女ら本人というよりも、その他のことで何かとネット上で話題となっていましたが、またもNewJeansがTOP5を維持してきました。しかも今回は3位です。4月3日に新曲「Zero」をリリースしたことも影響したのでしょうが、前回(2週間前)の「SUMMER SONIC 2023」出演(ただし東京Day1のみ…)によって圏外から1位に復活した勢いもありました。
ちなみにこの「Zero」は、昨今リヴァイヴァルが盛り上がりを見せているドラムンベースというジャンルです。これまでの楽曲でも最新の流行を取り入れてきたNewJeansプロデュース陣のセンスが相変わらず輝いています。
歌詞に出てくる「コカ・コーラ マシッタ」は、韓国語で「コカ・コーラおいしい」という意味ですが、これは日本で言うところのわらべ歌のようです。コカ・コーラゼロのグローバルアンバサダーに就任したNewJeansの新曲は、同社が2022年に始動させたCoke Studioという音楽プラットフォーム事業のタイアップ曲としての側面と、韓国語圏のローカルネタを上手く、というよりそれを逆手にとってあえて直球で投げつけてくるような潔さがありますね。
つい最近マクドナルドともコラボしてましたよね。

こういった大企業とのタイアップも、それ自体は全く悪いことではないし、「コカ・コーラ マシッタ」については面白いとも思うのですが、いくらそういった背景があるとはいえ、日本語ネイティブである自分には商品名がストレートに聴こえてくる異物感は、ちょっとしんどいのでした。

【シングル】NewJeans「Zero」(ADOR)2023年4月3日リリース


4位:カネコアヤノ

カネコアヤノが今回もランクイン。今回でランキングを発表するようになってから13週目ですが、第3週に登場して以降ずっとランクインしています。隔週更新の本記事でも6度目の登場なのと、前回書きすぎたのでそろそろ書くことがなくなってきました。
なので今回は過去のディスコグラフィに触れてみたいと思います。というわけで『恋する惑星』について。これはカネコアヤノが2015年にリリースした作品で、所属レーベルも現在とは異なります。収録曲をライブで演奏することもあまりなくなってきましたが、「コンビニ」や「マジックペンと君の名前」といった妄想ソングは可愛らしいし、「恋のしかた」や「週明け」は、「あなたこれまでどんな恋愛をしてきたんですか…」と胸を締め付けられるような名曲です。特に「恋のしかた」は、コロナ初期にカネコアヤノのワンマンライブ(金沢公演)が中止になったときのインスタライブでやっていて、なぜかわからないけど大号泣してしまった思い出があります。恥ずかしいですね。
3曲目の「ホームシックナイトホームシックブルース」も良いですね。弾き語りライブでこの曲を聴いたとき、あまりに器用にミスなく弾いている姿を見て驚いたのを覚えています。

【アルバム】カネコアヤノ『恋する惑星』(Kitty)2015年11月11日リリース


5位:アークティック・モンキーズ

来日公演以降は特に目立った動きがあるわけでもないので、おそらく2週間後には圏外だろうと思い、「まあこの辺の話は4月中旬に配信される回で喋っていますので」などと前回書いたわけですが、まさかの順位キープです。
最新作『The Car』のリリースが発表されて最初に公開された曲はアルバム一曲目の「There'd Better Be A Mirrorball」でした。「ミラーボール」というモチーフと、「そこにあったらいいのに」というやるせなさは、パンデミックによって端に追いやられたダンスフロアへの思いに重なります。歌詞は必ずしもそういった内容ではありませんでしたが。
2022年は、世間はわりとダンスミュージックが盛り上がりを見せつつあったし、個人的にもそういった音楽を求めていました。実際今年はレイヴが盛り上がるなんて見立てもありますしね。ですが、そういった状況に反して彼らは前作『Tranquility Base Hotel & Casino』で示した方向性の深化という、かなり真逆のアプローチを見せてきました。それでいて人気も超盤石です。キャリア初の全英1位を逃す結果にはなりましたが(何せ相手がテイラー・スウィフトだったので仕方ない)、それでも全英2位でした。トレンドなど意に介さず自分らのやるべきことを極める。ロックバンドという活動形態は特に難しい時代ですが、彼らの姿はひとつの理想な気がします。

【アルバム】Arctic Monkeys『The Car』(Domino)2022年10月21日リリース


【参考】


【ライター】
もこみ(
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