11月に見た写真集感想

写真集感想のやつ2ヶ月空いちゃった!!!
感想メモはしてたのでまとめときます

セバスチャン・サルガド In Human Effort
「何かが起こっている瞬間」を的確かつ美麗に撮ってる人だなぁという印象を持った
エチオピアの写真なんか宗教画みたいな隙のない画面しててすごい

川内倫子 ILLUMINANCE
存分に光で遊んでいるなという印象を持った
写真でのしりとり要素の面白さはいつも通りだけど、光を”撒いて”いるような写真が多いような気がする
日常の中の美しさもそっと切り取っていて、どこか優しさを感じるような描写で、と
この写真集は被写体を撮ってるのではなく光を撮ってるのかなと思った
いや厳密に言えば写真って光でしかないけど情緒的な意味合いで
すごく、写真とは客観的現実を切り取ってるわけじゃないんだなという事実が心で理解できる写真集だと思う、矛盾するようだけどそれが「写真という言語」で脳に直接語られるような感覚を覚える
川内倫子さんの写真の特徴としてパッと思いつくのは全体的な輪郭の曖昧さや、でも曖昧なようでいてなんとなくわかる輪郭や主題だったりなのかなと考えると、理解できる部分の存在とわからない部分に想像できる余地・含みを持たせた絶妙な余剰感の共存なのかなと現時点では思う
その含みの部分に、「ゆるふわ」とか「ソフトな描写」というよくある言葉で片付けたくない何かを我々が感じるから素晴らしいんだと思う


櫻井朝雄 セーヌ左岸
なんか解説文も相まってまるでこの時代(そんな昔じゃないけど)のパリの観光案内されてるみたいだな、と感じた
やるかどうかはともかく自分も写真も写真撮ってる場所こんな風に紹介・解説できたらなと思った
写真から受ける印象だけど、どことなく時間の流れがゆっくりに感じて自分にも昔こんなゆっくり過ごしたモラトリアムな頃あったよなと記憶が思い起こされた
最近はちょっとした空き時間にせかせかしながら写真撮ることが多いからなんだかこのゆったりした感じが無性に愛おしく感じられた


篠山紀信 新・晴れた日
開幕の一節がカッコ良すぎて糞尿垂れ流れた 氏の人生と歴史の積み重ねがこの言葉に至ったというのをなんとなしに感じる
こういうその人のそれまでの人生経験を経た結果紡がれた言葉、みたいなのめっちゃ好きなんだよな
田中角栄の写真が異次元にカッコいい
雑誌の表紙と思しき写真は1970年代の写真だけど既に現代の写真とそんなに色表現とか変わらなくてすげー
豊島園の写真なんか密度がすごくてグルスキーみたい


杉本博司 ロスト・ヒューマン
映画の一節で、北野武がかなり古いインタビューだけど「究極の映画とは、10枚の写真だけで構成される映画であり、回ってるフィルムをピタッと止めたときに、2時間の映画の中の何十万というコマの中の任意の1コマが美しいのが理想だと思う。」と語ってたというのを思い出した
しかし全体的に難解で理解できてる自信がないw
タイトルの「ロスト」の通りなんとなく終末を感じさせるものが多いのかな
難解は難解だが次々展開される「今日、世界は死んだ。もしかすると昨日かもしれない。」は不思議と目が離せない魔力がある


「前衛」写真の精神 なんでもないものの変容
頭の「オートマチズム的な手法」の部分、自身でも何を撮っているかわからない、下意識に潜む何かを引き出すように撮る、なぜ、なんのために撮った写真なのか本人もすぐさまにはわからないという方法が完全に今の自分のストリートスナップにおいてやってることを言い当てられたようで驚いた
テキストが難しすぎるので(笑)(大学の小難しい教科書思い出した)
というか途中からこれ学術書じゃね??となってとりあえず写真だけ見てちゃんと内容理解したとはいえない感じになった。。


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