12月に見た写真集感想

奈良原一高 静止した時間
まぁ「静止」というタイトル通りとりあえずストリートスナップみたいな動きを感じる描写はほとんどなく静かな写真が多いなっていうそのまんまな印象
闇をそのまま残したかのような黒の描写が印象深い
けどイマイチテーマ性みたいなものを読み取れなくて、キチィ〜〜〜
後半から鬼海弘雄のペルソナみたいになるし、わからん。。
あとがきの解説読んでも何書いてあんのかさっぱりわかんなくてワロタ!誰か解説してくれ
無念


安井仲治写真集
前半は1920年代とかの写真だろうからこの時代特有の鮮明に写ってたらもうそれだけで強い、という感覚の写真がチラホラあるものの既に「芸事」としての写真に片足突っ込んだものがあるのがすごい
路上の人々から社会を抉り出して表現とする感じはその後の森山大道などへの系譜みたいなものを感じる
「波と群集」なんだかわからんが凄すぎワロタ
あたかも波飛沫が群集のエネルギーとして傑出したみたいな描写になってる
全体的に暗い雰囲気(露光でなく)が、戦乱に突入する時代も写してるように感じるけどそれは単に歴史的事実として後に何が起こるか知ってるからというだけな気もする


オカダキサラ はなぞのぶらりずむ
何度も見てるけど最近見てなかったので
なんかクラシカル(?)な写真集見まくった後だと感想が違うような感じする
いわば写真集全体で何かを紡ぐというよりは一枚一枚、あるいは見開き二枚で見せる傑作選みたいな感じなのだけど、端的に言うとめっちゃ楽しい写真集だなと思う
もっと原初的な「写真を撮る楽しさ」みたいなものを思い出させてくれるな、ていう
好きな要素分析すると対比構図の綺麗さだったりとか画面内に詰め込まれた情報量の整理整頓具合だったりとか色々言えるけどそんな野暮ったいことどうでもよくてその瞬間を写真にして止め残すことの楽しさみたいなものが一枚一枚画面全体から全力で伝わってくる、と感じた
なんかこういう心持ち最近見落としてるんだよなー、ということに気づいた


児玉浩宜 Notes in Ukraine
いわゆる戦場写真の側面もあるのだけど、市街がメインで戦乱が生活に組み込まれていてそのことが当たり前になった現地の雰囲気を残しているのかなと感じた
そしてこの当たり前感には我々と同じような日常写真の中に突然ミサイルの着弾点だったり破壊されてめちゃめちゃになった車とか、不穏に感じるものが突如差し込まれて突然いつ死ぬかわからない状況が表現されてるのかな、と思った
生と死の直結感みたいなものが非常に淡々と表現されていてものすごい写真集だと思う

有田泰而 First Born
ひたすら裸体の女性と赤ん坊が交互に出てくるので場所も時代も超越した不思議な世界を見てるような感覚に陥る
とは思ったものの、前衛的すぎてさっぱりわからん!w
でもあとがきの解説らしきもの読んだら少し印象変わった、芸術的表現であると同時に家族との遊びの場でもあったんだなぁと
機会あればもう一回読んでみよう


尾仲浩二 GRASSHOPPER
暗く重めな色合い好き
都内近郊で生活してるとわからなくなってくるけど、日本の景色って大半はこういう田舎ののどかな景色なんだよなと再認識させられた
どれも大した景色じゃない(失礼)のになぜか日本の原風景みを感じる
見落としがちな当たり前な状況から美を見出しているような
スナップやってていつも思ってたはずだけどちょっと最近忘れがちなことを思い出させてくれた感じする
「つまらなそうな眺めほど写してみたくなったりする。だが写らないものは写らない(中略)」
なるほどなぁ


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