ス◯バで出会った不器用な男の子Sくんの話。
「学生時代どこでバイトしてたの?」
「ス◯バだよ〜」
こんなやりとりを新卒で入った会社してすぐの頃はよくしたものだ。
はじめまして。こんにちは。オキリです。
そう、私は学生時代ス◯バでアルバイトしていたのである。大学の4年間ずっと。
結構ス◯バのアルバイトって言うと周りからすごいと言われることが多い。ありがとうございます。
あまり大したことはしてないんだけどな。
今日書きたいのはそんなス◯バのバイトで出会った不器用なSくんの話を書きたいと思う。
最後まで見ていってね。
Sくんはお客さんではなく、バイトとして僕の働いていたス◯バに来た。いわゆる同僚ができたというわけだ。
僕は入社した時、同い年の男の子が1人もいなかった。先輩にはいたけど。
そんな僕を見かねたのか、たまたまなのか、店長が僕にこう話しかけてきた。
「〇〇〜。よかったなぁ!同い年の男の子いれたよ!仲良くするんだぞ!」
「え、ほんとですか!楽しみです〜!」
あ、店長は女性で、すごく姉御肌がある方です。
そんなやりとりの数週間後、Sくんは入社手続きのためお店に来た。
Sくんが軽く挨拶を済ませているタイミングで僕が休憩のため裏に行くと、Sくんはいた。
第一印象は猫背で古着好きなのかなって感じだった。
そんなSくんは高い声で、柔らかく僕に
「よろしくお願いします〜。」
と挨拶をした。
「よろしくお願いします!〇〇です!」
と返した。
※あとで聞いたら第一印象は怖かったらしい笑
Sくんは途中までは実家から大学に通っていたけど遠いから引っ越してきたの言うのだ。
そして何より衝撃だったのが、
「バンドで飯を食ってく」
を目標に日々生き抜いていたのだ。
それを聞いて、
「すげーな。。」
と思ったのが感想。
周りにそんな人いなかったし、好きなことに全力を注いで生きているSくんを尊敬した。
そんな初対面から束の間、僕は免許合宿とイギリス旅行のため、1ヶ月半ほどシフトに入ることができなかった。
次に会ったのは、同い年の女の子2人を含めた飲み会だった。そこで衝撃の事実を知ることになる。
「バンド辞めた。」
深くは語らなかったけど、相当なことがあったと後で知ることになる。
そこから月日は少し流れ、バイト先に不穏な雰囲気が漂うことになる。
Sくんがちょっと孤立し始めてしまったのだ。
パートの方や同級生に聞くと、
「研修で習ったことやルールが、実際のと違う。おかしい。」
というものだった。
これを読んでくれている方の中にはあるのではないか。こういった経験。
少し違ってもあぁ、実際はこうやるのねみたいな。
それがSくんには納得いかなかったらしく、周りと衝突することが多かったそう。
そこで僕が取った行動は、
変わらずに接し続ける。
だった。シフトに被る時も世間話や、実際とは違うけどこうするとみんなあまり気にしないよ!みたいな話をすることにしたのだ。
自論として、周りの印象をそのまま自分の第一印象に持ち込まないようにしている。
そうでなければその人の本質が見えてこないと思っているからである。
これが功を奏したのか、より一層仲良くなることができた。好きな洋服の系統が僕に近くなってきたことから洋服の話をたくさんしたり、一緒に買い物に行ったりして仲良くなった。
同時にバイト内でもSくんは変わっていった。
いい塩梅でこなし、周りと楽しく話ができるようになっていた。
よかった〜〜!っと思ったし、周りのバイトや社員さんにSが丸くなったと感謝された笑
そこからしばらくした大学3年の秋、僕はどっぷりハマっていたエルレとワンオクを毎日聴いていくうちに、
「この曲、ギターで弾いてみたい」
と思うようになっていた。
能天気で無邪気な僕は、Sくんにお願いした。
「ねぇねぇ。ギター教えてくれない?」
少し躊躇いつつも、
「ん〜〜、、。いいよ!」
と言ってくれた。今思えば大胆だなと。
一度蓋をして嫌いになりかけているものにもう一度開けるような真似をしたのだから。
Sくん、ありがとうね。
バイト先から2kmほど離れたアパートにSくんは住んでいた。お邪魔して早速教えてもらうことに。
・メジャーコードとはなにか。
・コード進行
・音階
・譜面の読み方
・ピッキングの仕方
一から、分かるまで、できるようになるまで何度も教えてくれた。そして、僕はあることに気づく。
こうやって弾くんだよ。と見本を見せてくれた時のSくんの顔が、ものすごくキラキラしていた。
「やっぱり好きなんだな。音楽。」
そこから、なんでバンドを辞めることなってしまったのかを聞いた。
いわゆる方向性の違いらしい。
Sくんは好きなもの、自分の信念には嘘をつけない性格なのだと改めて知った。
不器用だけど、ものすごく素直な人間なのだ。
それから今に至るまでの話を2時間くらいかけて話を聞いた。僕からは何も言わずに、頷きながら。
夜遅くまで喋り、ギターを弾いたその日はそれで解散をした。
新たな一面を見れた1日だった。
※後日ギターとアンプを借りることになった笑
それからも遊び、バイトで被ったりしながら僕らは卒業の時を迎えた。
僕より先に最後のシフトを終えたSくんは最終日、用紙3枚ほどに渡って書かれた手紙をくれた。中にはこう書いてあった。
「〇〇は文字通り、僕の人生に彩りを与えてくれた人でした。〇〇と出会って人生が変わった。本当にありがとう。」
家に帰って読んで、不覚にも泣いてしまった。
こちらこそありがとうだよ。Sくん。
意外と可愛らしいところもあるSくん。
Sくんのシフト終わりが僕の出勤の2時間前だったとしても喋りたいからと、僕を待っててくれるようなところがある。
後輩も言っていた。
「Sさんって〇〇さんのこと大好きなんですよ〜。〇〇さんがバックヤード入って来た時顔つき変わりますもん。」
かわいいな。おい。
今2人とも社会人になり、Sくんは配属先の関係から以前のようには会うことできなくなってしまったが、月に一回のペースでサッカーを観に行ったりしている。
卒業前に一回観に行ったサッカーの試合でハマったらしい。
今では僕より詳しくなってる。
そんなSくんは結婚願望がしっかりあるようだ。
その話をした時こう言われた。
「友人代表のスピーチは〇〇よろしくな!!」
予約されたのである。
分かったよ、やらせていただこうではないか。
その時はここに書いたようなことをキュッとして喋ってみようかな。
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